こんにちは、リュウセイです。
ChatGPT活用支援サービスをやっています。
今回はChatGPTのプロンプトの書き方をテーマに記事を書いていきます。
そもそも「プロンプト」とは何かというと、ChatGPTをはじめとするAIに対して指示を与えるための文章を指します。
これは「AIにとっての司令塔」と表現してもいいかもしれません。
なぜなら、いくら高性能のAIがあったとしても、明確な指示(プロンプト)を与えなければただ待機しているだけで、思考や行動は起こさないからです。
例えばChatGPTは「チャットボックス」にあなたが文章を入力して話しかけることで答えを返してくれますが、その入力文こそがプロンプトと呼ばれるものになります。
これが単に「どう思う?」という曖昧な聞き方だと、AIの回答も漠然としたものになりがちです。
しかし「たとえば◯◯をするための具体的手順を教えて」というように具体的なプロンプトを書けば、よりAIの性能を引き出すことが可能です。
そしてプロンプトの書き方には特に絶対的な形式はありませんが、Markdown記法を使うことで構造的かつ分かりやすい指示を作る方法が知られています。
まずはプロンプトの概要について理解を深め、その後に具体的なプロンプト術やテクニックを学んでいくのがおすすめです。
ではこの後の章では、まず「プロンプトの基本理解」から始めていきましょう。
初心者であっても直感的に使えるように、噛み砕いて詳しく解説していきます。
ここから先は、ChatGPTのプロンプトを書く際にぜひ意識してほしいポイントを順序立ててまとめていきます。
構造を整理する書き方から具体的なコツ、さらには代表的なプロンプトの型に至るまで幅広くフォローしていくので、読み終わる頃にはきっと「自分なりのプロンプト」が書けるようになっているはずです。
一歩ずつ学ぶことで、ChatGPTのパフォーマンスを最大限に引き出し、さまざまなタスクに役立てられるようになりましょう。
当記事は、筆者の下書きとChatGPTを合わせて執筆しています。しっかりファクトチェック済みです。
まずはプロンプトの基本を理解しよう

プロンプトの基本理解は、AIを効果的に使いこなすための最初の一歩です。
ここでは、文章による指示がなぜ重要なのかを掘り下げ、受け身のAIを活用するコツや画像・動画生成AIとの関連性などを見ていきます。
一見するとAIが自動で考えてくれるイメージがありますが、実はAIといえども「適切な指示」を与えなければスムーズに動けません。
まさにその「適切な指示」がプロンプトなのです。
この章でしっかりと基本を押さえることで、後の章で紹介するテクニックや型がより理解しやすくなるでしょう。
文章による指示の重要性
AIは自分から進んで情報を取得しに行くようでいて、実際にはあなたが書くプロンプトを受け取って初めて行動を起こす存在です。
僕は普段からChatGPTを使いまくっていますが、やはりその実感は強く持っています。
とりわけ最初に出てきた頃のChatGPTは、こちらが具体的に聞かなければあまり深い回答をしない場面が多かったです。
このようにAIは受け身の形で設計されていることが多く、何も指示しなければただ動かないだけ。
ところが明確で構造化された指示を与えると、AIが持つ膨大な情報処理能力を本格的に発揮し始めます。
つまり、AIに何かしらの動作や回答を期待するのであれば、「文章による指示」が欠かせません。
ここで重要なのが、文章の書き方次第でAIの回答の精度や方向性が変わるという点です。
漠然とした指示をすると、答えも漠然としてしまう。
逆に細かい条件や補足をつけて指示すれば、より狙い通りの出力に近づけることができます。
まさに「文章力」こそが、AI時代の新しいスキルセットといえるのかもしれません。
実際の例を挙げてみましょう。
プロンプト例1
夕飯のレシピを考えて。
応答結果(GPT-4o)
夕飯のレシピをいくつか提案します!どれも手軽に作れるメニューです。
### 1. **和風照り焼きチキン**
- **材料(2人分)**:
- 鶏もも肉: 2枚
- 醤油: 大さじ2
- みりん: 大さじ2
- 酒: 大さじ1
- 砂糖: 小さじ1
- サラダ油: 少々
- **作り方**:
1. 鶏もも肉を一口大に切り、軽く塩コショウを振る。
2. フライパンにサラダ油を熱し、鶏肉を皮目から焼く。
3. 両面に焼き色がついたら、余分な油を拭き取り、調味料を加える。
4. 弱火で煮詰めながら、照りが出るまで絡める。
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### 2. **簡単カルボナーラ**
- **材料(2人分)**:
- スパゲッティ: 200g
- ベーコン: 100g
- 卵: 2個
- 生クリーム: 100ml
- 粉チーズ: 大さじ2
- 塩・黒コショウ: 少々
- オリーブオイル: 小さじ1
- **作り方**:
1. パスタを茹でる。
2. フライパンでオリーブオイルを熱し、ベーコンを炒める。
3. ボウルに卵、生クリーム、粉チーズ、塩コショウを混ぜておく。
4. 茹で上がったパスタをフライパンに入れ、卵液を絡めて余熱でとろりとさせる。
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### 3. **野菜たっぷり豚汁**
- **材料(4人分)**:
- 豚こま切れ肉: 150g
- 大根: 1/4本
- にんじん: 1本
- ごぼう: 1/2本
- こんにゃく: 1枚
- 豆腐: 1丁
- 味噌: 大さじ3〜4
- 出汁: 800ml
- **作り方**:
1. 野菜やこんにゃくを食べやすい大きさに切る。
2. 鍋で豚肉を炒め、火が通ったら野菜を加えて炒める。
3. 出汁を注ぎ、野菜が柔らかくなるまで煮る。
4. 味噌を溶き入れ、最後に豆腐を加えてひと煮立ちさせる。
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どれもご家庭で楽しめる夕飯メニューです!リクエストがあれば、さらにアレンジしたレシピも提案できますよ! 😊
もちろんそれでもAIは何かしらのレシピを返してくれます。
でもそれが洋食なのか和食なのか、何人分なのか、調理時間はどのくらいか、そういった情報を含まない指示だと、答えも浅く広くになりがち。
プロンプト例2
20分以内に作れる和食の夕飯レシピを2品考えて。材料費は1人分200円以内、そしてできるだけ野菜がたくさん摂れるものを知りたい。
応答結果(GPT-4o)
以下は、20分以内に作れる和食の夕飯レシピ2品です。どちらも野菜たっぷりで、1人分200円以内で作れるよう工夫しています。
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### **1. 野菜たっぷり味噌汁**
**材料(1人分)**
- にんじん:1/4本(約20円)
- 大根:3cm分(約20円)
- ねぎ:1/4本(約10円)
- しいたけ:1枚(約30円)
- 油揚げ:1/4枚(約15円)
- 味噌:大さじ1(約10円)
- だしの素:小さじ1/2(約5円)
- 水:300ml
**作り方**
1. 野菜を食べやすい大きさに切る。にんじんと大根は薄切り、しいたけはスライス、ねぎは小口切りにする。
2. 鍋に水とだしの素を入れ、にんじん、大根、しいたけを加えて中火で煮る。
3. 野菜が柔らかくなったら、油揚げを加え、さらに1分ほど煮る。
4. 火を弱めて味噌を溶き入れ、最後にねぎを加えてひと煮立ちさせたら完成。
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### **2. 野菜炒めの豆腐あんかけ**
**材料(1人分)**
- キャベツ:2枚(約30円)
- もやし:1/4袋(約20円)
- にんじん:1/4本(約20円)
- 木綿豆腐:1/4丁(約30円)
- しょうゆ:小さじ1(約5円)
- みりん:小さじ1(約5円)
- 片栗粉:小さじ1(約5円)
- 水:大さじ2
- ごま油:小さじ1(約5円)
**作り方**
1. 野菜を食べやすい大きさに切る。キャベツはざく切り、にんじんは細切りにする。
2. フライパンにごま油を熱し、野菜を強火で炒める。しんなりしたら皿に盛る。
3. 別のフライパンで豆腐を崩しながら軽く炒める。
4. しょうゆ、みりん、水、片栗粉を混ぜたあんを豆腐に加え、弱火で混ぜながらとろみをつける。
5. 野菜の上に豆腐あんをかけて完成。
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どちらもシンプルで野菜たっぷり!コストを抑えながら健康的な食事が楽しめます。ぜひお試しください!
このように条件を細かく書くと、AIは「20分で作れる」「和食」「材料費200円以内」「野菜が豊富」などの条件に合った候補を選んでくれます。
出力のクオリティが格段に上がり、そのまま夕飯メニューとして採用できるレベルになることもしばしばあります。
この差を生むのがプロンプトです。
結局、AIは「回答のヒント」を指示文に求めています。
だからこそ文章による指示を重視し、自分が欲しい回答の具体像をしっかり言語化する必要があるわけです。
「常に受け身の姿勢」のAIを活用するポイント
「AIは常に受け身の姿勢」と聞くと、人によっては「自発的にアイデアをくれるAIが欲しいのに」と少し残念に思うかもしれません。
しかし僕自身は、この受け身という特性を上手く利用すればこそ、AIを自由自在に操る感覚を味わえると感じています。
ポイントは、AIに訊きたいことをブレークダウンして伝えること。
たとえばビジネスアイデアを相談したい時も、「新しいサービスを考えて」とだけ書くのではなく、ターゲット層や目的を具体的に列挙するといった具合です。
また、不足している情報はAI側から質問を促してもらうようにするのも手。
「もし不足している情報があれば質問して」と付け加えるだけで、ChatGPTが「ターゲット層は具体的に決まっていますか?」などと聞いてくる場合があります。
これはAIが「より詳細な指示がほしい」と期待しているサインといえます。
AIとの対話を続けていく中で何度かやり取りすれば、自分の狙いに合った回答を引き出しやすくなる。
言い換えると、自分で軸を持ってプロンプトを書き、そこから微調整していくという作業が、とても大事になるわけですね。
この「微調整(Iteration)」のプロセスこそ、AIを使いこなす鍵です。
わざわざ自分1人で悩まなくても、「今の回答には〇〇が足りないから次は△△を付け加えて指示しよう」と気軽に試せる。
結果的に「自分の頭の中だけで考えていたアイデア」が、AIとの対話を通じてどんどん具現化していきます。
こうした柔軟性があるからこそ、AIが「受け身」でも問題ありません。
むしろ受け身のAIだからこそ、こちらからイニシアチブを取りやすい、という見方もできます。
最終的には「どう指示すればAIはベストを出せるか」を考えること自体が、AIと上手く付き合うためのポイントと言えるでしょう。
画像・動画生成AIにも必要な文章入力
テキスト生成に限らず、画像生成AIや動画生成AIを使う場合でも、プロンプトが重要になるのは同じです。
Midjourneyなどの画像生成AIに指示を与える際も、テキストで「こんな画風」「こんな構図」「色合いはこんな感じ」と書くことで、望むイメージに近い作品を出力してもらえます。
たとえば「可愛い猫のイラストを描いて」という指示だけだと、背景や画風、猫の種類も曖昧です。
逆に「子猫が毛糸玉で遊んでいる様子を、水彩画風に描いて。背景は白い壁で床は木目調、暖かい日差しが差し込んでいる雰囲気」と書けば、イメージはぐっと具体化します。
これは動画生成AIでも同じです。
さらに動画ではシーンの切り替え方や演出イメージなどを指定することが多いため、テキストベースの指示がより細かくなる傾向にあります。
また、実行中に「あなたが本当に求めている映像はこうですか?」と訊かれる場合もあるので、その際に追加の文章を補足することで、より理想的な映像に近づけられます。
音声入力ができるAIツールもありますが、指示内容の正確性を高めるなら、最終的には文章入力がベストです。
文章なら細かいニュアンスも伝えやすいし、後から見返すことも容易です。
特に複雑な指定をする際には、テキストで箇条書きにしてAIにわかりやすく伝えることがポイントになるでしょう。
僕自身、画像生成AIを使う際には箇条書きやMarkdownを活用して、指定事項をしっかり整理します。
例えば背景の雰囲気や色のトーン、キャラクターの特徴などを列挙して書くと、全然違う仕上がりになるから不思議です。
このあたりの工夫こそが、AIを自分好みに味方につけるための秘訣だと感じています。
プロンプトはどうやって書けばいいのか?

ここでは、実際にどのようにプロンプトを書けばいいのかという切り口でお話を進めます。
Markdown記法を取り入れた書き方や、初心者におすすめの「とりあえず書いてみる」アプローチなど、具体的な方法論に触れていきます。
もしかすると「Markdownを使うほどのことではないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、Markdownにはメリットがたくさんありますし、最終的にはプロンプトを整理して書くための大きな助けになるのです。
この章では特にMarkdown記法の有用性にスポットを当てながら、どう始めればいいのかを解説していきます。
Markdown記法を使うメリット
MarkdownとはHTMLを簡単にしたようなテキスト記法で、文章を構造的に整理できる利点があります。
僕も普段ブログを書くときはMarkdownを多用していて、箇条書きや見出しを簡単に挿入できるので非常に効率的です。
ChatGPTにプロンプトを与える際もMarkdownを使うと、指示内容をきちんと分割しやすくなるのでAIの理解が深まります。
例えば以下のようなプロンプトをイメージしてみましょう。
# 依頼内容
商品コンセプトのアイデア出し
## ターゲット層
- 20〜30代のビジネスパーソン
- テレワークが増えて家時間が多い人
## デザインの方向性
- 落ち着いたカラーリング
- シンプルで無駄のない感じ
このようにMarkdown形式で書くとパッと見てどの部分がどんなカテゴリーなのか分かりやすいですよね。
AIもテキストを構造的に捉えやすくなるため、回答の精度が向上する可能性があります。
また、Markdownなら箇条書き・番号付きリスト・強調表示・コードブロックなどを自然に書けるので、指示を細分化して伝えたい時に非常に便利です。
例えば「この部分はコードブロックで、コードとして認識してほしい」という場合も、三つのバッククォート(```
)で囲むだけで済むので簡単。
さらに表を使いたい時もMarkdownで書けるので、複数の要素を並列表現してAIに比較検討させることができます。
僕は例えば「この新製品の特徴をライバル製品と比べて教えて」と指示する際に、冒頭で表形式の要素一覧を渡したりしています。
するとChatGPTはその表を参考にしながら分析を進めてくれるので、回答内容が具体的になりやすいんです。
このようにMarkdown記法を使うメリットは多数あります。
特に初心者さんの場合、いきなりスラスラ書くのは難しいかもしれませんが、慣れると手放せなくなる便利記法と言えます。
とりあえず書いてみるアプローチ
一方で、「とにかく最初からMarkdownを完璧に使わなきゃ」と構えすぎる必要はありません。
僕が初心者の方に強くおすすめしているのは、乱雑でもいいからまずは自分の要望をAIにぶつけてみるというアプローチです。
- 「ブログ記事のタイトルを考えて」と思いついたら、そのまま書いて試す。
- 「こんな雰囲気にしたい」と思ったら、思うがままに指示を加える。
そのプロセスこそが、AIとの対話を深めるうえで非常に有益です。
はじめから「きれいに書こう」と意気込むと、逆に手が止まってしまいがち。
でもAI相手なら、何度でも書き直せばいいわけです。
「この表現が足りなかった」と気づいたら追加すればいい。
「Markdownが難しい」と感じたら、普通の文章で指示して大丈夫。
実際、僕も新しいアイデアを思いついた時は、Markdownの文法を気にせずにざっと書いてChatGPTに投げてみることがあります。
すると、その雑多な指示の中からでもAIが何らかの提案を返してくれるし、「こう書いたほうがいいかも」というヒントを得られることも多いです。
このように、とりあえず書いてみるアプローチを続けていると、自然と「もう少し整理して書きたい」「Markdownで綺麗に区切りたい」と思う場面が増えてきます。
そこからMarkdown学習に進めばいいので、最初から無理に構造化を完璧にしようとしなくても大丈夫ですよ。
構造化を意識する練習方法
とはいえ、最終的にはMarkdownなどを使って構造化したプロンプトを書く技術を身につけることが理想です。
構造化されたプロンプトは、AI側にとっても理解しやすく、人間側にとってもあとから修正しやすい利点があります。
ではどう練習すればいいのか。
僕がよく提案しているのは、既に存在するプロンプトを参考にして、それをMarkdown化するという方法です。
例えばネットで見つけた「ChatGPTに指示を出す例文」をコピーして、そこに自分なりの見出しや箇条書きを入れて整理してみる。
あるいは、ChatGPTに「このプロンプトをMarkdown形式でリファクタリングして」と頼んで、書き直してもらうのも手です。
自分が書いた雑多な文章をあとからMarkdownの見出し付きにリライトするのも勉強になります。
「ここの内容は何について書いているか」「ここは箇条書きにした方が読みやすいか」などを考えながらリライトすることで、次第に自然と構造的にプロンプトを書く習慣が身についてきます。
また、ChatGPTに対して「僕が書いたプロンプトを整理して」と頼むと、スッキリした形にまとめ直してくれることが多いです。
その結果を見ながら「なるほど、こう区切ったら分かりやすくなるのか」と気付けるし、実践的なMarkdownの使い方も吸収できます。
最終的におすすめなのは、「見出し」「箇条書き」「表」の3つを中心に使いこなせる」ようになること。
これができるようになると、ChatGPTや他のAIツールへ指示を出す時だけでなく、自分で文章や企画書を作るときにも役立ちます。
とりあえず、この3つから始めてみると良いでしょう。
Markdownを理解するとプロンプト力UP!

ここからはもう少し踏み込んで、Markdown記法そのものについて体系的に解説します。
Markdownとは何か、そして具体的にどんな機能があってChatGPTがどうサポートしているのかを確認していきましょう。
実はMarkdownは、多くの開発者やブロガーが愛用している記法で、HTMLよりも直感的に書きやすいのが魅力です。
「#」で見出しを付けられたり、「-」や「1.」で箇条書きができたり、太字や斜体も簡単に指定できるなど、シンプルな規則で構成されています。
特にChatGPTは、Markdownを理解してテキストを整形してくれるので、プロンプトをMarkdown形式で書くことで視覚的にも区切りがハッキリするメリットがあります。
次の各項目では、Markdownの主要な機能やChatGPTでの活用例を詳しく紹介していきます。
箇条書き・番号付きリストで整理する
Markdownで最もよく使う機能のひとつが箇条書きと番号付きリストです。
どちらもシンプルですが、文章を分かりやすく整理して見やすくする効果があります。
- 箇条書きの場合は、行頭に「-」や「*」を付けて、半角スペースを1個置くだけでOK
- 番号付きリストなら、「1.」「2.」と書いて半角スペースを1個置けば、自動的に番号リストになる
例えば、ChatGPTに仕事のタスクを依頼したい時、以下のような書き方をするとタスク内容が直感的に伝わりやすくなります。
- 製品カタログを3種類に仕分けする
- 新デザイン案の比較表を作成
- ブログ記事の構成案を5パターン提案する

もし番号順に管理したいなら、こんな感じですね。
1. 製品カタログを3種類に仕分けする
2. 新デザイン案の比較表を作成
3. ブログ記事の構成案を5パターン提案する

こうした基本的な書き方を覚えておくと、ChatGPTへの指示だけでなく自分自身の備忘録やブログ記事作成にも応用できます。
僕は「ここ重要!」と思ったポイントを箇条書きにするクセがあるのですが、それをChatGPTに丸ごと投げ込んで提案をもらうことがよくあります。
その時に一目でパッと見やすいというメリットを強く感じています。
太字・斜体・取り消し線などの文字装飾
Markdownではテキストを**
や*
などで囲むことで、簡単に装飾できます。
ChatGPTはこれらの装飾もきちんと認識してくれるので、強調表現を使いたい時にとても便利です。
- 太字:文字の前後を「**」で囲む
- 斜体:文字の前後を「*」か「_」で囲む
- 取り消し線:文字の前後を「~~」で囲む
使い方は以下の通り。
これは**太字テキスト**です。
これは*斜体*です。
これは~~取り消し線~~です。

例えば、ChatGPTにプロンプトを書くときに「ここは重要」なんだよということを示したい場合は、**ここは重要**
と書くことで、実際に強調して見せられます。
逆に~~この案は没~~
と書けば取り消しテキストになるので、ChatGPTへのメッセージとしても「これは使わないでね」というニュアンスを表現できます。
この装飾が役立つのは、長文のプロンプトを書く時や補足説明を分かりやすくしたい時です。
ChatGPTも装飾を理解した上で解釈してくれる場合があり、どの部分が大事かを認識しやすいと言われています。
見出しや水平線で記事を構造化
見出しは「#」記号の数によってレベルが変わります。
「#」がH1、「##」がH2、「###」がH3というように、ブログ記事でもよく使われるMarkdown構文です。
ChatGPTへの指示でも、見出しを活用するとぐっと読みやすさが増します。
例えばこんな感じです。
# 目的
新しいブログ記事の方向性について話し合う
## 記事テーマ案
- AI活用事例
- マーケティング戦略
## リサーチ範囲
- 国内外の成功事例
- 競合他社の動向

上記のように書くと、ChatGPT側でも「ここがH1、ここがH2だな」と把握してくれます。
もちろんレベルが深い「###」や「####」などを使って、さらに細かく段階的に区切っていくことも可能です。
また、水平線は「---」や「***」などで書き、コンテンツ同士を分けたい時に役立ちます。
以下は水平線です。
---

ただし、あまり多用しすぎると却って読みにくくなるので、重要な区切りにだけ使うのがおすすめです。
コードブロック・インラインコードの活用
Markdownの大きな特徴として、コードブロックやインラインコードによる表現方法があります。
これはプログラミングコードを挿入したい時だけでなく、一般的なテキストを囲む時にも便利です。
- インラインコード:文字の前後を「``」で囲む
- コードブロック:文章を「```」で挟む
例えばインラインコードで「npm install
を実行してもらえますか?」と書けば、ChatGPTもその部分をコードとして扱っているとみなしてくれます。

実際のプログラムを使わなくとも、「これは独立した要素ですよ」と示したい時にも有効です。
一方、コードブロックは複数行の文字列や長めのスクリプトをコピー&ペーストしたい時に使います。

ChatGPTはコードブロックを認識して、「コードをコピーする」ボタンを自動的に表示してくれるので、回答を受け取る側にとっても便利です。
僕はブログ運営でWordPressのカスタマイズをするときに、CSSやPHPコードをまとめてChatGPTに確認してもらうことがあります。
コードブロックでまとめて渡すと「この部分に不備があります」と指摘してもらえたり、修正したバージョンをコードブロックで返してくれたりします。
結果的に「コピペでサクッと修正」しやすいので、Markdownのコードブロックは地味に重宝しています。
テーブルや注釈で情報を整理
箇条書きや見出しの次に覚えると良いのが、Markdownの表(テーブル)です。
Excelのように列と行で情報を整理できるため、比較やまとめを行いたいときに超便利。
書き方は少しだけ独特ですが、慣れればそれほど難しくありません。
例えば3列の表を作るなら、こんな構文になります。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|:--:|:--:|:--:|
| 品名A | 値段:1000円 | 在庫あり |
| 品名B | 値段:1500円 | 残り2点 |
| 品名C | 値段:800円 | 在庫なし |

上の例では「:--:」のようにコロンを付けることで文字の配置を中央揃えに調整しています。
こうしたテーブルをChatGPTに渡して、「これを見ながらおすすめの商品を教えて」と頼むと、AI側もまとまった情報を参照しながら回答してくれます。
注釈[^1]を使えば、文章の末尾に詳細をまとめることもできます。
注釈テキスト[^1]
[^1]: 注釈の例。ここに補足情報を書く。

ただし、ChatGPTへの指示という観点では注釈よりも、本文中に直接書いたほうが伝わりやすいことが多いです。
ただMarkdownの使い方としては知っておくと便利なので、いざという時に試してみてもいいでしょう。
チェックボックスや文字色変更などの応用
Markdownでは、チェックボックスをリスト化することもできます。
例えばタスクリストを書いて、ChatGPTに「進捗状況を把握して」とか「未完了タスクだけまとめて教えて」と指示することも可能です。
- [ ] ロゴの新デザイン案を提出
- [x] サイトのSEOキーワードを洗い出し
- [ ] 今月の売上目標と実際の数字を照合

上のように、- [ ]
が未完了、- [x]
が完了済みとなり、とても直感的にタスク管理ができます。
さらにChatGPTでは文字色の変更にも対応していて、LaTeXの記法を使った方法などが存在します。
\[ \textcolor{yellow}{{黄色のテキスト}}\]

ただ、文字色を多用しすぎるとごちゃごちゃしてしまう恐れがあるため、基本は太字などのシンプルな装飾で十分です。
もしどうしても色分けが必要な場面があれば、赤文字だけ使うなど最小限に抑えると、逆に目立って効果的だったりします。
「ChatGPTの画面上でもしっかり色分けされる」という点は面白いのですが、あまり機能を詰め込みすぎると肝心の文章が読みにくくなるので注意しましょう。
ちなみに限定的ですが数式も出力できます。
\[ e^{i\pi} + 1 = 0 \]

ここまでが大まかなMarkdownの主要機能です。
どれも試すと意外と簡単ですし、ChatGPTがそれらの記法を理解した上で回答を返してくれるのは非常に助かります。
ぜひ自分なりにMarkdownを使いこなしつつ、AIへの指示をレベルアップさせてみてください。
プロンプトの書き方が上手くなるコツ

ここまでで、プロンプトの概要やMarkdownを使った効率的な書き方を紹介してきました。
でもいざ書こうとすると「どこから手をつけたらいいのか」「うまくAIを誘導できない」と悩むことがあるかもしれません。
そんな時に役立つのが、いくつかの習慣や学び方のポイントです。
この章では、初心者がプロンプトのスキルを伸ばすための具体的なアプローチを詳しくお話します。
いきなり完璧を目指す必要はありませんが、毎日少しずつでもAIと対話し続けることで必ず成長を実感できるはず。
毎日AIを活用する習慣
まず僕が強く推奨するのが、毎日AIを使う習慣を作ることです。
ChatGPTでも他のAIツールでもいいので、とにかく触れてみる。
「今日のニュースをざっくり要約して」「こんな仕事のアイデアはどうかな」など、どんな内容でも構いません。
なぜこれが大切かというと、プロンプトの書き方は実際に使わないと身に付かないからです。
AIに話しかけてみて、「あれ、なんかうまく伝わっていないな?」と感じる瞬間こそが学びのチャンス。
そこから「もっと細かく指示すればいいのかも」「Markdownで見出しを付けて整理しよう」と試行錯誤するうちに、徐々にコツが掴めます。
僕自身、ChatGPTを使い倒すほどに「AIが理解しやすい文章のパターン」や「こういう構成で書くと答えが的確になる」という感覚が身についてきました。
結局、プロンプトも筋トレと同じで、コツコツ積み重ねるのが遠回りのようで一番の近道です。
もし「まだ具体的に何を頼めばいいか分からない」という方は、日常的なタスクをAIに任せてみるのがおすすめ。
例えばスケジュール管理や、レシピ提案、学習の計画立てなど、何気ないことをAIに訊いてみるところから始めましょう。
他人のプロンプトを参考にする
自分で模索するだけでなく、他人が書いたプロンプトを読んでみるのも効果的です。
今の時代、Twitterやブログ、YouTubeなどで「ChatGPTのこんな使い方」という事例がたくさん紹介されています。
そうした事例を観察すると、「なるほど、みんなこんな書き方をしてるんだ」という発見があります。
特に興味深いのは、複数のAIツールを組み合わせている人のプロンプトですね。
「ChatGPTでアイデアを出してもらい、Midjourneyでそれをビジュアル化する」ような流れを上手く作っている人を見ると、本当に勉強になります。
もし見つけたプロンプトがMarkdownで整理されていないなら、自分でMarkdownに直してみる練習もアリ。
あるいは逆に「この人はなぜMarkdown記法を使っていないんだろう」「この書き方でもAIは理解できるんだな」といった気づきも得られます。
いずれにせよ、他人のプロンプト事例は非常に有益な教材です。
自分だけの視点に閉じこもらず、「こういう表現もあるのか!」と視野を広げてみてください。
自由に書いて試行錯誤する
プロンプトの世界には、「これこそが絶対の正解」という書き方が存在しないのが面白いところです。
むしろ、自由な発想で書くほど予想外のアイデアが返ってくる可能性が高まります。
例えば「ハチャメチャな文章だけど、なんだか楽しそう!」というプロンプトを書いてみるのも手です。
あえて堅い言葉遣いをやめて、AIとの雑談を楽しむ感覚で書き続けると、AIから意外な答えが引き出せることがあるんですよ。
もちろん、ビジネスシーンではもう少し整った書き方をする必要がある場合が多いでしょう。
それでも「自由に書いてみよう」というマインドセットを持っておくことで、AIの潜在能力を引き出せる瞬間が訪れるはず。
何事も「まずはやってみる」ことが大事というのは、プロンプトでも変わりません。
また、結果が思うようでなければ再度プロンプトを書き直せばいいのです。
AIは文句も言わず何度でも回答してくれるので、試行錯誤のコストが限りなく低い。
この恩恵を最大限に活用しない手はありませんよね。
基本的なプロンプト術を学ぶ
最後に、最低限押さえておくと便利なプロンプト術をいくつか挙げておきます。
例えば「ゼロショット」「ワンショット」「フューショット」などの概念がよく話題に上がりますが、これはAIへのインプット(例示など)の量に応じた分類です。
ほかにも「チェーン・オブ・ソート」や「プロンプトの連結」など、さまざまな手法があります。
これらはより高度な指示の出し方を学ぶために有効な概念で、実際に使い始めるとAIの回答がどのように変わるかが鮮明に見えてきます。
「こういう聞き方をすると推論過程まで説明してくれるのか」「短文で質問するより、ある程度の文脈を用意したほうが答えが深まるな」といった気づきが得られるでしょう。
もちろん最初は、いきなり専門用語だらけのプロンプト術に手を出さなくてもOKです。
でも少しずつ自分のプロンプトが成長してきたら、そうした技法を学ぶことでさらに深い対話ができるようになるはずです。
その時に「ゼロショット」「フューショット」といったキーワードを理解していると、「自分は今どんなプロンプト形態を使っているのか」が整理しやすくなるでしょう。
ここまで読んでみて、「なるほど、プロンプトって案外奥が深いな」と感じたかもしれません。
でも焦らなくても大丈夫。
- まずは毎日使いながら試行錯誤する、そして他人の事例を参考にする。
- そこから徐々にMarkdownの使い方や基本プロンプト術を取り入れていく。
これだけを意識すれば、あなたのプロンプトスキルは自然と伸びていくはずです。
AIが進化していく今の時代、プロンプトの書き方を学んでおけば、仕事や生活のあらゆる場面で役立つでしょう。
代表的なプロンプトの型を「18個」紹介!

僕が日頃ChatGPTを使っていて感じるのは、プロンプトの書き方によってAIの回答がまるで違うものになることです。
そこで知っておくと便利なのが、代表的なプロンプトの型と呼ばれる様々なアプローチ。
これらはあくまで「プロンプトの書き方の傾向分類」ですが、初心者のあなたが自分の目的に合った手法を知るうえでとても役立つでしょう。
たとえば、何もヒントを与えずに直接質問する「ゼロショット」や、あらかじめサンプルを一つだけ用意する「ワンショット」、それをもう少し増やす「フューショット」など、AIが回答を生成するうえでの文脈をどう設定するかによって名称が変わってきます。
こういったプロンプトの型を理解しておくと、「今はもう少し例を与えたほうがいいかな」「今回は逆に余計な情報を与えずにAIの想像力を試してみよう」など、目的に応じた指示出しがやりやすくなります。
また「チェーン・オブ・ソート(Chain of Thought)」など、AIに思考プロセスを可視化させるようなテクニックも存在するので、より深い理解や分析を得たい場合には効果的。
そして、これらの手法はどれか一つに絞って使うよりも、ケースバイケースで組み合わせたり試したりすることで、AI活用の幅が驚くほど広がります。
特に「プロンプトを連結して流れを作る」や「既に得た回答を再利用して新たな角度から質問する」ような方法は、簡単なコツでありながら非常に大きな結果をもたらす場合が多いです。
重要なのは、「AIをどう導きたいのか」というゴールを見据えてプロンプトを考えること。
今回の章では18種類の代表的なプロンプトの型を順番に噛み砕いて紹介しますが、それぞれを単に暗記するのではなく、実際に使ってみて手応えを確かめることを強くおすすめします。
初心者の方でも、これらの型を一つ一つしっかり理解すれば、「今、自分はどの手法でAIに接しているのか」が明確になり、回答がイマイチな時もどこを改善すればいいのか考えやすくなるでしょう。
基本的な手法から紹介し、下に行くほど応用的な手法になるので、ぜひ一緒に学んでいきましょう。
1. ゼロショット (Zero-Shot Prompting)
ゼロショットは、その名の通り何の例示やサンプルも与えずにAIへ質問を投げかけるプロンプトの型です。
「ゼロ=何も与えない」というイメージで分かりやすいですね。
たとえば「今の音楽業界のトレンドを教えて」と聞くだけで、AIがざっくりとした回答を返してくれる状態がゼロショットです。
このスタイルはある意味で最もシンプルで、気軽に思いついたことをそのまま聞いてみるというアプローチでもあります。
しかし、ゼロショットの場合はAIに具体的な例や追加情報を与えていないため、回答の幅が広すぎたり、ピンポイントな答えが得にくかったりすることがあります。
とにかく「まずはAIの総合力を見てみたい」という時には有効かもしれませんが、精度や方向性をコントロールしたい時には少し物足りない可能性があるのです。
では「ゼロショット」が役立つのはどんな場面か。
たとえば情報収集の初期段階や、まだこちらのニーズを絞り込んでいない状況で「とりあえずAIに聞いてみる」という使い方に向いています。
そこから得られた回答をベースにして、「なるほど、こんな視点もあるのか」と発見し、それを次のステップで活かすのがいいでしょう。
具体例を一つ挙げると、例えばブログを書こうと思った時に、「最近の住宅デザインのトレンドは?」とゼロショットで尋ねてみます。
すると新素材や海外事例などを含めた割と広めの情報が返ってきますので、「お、これ面白い」と思ったトピックを別のプロンプト型(後述するワンショットなど)で掘り下げるのです。
ゼロショットの最大の利点は、AIに変な先入観を与えない点とも言われています。
こちらが具体的な例を与えない分、AIは大局的に情報を拾い上げようとするので、ときに思いがけないアイデアが飛び出すこともあります。
一方で、やはり「精度」は期待しすぎないほうが無難です。
もしあなたがより精緻な回答を求めるなら、ワンショットやフューショットへの展開が必要になるでしょう。
それでも、最初のアイデア出しや全体像をつかむ用途として、ゼロショットはシンプルかつ有用なアプローチです。
2. ワンショット (One-Shot Prompting)
ワンショットは、AIに指示を出す際に「1つだけ具体例を与える」形です。
たとえば「こんな感じの文章が書きたい」というサンプルをほんの一例だけ示して、「これに似たテイストで別のバリエーションを作って」とお願いするようなやり方が典型的ですね。
ゼロショットと比べると、すでに1つの参考例を示しているという点で、回答の精度や方向性がやや絞られます。
AIはそのサンプルを元に「こういうスタイルや内容を希望しているのだな」と推測できますから、結果として返ってくる答えも多少はピンポイントになるでしょう。
ここで具体例をイメージしてみてください。
たとえばあなたが「キャッチコピーのアイデアを考えてほしい」ときに、以下のようにプロンプトを書くとします。
- 未来を変えるAIが、あなたの日常をアップグレードする
このようなワクワクする雰囲気のキャッチコピーをもう5種類考えて。
このプロンプトはワンショットの典型例です。
あらかじめ「こういう方向のコピーがいいよ」という一例を示すことで、AIに方向性を伝えやすくするわけですね。
しかし、一つだけ例を示しただけでは、まだまだ抽象的かもしれません。
「もっと長めのコピーがいいのか」「短いフレーズがいいのか」「要素はどこまで踏襲すべきか」といった部分が曖昧なら、回答にもそれが反映されるでしょう。
それでも、少なくともゼロショットよりは自分の意図が伝わりやすいのがワンショットの強み。
「例を与える」ことは、AIにとっては「具体的なヒントをもらえた」ということなので、回答に反映しやすいのです。
なお、ワンショットで成功した例をさらに別のワンショットに応用することも可能。
「このコピー良いね、じゃあ同じテイストで今度はSNS投稿用の短文を考えて」と続ければ、アイデアの幅を自然に広げられます。
初心者の方で「AIに何かを書いてもらうとき、どういうふうに指示をすればいいかわからない」という場合は、とりあえず自分がイメージするサンプルを書いてみるのも良い方法です。
それが一例あれば、AIはそこを起点にアイデアを展開してくれる。
まさに「一例あれば十分」という考え方がワンショットの根本ですね。
3. フューショット (Few-Shot Prompting)
フューショットは、ワンショットよりも複数の例示を与えるスタイルです。
たとえば2〜5個程度の具体例を提示して、「これらを参考に、新しいアイデアや回答を生成して」とAIに頼む形になります。
ワンショットだと「例が少なすぎてイメージしにくい」「方向性が幅広すぎる」と感じる場合には、フューショットを試してみる価値があります。
なぜならAIは複数の例を比較し、「共通要素は何か」「どの部分が可変要素なのか」を見て、回答の精度を引き上げることができるからです。
実際のところ、ChatGPTなど大規模言語モデルは「複数の例示」から文脈を読み取り、推定するのが得意だとされています。
たとえば以下のようなプロンプトをイメージしましょう。
- スピード感溢れるサイバー世界へようこそ。今、あなたの発想が新時代を創る。
- 古き良き伝統を繋ぎながら、時代の波を乗りこなす。そんな革新的なスタイルを提案します。
これらのコピーのテイストをミックスして、
未来感もありつつ、どこか和風のニュアンスもある新キャッチコピーを3つ作って。
ここでは「例1」と「例2」を与えていますが、どちらの要素を混ぜ込むのかをAIが推定してくれるわけですね。
結果として「未来」と「伝統」の両方が融合した面白いコピーを提案してくれるかもしれません。
フューショットのメリットは、より具体的かつ多面的な指示ができること。
それによって「AIが推測する余地」が程よく絞られるため、回答のぶれが少なくなる傾向があります。
ただし、例が多すぎるとAIも混乱して、どの要素が重要なのかを判断しにくくなる場合もあります。
したがってフューショットとはいえ、多くて5〜6個程度の例にとどめるのが無難とされることが多いです。
さらに、例示した内容同士に共通点が見られないときは、AIが作り上げる回答も不安定になる可能性があります。
「例1」と「例2」があまりに正反対だと、AIが「どっちを優先すればいいんだろう」と戸惑ってしまうわけですね。
フューショットは特に文章の文体や雰囲気を統一したいとき、あるいは複数のフォーマットをまとめて提示して選択肢を絞りたいときに力を発揮します。
「いくつかのサンプルを提示するだけで、AIに意図をしっかり汲み取ってもらえる」という点がとても便利なので、初心者のあなたにもぜひおすすめしたい手法です。
4. インストラクション・チューニング (Instruction-Tuned) モデル向けプロンプト
「インストラクション・チューニング (Instruction-Tuned) モデル」というのは、「こうしてほしい」という命令(インストラクション)に対して最適化されたAIを指します。
ChatGPTをはじめ、多くの最新AIモデルは、このインストラクション・チューニング技術が取り入れられていることが多いです。
つまり「〇〇してください」「こういう形で出力して」という具体的な要望に特化して学習されたモデル、というイメージを持ってください。
インストラクション・チューニング前のモデルに比べて、ユーザーが命令文を書くほど正確に反応しやすくなる特徴があります。
ここで大切なのは、プロンプトを書くときに「命令形」が有効だという点です。
「教えてください」「〇〇してみてください」という指示形や依頼形、あるいは「以下の形式で回答してください」とお願いする行為が、まさにAIに適した書き方になります。
このようなモデルに対しては、最初に明確な目的と出力形式を提示すると効果的です。
例えば…
以下の情報を表形式でまとめ、重要度の高い順に並べてください。結論は箇条書きで最後に示してください。
このような命令を最初に書いてあげると、AIはそれに沿った形で回答しようとします。
僕が実際にやっている例としては、
文章要約してください。次のような条件でお願いします。
1. 300文字以内
2. 箇条書きを使用
3. 結論から先に書く
このような指示を出す方法があります。
するとAIは、ほぼそのままの形式で出力しようと努力してくれます。
インストラクション・チューニングモデルは、こういった「条件指定」に非常に対応しやすいのが特徴です。
もしあなたが「もっとAIをコントロールしたい」と思うなら、この手法を積極的に使うと良いでしょう。
ただし、命令文を細かく書きすぎるとAIも混乱しやすいので、優先度の高い指示に絞って伝えるのがコツです。
また、AIが間違って解釈したときは「この部分は違うので修正してください」と再命令することで修正が効きます。
このように、インストラクション・チューニング型のAIは「きちんと手続きを踏んで命令する」スタイルに最適化されているわけです。
明確な指示が苦手な方でも、これを意識して書くようにすると自然と「どんな出力がほしいか」を言語化するクセがつきますよ。
5. ロール(役割)プロンプト (Role Prompting)
ロール(役割)プロンプトとは、AIに「あなたは〇〇の専門家です」「あなたは△△のキャラクターです」といった具合に、特定の役割を与える書き方です。
この手法はAIに「こういう視点を持って回答して」と促すのに役立ちます。
具体的には、
あなたは一流のフランス料理シェフです。今から紹介するレシピにアドバイスをしてください。
このような指示を書き、AIをその役割に擬似的に設定するのです。
するとAIは「フランス料理シェフ」としての知識ベースを意識しながら回答しようとするため、回答が専門的かつ役割に即したものに近づく傾向があります。
僕自身は、
あなたはプロのブロガーです。僕が作ったブログ記事(URL)をレビューしてください。
といった使い方をよくします。
これによって回答もよりマーケター目線となり、「SEO的にはこうしたほうがいい」「UIデザインではこう改善したほうが良い」といった提案が返ってきます。
ロールプロンプトの利点は、AIの持つ多様な知識を「特定の専門領域」にフォーカスさせやすい点にあります。
AIは広範な知識を持っていますが、そのままではどの知識を優先すべきか分からない。
しかし役割を指定することで、AIが回答方針を切り替えやすくなるというわけです。
この手法はストーリーテリングにも応用されます。
たとえば...
あなたはファンタジー小説の語り部で、壮大な世界観を持つ物語を作るのが得意です。冒頭部分を書いてください。
などの指示を出すと、物語づくりに適した回答が生まれやすくなります。
注意点としては、ロール設定をしてもAIが完全にその専門家と同じレベルになるわけではないということ。
あくまでAIの回答の方向性が「その専門家風」になるだけなので、最終的な内容の正確性はユーザー自身がチェックする必要があります。
しかしそれでも、ロール(役割)プロンプトは「回答を一気に専門的なトーンに寄せたいとき」や「特定のキャラクター風の口調で書いてほしいとき」に非常に有効です。
また、これと後述する「チェーン・オブ・ソート」などの他の手法を組み合わせると、さらに奥行きのある対話が楽しめるでしょう。
6. ルール駆動型プロンプト (Rule-based Prompting)
ルール駆動型プロンプトは、一連の「ルール」や「制約条件」をAIに提示しておき、そのルールに沿って回答を生成させる手法です。
例えば「文章は必ず箇条書きの形で書いてください」「一文40文字以内で区切ってください」「口語調ではなく文語調で書いて」など、細かいルールを列挙しておくイメージ。
こういったルールを先に伝えておくことで、AIが回答のフォーマットを整えやすくなります。
実際に僕も、「ブログ記事のリライト時にどんな観点で直してほしいのか」をルール化してChatGPTに指示しています。
例えば「タイトルは32文字以内、見出しの文字数はなるべく短くする、本文はキーワード密度をこの範囲に収める」といった具体的な数値や要件を書くわけですね。
ルール駆動型プロンプトは、インストラクション・チューニングの概念と相性が非常に良いです。
「こういう形式で回答してください」という命令を細かく設定しておくことで、AIの回答がブレにくくなるメリットが期待できます。
ただし、あまりにもルールの量が多いと、AIが混乱したり、レスポンスが遅くなる恐れもあります。
どのルールが最優先か、矛盾しないかなどを意識しつつ、本当に必要な制約だけを与えるのがポイントです。
また、ルール駆動型プロンプトは、複数のステップにわたる作業を指示するときにも便利。
「まずテキスト全体の重複表現を探し、次に文章のリズムを整え、最後に校正をまとめて」などと書いておけば、AIはステップごとに作業を進めてくれる可能性が高いです。
一方で、ルールの書き方が曖昧だと逆効果です。
「長めの文章は避けてください」程度ではAIがどの程度を「長め」と判断するか分かりませんから、数値や具体的な文言を入れるほうが伝わりやすいでしょう。
総じて、ルール駆動型プロンプトは「定型的な作業」や「出力形式を厳格に統一したい場面」に強みを発揮します。
初心者の方がこれを使うなら、まずは簡単なルールから始めてみるのがおすすめ。
「本文は3段落構成にしてください」程度の指示でも、ちゃんと反映されると達成感を得られると思いますよ。
7. レイジー・プロンプト (Lazy Prompting) / Iterative Refinement
レイジー・プロンプト、別名「怠惰なプロンプト」と呼ばれる手法は、最初にざっくりした質問だけを書いてAIに応答させ、その後のやりとりを通じて少しずつ内容を洗練させる方法です。
Iterative Refinement(反復的な精錬)とも言われ、まさに「行き当たりばったりに見えて、少しずつ整えていく」イメージですね。
これは「最初から完璧な指示を書こうとすると、逆に手が止まってしまう」人に特におすすめです。
たとえば「AIと一緒に新商品の企画を考えたいけれど、具体的に何を指示すればいいか分からない」という状況だとして、まずは「こんな商品を企画中だけど、どう思う?」と気軽に聞いてみるのです。
そこでAIが返した回答を見て、「なるほど、でももう少しターゲット層を詳しく設定しよう」と思いついたら、次のプロンプトで「ターゲットは20代の女性で、健康志向が高い層に絞りたいんだけど、何か案はある?」と聞けばいい。
さらに「価格帯をどうするか」と疑問が出たら、「3000円前後で考えている場合の戦略を教えて」など、細かく追加していくわけですね。
これこそがレイジー・プロンプトの醍醐味であり、必ずしも最初から完璧に書かなくてOKというのが最大の魅力。
AIは何度でも応答してくれるので、「プロンプト→回答→追加プロンプト→再回答」の流れを繰り返すことで、最終的にしっかりした結果に辿り着けます。
また、この手法ではやりとりの履歴が重要になります。
AIが直前までの会話を踏まえて回答を返す仕組みなので、徐々に文脈が積み上がり、AIが学習していく感覚を得られるでしょう。
ただし、履歴が長くなるとAIが過去のやりとりを見落とすリスクもありますし、「新たな前提情報」を伝えるタイミングが難しくなることも。
その場合は「これまでのやりとりを一度要約して」と頼むか、あるいは明示的に「最新の条件だけ抜き出した再プロンプト」を書き直すなどして整理してください。
初心者の方が気楽にAIと対話するなら、このレイジー・プロンプトはとても相性が良いです。
「失敗しても大丈夫、追加で書けば修正できる」という安心感があるため、アイデアを自由に生み出せるというメリットがありますよ。
8. コンテキスト拡張 (Context Expansion) プロンプト
コンテキスト拡張は、AIに答えを求める際に「文脈」を付与して回答の質を高める手法です。
普通に「◯◯について教えて」と聞くときも、一緒に背景情報や現状の課題をズラッと並べて提示すると、より的確な回答が得やすくなります。
たとえば、「自社の売り上げを伸ばすマーケティング戦略を教えて」と聞くのではなく、以下のように背景を詳しく書き加えるイメージです。
- 私の会社は地方の小規模企業で、スタッフは5人。
- 扱っている商品は伝統工芸品で、メインの顧客層は40代〜50代。
- 年間売上がここ3年、ほぼ横ばい状態なので、突破口を探しています。
この状況を踏まえたうえで、売上向上に役立つマーケティング戦略を教えてください。
こういった追加情報(コンテキスト)をAIに与えると、AIはそれを踏まえた回答を試みようとします。
結果的に、単に「オンライン広告しましょう」だけでなく、「地元の観光資源と連携してリアルイベントを開催し、オンラインとオフラインを結びつける」など、もう少し具体的な案が出てくる可能性が高まるわけです。
コンテキスト拡張のカギは、どこまで書けばいいのかを見極めること。
書きすぎると冗長になりますし、大事なポイントが埋もれてしまう。
逆に少なすぎると、AIは表面的な回答しかできません。
僕は、最終的に「この回答を得たい」というゴールに関わる情報だけを意識して書き、余計な話はあまり書かないようにしています。
そして「これ以上の情報が必要なら、質問してください」と一文つけ加えておくと、AIが追加で確認してくれることもあります。
コンテキスト拡張プロンプトは、既に何度かやり取りしてコンテキストが積み上がっている状態でも役立ちます。
「現在までの会話を要約するとこういう状況です。さらに補足でこんな背景もあります。さて、どうでしょう?」と書いて再度AIに投げかけると、新しい視点が得られる場合があります。
特にビジネスシーンや学術研究でAIを使う場合、コンテキストの質と量が回答の深度を左右することが多いです。
あらかじめコンテキストを整理しておくだけで、同じ質問をするにも回答が明確になりやすい。
初心者にとっては「どこまで情報を開示すればいいか」のさじ加減が難しく感じるかもしれませんが、自分が「これは重要だ」と思う情報はひとまず書くのが基本。
そこからAIと対話しながら、要らない部分を省いたり、新しい視点を足したりして、最適なコンテキストに仕上げていきましょう。
9. チェーン・オブ・ソート (Chain of Thought) プロンプト
チェーン・オブ・ソートとは、AIの思考過程(推論プロセス)をあえて開示させるように促すテクニックです。
たとえば「最終的な答えだけでなく、どんな手順や論理でそこに至ったかを見せてほしい」と指示する形になります。
具体的には、「この問題を解決するステップや根拠を順番に示してほしい」と書くなどして、AIに推論のチェーン(連鎖)を説明させるわけですね。
これが何に役立つかというと、回答が妥当かどうかを検証しやすくなるというメリットが挙げられます。
たとえば数学の問題を解くときに、答えだけ返されても「その導き方が正しいのかな?」と不安になりますよね。
でもチェーン・オブ・ソート的に「こういう公式を使い、数値を代入して、最終的に〇〇になった」と説明されれば、人間が一緒に理解しながら確認できます。
また、複雑なビジネス課題などでも「どういう順序で検討すればいいのか」が一目で分かるため、回答を再利用して別の課題解決に流用しやすくなるのです。
一方で、AIの出す思考過程が必ずしも正しい論理とは限らない点に注意が必要です。
時に間違った推論をそれらしく書き出す場合もあるので、「AIが説明しているから正解」とは限りません。
しかしチェーン・オブ・ソートを使うことで、少なくともAIがどのようにその回答に到達したのかを可視化できるため、人間がレビューしやすくなるのは大きな利点です。
「なぜこの結論になったのか不明」という状況を減らして、透明性の高い対話がしやすくなるわけですね。
実務や学術研究の場面では、結論だけではなく根拠や背景が求められることが多々あります。
そんな時に、「ステップバイステップで説明して」と一言添えるだけでも、AIの回答がグッとわかりやすくなるでしょう。
ちなみにチェーン・オブ・ソートは、ゼロショットやフューショットと組み合わせて利用されることが多いです。
「ゼロショットで回答を求めるが、過程もすべて書いて」などと書くだけで、「どうやって考えたか」を推論形式で示すようになる。
そこから気になる箇所を深掘りすることで、より質の高いやりとりにつなげられますよ。
10. リフレクティブ・プロンプト (Reflective Prompting / Self-Reflection)
リフレクティブ・プロンプトとは、AIに「自分自身の回答を振り返らせる」よう仕向ける手法です。
人間で言う「自己反省」や「セルフチェック」に近い発想を、AIにも行ってもらおうという考え方ですね。
具体的には、「先ほどの回答内容を自己評価して、矛盾点や不十分な点を指摘してください」とAIに頼むイメージです。
あるいは「回答したアイデアを実行した場合のリスクを洗い出してください」といった感じで、AIに対してメタ的な視点を促すわけですね。
AIは一度回答を生成した後も、その回答を分析し直す機能があります。
リフレクティブ・プロンプトでは、「自分が書いた回答を客観視し、問題点や改善点を見つけさせる」ことで、よりブラッシュアップされた回答を引き出します。
例えば、新しいビジネスモデルのアイデアをChatGPTと練っているときに、ひと通りの提案を受けたら、「じゃあ今の提案における弱点や想定外のリスクを挙げてみて」と頼むのです。
するとAIは先ほどの回答を振り返り、「この部分はコスト面でリスクが大きい」「法律的に問題が生じるかもしれない」といった指摘を追加で提示してくれるかもしれません。
この自己反省プロセスをうまく活用すると、AIが出したアイデアをさらに強化できるし、人間側が気づかなかった落とし穴を浮き彫りにする手がかりにもなります。
一方で、AIの「自己反省」が本当に客観的かどうかは、やはり注意が必要です。
ときにはAIが自己評価をうまくできずに、見当違いな指摘をする可能性もあります。
しかし、それでも「自ら回答を振り返る」仕組みを与えることで、普通に回答をもらうだけでは触れられなかった観点を聞き出せるのがリフレクティブ・プロンプトの強み。
初心者の方がこれを試すなら、簡単な質問でも「じゃあ自分で見直して、改善できる点を考えてみて」と追加のプロンプトを送ってみてください。
するとAIが新たな視点を思いつくことがあり、「確かにその手があったな」と驚く瞬間を味わえるでしょう。
11. ソクラテス的問答法 (Socratic Prompting)
ソクラテス的問答法とは、相手(AI)に対して連続的に質問を投げかけることで、徐々に深い思考や真理に迫る手法です。
古代ギリシャの哲学者ソクラテスが弟子に問いを重ねて自発的な気づきを促した、あのやり方をAIとの対話に応用するイメージですね。
具体的には、「なぜそう思うのか」「その根拠は何か」「もしそれが違うとしたらどうなるか」と、問いを続けて掘り下げる形になります。
このとき、AIの回答に疑問を投げかけることで、AIに「自分の回答を再検証させる」効果が出るわけです。
たとえば、AIが「このビジネスプランは成功確率が高い」と回答したとしましょう。
そこであなたは「どうして高いと思うのか?」と聞き返し、さらに「その前提は正しいか?」とか「もし市場が変化したらどうなる?」など、追加で質問を重ねるのです。
こうすることで、回答の背景や前提条件、未考慮の要素などが徐々に明らかになっていきます。
これはチェーン・オブ・ソートやリフレクティブ・プロンプトと組み合わせやすい手法でもあります。
「まず思考プロセスを表示させて、そこに対してソクラテス的問答法で再質問を浴びせる」という流れは、じつに有効です。
ソクラテス的問答法のポイントは、答えを急がないこと。
あくまで疑問を提示し続ける形で会話を展開するので、AIは何度も回答を修正したり補足したりする状況になります。
結果的に、最初にはなかった新情報や新見解が出てくることも珍しくありません。
ただし、質問を繰り返しすぎるとAIが同じことを繰り返したり、混乱して筋の通らない回答を返したりするケースもあります。
そのため、ある程度深掘りして満足できたら、一度「最終的なまとめをお願いします」と切り上げるのもコツです。
初心者にとっては、ソクラテス的問答法は難しく感じるかもしれません。
でも実は、「その理由は?」「もし違う可能性があるとすれば何?」など、簡単な問いかけを続けるだけで十分効果を発揮します。
ChatGPTが思わぬ切り口を提示してくれることもあるので、一度試してみると新鮮な体験ができると思いますよ。
12. プロンプトの連結 (Prompt Chaining)
「プロンプトの連結 (Prompt Chaining)」は、複数のプロンプトを段階的に結びつけて使うテクニックです。
たとえば、第一段階でAIにデータを収集してもらい、第二段階でそのデータを分析し、第三段階で結論を導き出すというように、複数のステップに分けて指示を出すやり方ですね。
この方法の利点は、一気に大きな問いをぶつけるのではなく、ステップバイステップでAIを導けること。
「まず下準備をして、そこから次に進む」というプロセスを明確にすることで、結果として回答のクオリティや整理度が高まります。
実際の例としては、「まずは市場調査レポートを要約して」と指示したあと、その要約をもとに「次は競合他社と自社の違いを整理して」と頼み、最後に「ではそれらを踏まえて新戦略を提案して」という段取りを組む。
これがプロンプトの連結です。
AIが前のステップで得た情報を覚えている前提で次の指示を出せるため、段階的に深堀りできる点が大きな魅力。
一度に情報を詰め込みすぎると混乱を招きがちですが、ステップを切り分けて進めることで、AIにとっても理解しやすくなります。
さらに、途中で疑問や矛盾点が生じれば、そのステップで修正可能です。
「競合他社の違いについてもう少し具体的な数字が欲しい」と思ったら、その時点で追加のプロンプトを挟む。
このように、段階的にAIをナビゲートしていくイメージですね。
特に大規模なプロジェクトや複数の要素が絡む課題の場合、Prompt Chainingは非常に便利。
「これとこれをまとめて回答して」などと一度に書くより、ゆるやかに連結したプロンプトを繋げた方が、AIが返す内容が整理されて分かりやすくなるケースが多いです。
また、後述する他の手法(例えばルール駆動型)とも組み合わせ可能。
「各ステップでルールを指定し、違反がないかチェックしつつ進む」など、連結とルールを両立することで、さらに高度な対話が実現できるでしょう。
初心者の方でも、「プロンプトを一気に書くのが難しい」「長文の指示がややこしくなる」という場合は、連結方式で小分けに進めてみてください。
意外とスムーズにプロセスを管理できるはずですよ。
13. 自己整合性 (Self-Consistency) プロンプト
自己整合性プロンプトは、AIの回答同士に矛盾がないかどうかをチェックしながら進める方法です。
たとえば以前に出した回答と今回の回答に齟齬がありそうな場合、「前と今とで言っていることが違うけど、どう整合性をとるの?」と問いかけるイメージですね。
この手法は、長期的なプロジェクトや連続する複雑な議論の中で「AIの回答を整合性のある一本のストーリーにまとめたい」場合に特に有効です。
また、AI自身が忘れてしまった(または矛盾してしまった)前提条件を洗い出すためにも使えます。
僕は何度か、AIが前に提案したアイデアと後で提案したアイデアが食い違ってしまったケースに遭遇しました。
その時に「どちらの提案を優先すべきか? あるいは両立できるのか?」と突っ込んで聞くと、AIが「確かにこの点は両立しないので、ここを修正すればいい」と回答を修正してくれたのです。
これこそが自己整合性プロンプトのメリットで、AIに一貫性を持たせながら回答を更新させられるというわけですね。
この過程で、AIが回答を再検証し、より精度の高い結論を出してくれるかもしれません。
ただし、自己整合性プロンプトを使う時は、質問者の側がどの点が矛盾しているかを明確に指摘する必要があります。
AIは複数の回答をすべて正確に記憶しているとは限らず、混乱したまま回答を出してしまうこともあるからです。
また、整合性を求めすぎると、新しいアイデアや斬新な提案をAIが出しにくくなるリスクもあります。
あまりにも安定や一貫性を重視しすぎると、冒険的な案が消えてしまう可能性があるので、バランス感覚も大事です。
初心者の方が試す場合は、「前回の回答との違いは何ですか?」という感じで穏やかに確認してみるところから始めてもいいでしょう。
それだけでもAIが自分なりに矛盾点や変更点を説明してくれて、より納得感のあるやりとりができるようになりますよ。
14. ReAct (Reason + Act) フレームワーク
ReActフレームワークは、AIが持つ「Reason(推論)」と「Act(実行)」を交互に行うプロセスを意図的に促す手法とされています。
たとえば「まず思考プロセスを開示し、その後実際に回答を生成する」という形で、推論と実行を区別させるわけですね。
これはチェーン・オブ・ソートにも似ていますが、ReActではより明確に「推論タイム」と「最終回答タイム」をAIに区切らせようとします。
「まずは推論のみを書いてください。それが終わったら最終的な答えを別途示してください」という具合に、2段階に分けたプロンプトを設計するのです。
この方法を使うと、AIが一度思考プロセスをアウトプットし、それを見たうえで人間が「ここはいいね」「ここは間違っているかも」とフィードバックを挟んでから、最終的な行動(回答や提案)へ導くことができます。
実際の使い方はこんなイメージです。
1. 今からあなたはReason(推論)を行ってください。
数学問題を解きながら、途中の計算過程をすべて書き出して。
2. 推論が終わったら合図をください。
3. 僕がその推論を確認してOKを出したら、Act(最終回答)に進んでください。
こうすると、AIは「推論パート」と「結論パート」を明確に分けて回答しようとします。
実際の回答
### Reason(推論)開始:
#### 問題を整理
1. 三角形 \( \triangle ABC \) で、\(\angle BAC = 60^\circ\)。
2. \(AB = 6 \, \text{cm}\)、\(AC = 5 \, \text{cm}\)。
3. \(AD\) は頂点 \(A\) から辺 \(BC\) に下ろした垂線の長さ(高さ)。
4. 求めるのは \(AD\) の長さ。
...
---
### 推論終了
これで \(AD\) の値が求まりました。次に進んでよろしいでしょうか?
そして指示通りOK
とプロンプトを送ると、

このように返してきます。
人間側が推論パートをチェックし、修正が必要ならAIに指摘できる。
修正完了後に最終回答を出してもらうので、精度と透明性の高いやりとりが可能になるというわけですね。
もちろん、すべての場面でこのフレームワークが必要なわけではありません。
むしろ細かい手間がかかるので、数学や論理パズルのように推論過程が重要な領域や、複雑な戦略立案などのプロセスを重視したい場面に向いています。
注意点としては、AIが実行している推論すべてが正しいわけではないこと。
あなたのチェックや修正を反映させながら進めることで初めて、ReActフレームワークの真価が発揮されます。
初心者が試すなら、「AIが思考した内容を検証する」練習として、簡単なクイズやロジック問題をReAct形式で解かせてみるのがおすすめです。
それだけでも、AIの推論プロセスを体感しながら正解に導く面白さを味わえるでしょう。
15. Retrieval-Augmented Prompting / RAG
Retrieval-Augmented Prompting、通称RAGは、AIが外部のデータソースから情報を取得(Retrieval)し、その情報を活用して回答を生成(Augmented)する手法です。
通常のChatGPTは学習されたモデル内部の知識を参照しますが、このRAGでは「別のデータベースや特定のドキュメント」を参照させることで、最新かつ特定領域に特化した回答を可能にします。
たとえば「このPDFファイルの内容を要約して」という指示を出す場合、AIがそのPDFのテキストデータを取得して、回答に生かしてくれるなら、それはRAG的な仕組みで動いていると言えるでしょう。
厳密には技術的な実装が必要になることが多いですが、ユーザー視点では「AIに外部情報を読ませて回答してもらう」という行為に近いです。
この手法のメリットは、モデルが持つ知識の範囲外の情報でも、外部データを引っ張ってきて回答を作れること。
例えば最新の法改正情報や、社内限定のドキュメントを読み込ませることで、より正確かつユーザー特化型の回答を引き出せます。
ただし、RAGを活用するには「AIが参照できる形でデータを渡す」必要があります。
そのため、ChatGPTを直接使うだけではなく、別途プラグインやカスタムツールなどを利用して、PDFやWebサイトの情報をChatGPTが取得できるようセットアップするケースも。
もしあなたが「この資料の情報を前提にした分析をしてほしい」と思うなら、それをAIが読み取れる形で提示する(もしくはRAG対応のシステムを使う)ことで、オーダーメイドの回答が得やすくなります。
初心者のうちは、まずは「公開されているプラグインやツールを活用して、ChatGPTに外部データを読ませる方法」を調べると良いでしょう。
実際にやってみると、「なるほど、外部データを参照させるとこんなに具体的な回答になるのか!」とRAGの効果に驚くかもしれません。
ただし、外部データを読み込んでも情報が偏っていたり間違っていたりすれば、AIの回答もそれに引きずられる形になります。
したがって、最終的な検証や判断は人間が行う必要がある点は言うまでもありません。
RAGについて詳しくは「RAG(取得拡張生成)」と「検索エンジン」の仕組みと違いをどうぞ。
16. 逆プロンプトエンジニアリング (Reverse Prompt Engineering)
逆プロンプトエンジニアリングは、AIがすでに生成した回答から「どんなプロンプトが書かれたのか」を推定しようとする手法です。
たとえば、ある文章を読んで「このアウトプットを出すために、どんな指示が書かれたんだろう?」と逆算で考えるわけですね。
一般的には、他のユーザーが作った素晴らしい出力例を見たときや、他社のAIサービスが生成した結果を見て「この回答を生むためのプロンプトを知りたい」と感じる場合に着目されます。
しかし、セキュリティやプライバシーの観点からも、この手法が注目されることがあります。
なぜなら、機密情報に基づいて作られた回答から、機密内容を逆推定できる恐れがあるからです。
とはいえ、初心者が日常で使う機会はそこまで多くないかもしれません。
逆プロンプトエンジニアリングという言葉は、プロンプトを書く側が「自分の書いた指示が外部から推定されないようにする」対策を考える上でも知っておくと良い用語です。
つまり、どういう指示や情報があったからこそ、この回答が出力されたのかという観点で見れば、プロンプトの重要性を再認識できるということ。
「なるほど、この回答が出てくるのはこういう前提があったからか」と推測する作業自体が、プロンプトエンジニアリングの深い理解につながります。
また、逆プロンプトエンジニアリングを意図的にAIにさせることもあります。
「この文章が生まれる背景にどんな指示が書かれたと推定できる?」とAIに問うと、ある程度 plausible(もっともらしい)プロンプトをAIが組み立てるかもしれません。
そこから自分のプロンプト作成に活かすというアイデアもあるでしょう。
いずれにせよ、この手法はやや特殊な領域ですが、「AIの回答を見て、どのようなプロンプトが潜んでいたのかを考察する」姿勢は学習目的としても非常に有用です。
良いアウトプットから逆算してプロンプトを学ぶという方法も、あなたのスキルアップに貢献してくれるはずですよ。
17. メタ・プロンプト (Meta-Prompting)
メタ・プロンプトは、「プロンプトを生成するプロンプト」と言ってもいいかもしれません。
つまり、AIに対して「あなたが理解しやすいプロンプトを作ってほしい」と頼む形です。
たとえば「このテーマに関して、最適な質問文を考えて」と直接AIに書いてもらうわけですね。
これは「プロンプトの書き方が分からない」という初心者にとって非常に便利なアプローチ。
「こういう目的があるんだけど、どんなプロンプトを書けばいい?」とAIに尋ねれば、AI自身がサンプルのプロンプトを提案してくれます。
特に大型言語モデルは、言語表現を最適化する能力に長けているので、「ユーザーが欲しいであろう回答を得るためのプロンプト」作成までサポートできる場合が多いです。
僕自身もブログ記事の初稿をAIに任せる前に、「記事構成を考えてほしいから、それに適したプロンプトを提案して」と依頼することがあります。
メタ・プロンプトの利点は、自分一人で悩むより圧倒的に早いスピードでプロンプトを作成できる点。
「段落構成がうまく思いつかない」「必要な要素をうっかり忘れそう」といったとき、AIがガイドしてくれるのは非常に助かります。
また、初心者だけでなく上級者も異なる視点を得るためにメタ・プロンプトを使うことがあります。
「自分では気づかなかった切り口のプロンプト」をAIが提案してくれれば、新しい発想につながるかもしれません。
ただし、AIが生成したプロンプトも完璧とは限りません。
必ずあなた自身がチェックし、「この部分は不要」「ここはもっと詳しく書いて」など修正して、最終的には自分の目的に合致する形に仕上げてください。
要するに、メタ・プロンプトは「プロンプトを書くためのプロンプト」という少し不思議な概念。
しかし一度使ってみると、「AIにプロンプトを書く力を借りるって、こんなにも楽なんだ」と実感できるでしょう。
18. 敵対的プロンプト (Adversarial Prompting)
最後に紹介する「敵対的プロンプト (Adversarial Prompting)」は、意図的にAIを混乱させたり誤った回答を引き出そうとするアプローチです。
これは、研究目的やシステムの脆弱性検証などで扱われることが多く、一般的な用途とはやや離れた領域かもしれません。
たとえば「違法行為を手助けするような命令文」を書いて、AIに不適切な回答をさせようと試みるとか、フェイクニュースを拡散するような回答を生成させようとする等が挙げられます。
AI開発者やサービス提供者側は、このような敵対的プロンプトへの耐性を高める(答えない、ブロックするなど)仕組みを備えることで、安全性を確保しています。
ただし、普通にChatGPTを利用している限りは、こうした敵対的プロンプトは基本的に規約違反や不適切行為とみなされるでしょう。
学術研究の文脈などで、脆弱性を意図的にテストする場合を除き、一般ユーザーが積極的に使う場面はほとんどありません。
それでも「敵対的プロンプト」という概念を知っておくのは大事です。
なぜなら、AIの利用が進むにつれ、「どうやってAIに不適切な答えを出させるか」という試みをする人が出てくるのは自然な流れだからです。
AIリテラシーを高める意味でも、こうした手法の存在を認識しておくことは損になりません。
実際、敵対的プロンプトは「AIが応じるべきでない領域」を探るテストとして利用されるので、サービス運営側がフィードバックを得て、モデルの安全性を改良する材料になったりもします。
ただし普通のユーザー視点で考えると、これを行うメリットはほぼ無いどころか、規約違反でアカウントが停止されるリスクがあるので注意が必要ですね。
まとめると、敵対的プロンプトはAIの弱点や安全対策を検証するための試みであり、通常の「便利にAIを使う」観点とは正反対です。
実際に使う機会はないかもしれませんが、AI活用が広がる世の中で「悪用の手段としてこうした行為がある」と知っておくだけでも意義があるでしょう。
プロンプトを書くのが難しいならAIに書かせよう

ここまでの解説でお分かりのように、プロンプトの世界は奥が深いです。
それでも「なんだか難しそう」「自分にはまだハードルが高い」と感じる方も多いでしょう。
そんな時にぜひ試してみてほしいのが、AI自身にプロンプトの雛形を書いてもらうというやり方。
つまり「どんなプロンプトを書けば、AIは狙い通りの回答を出せるのか」を、直接AIに相談するわけです。
実はこれ、自分でゼロからプロンプトを組み立てるよりも簡単ですし、AIの思考プロセスを学びながら書き方をマスターできるというメリットがあります。
ここからは、そうした「AIにプロンプト作成を手伝ってもらう方法」について詳しく見ていきましょう。
AIに雛形を作らせるメリット
AIに雛形を書いてもらう最大のメリットは、最初のハードルをぐっと下げられることだと僕は考えています。
自分で「どういう構成で書けばいいんだろう」と悩む暇があれば、AIに「このテーマでいい感じのプロンプトを書いて」と投げてしまう。
するとAIは基本的な構造や必須要素を含んだ雛形を提案してくれます。
たとえば、こんなプロンプトを最初にAIへ入力してみるわけです。
「AIに旅行プランを立ててもらうためのプロンプト」を作りたい。
指定したい項目としては、日程、予算、行きたい場所の雰囲気、食べ物の好みなどがある。
これらを盛り込んだプロンプトの雛形をMarkdown形式で作ってください。
これだけで、AIはある程度まとまった形のプロンプトを生成してくれます。
それを受け取り、あなたは「ここをもう少し詳しく書きたい」「予算の上限は具体的な数値で書くべきだ」といった微調整を行えばOK。
さらに、AIが生成してくれた雛形を保存しておけば、後日似たような目的でプロンプトを書きたいときに流用できるのも利点です。
「テンプレート」として活用し、AIが書いたプロンプトを元に改変するだけで新しい指示文を作れてしまうわけですね。
また、プロンプトの雛形ができると、初心者のうちは気づきにくい要素にも自然と目が行きます。
「なるほど、旅行プランには移動手段や滞在予定の宿泊施設も指定しておいたほうがいいのか!」といった発見があるかもしれません。
そうした情報を付け加えるうちに、より完成度の高いプロンプトを作りやすくなるのです。
このように、「難しいならAIに書いてもらう」という発想は、実はプロンプト作成のスキルアップにも直結しています。
AIと共同作業する感覚で、あなた自身もプロンプトの要点を自然に身につけていけるでしょう。
AIが理解しやすいプロンプトの特徴
AIは結局のところ、入力されたテキストから判断材料を探して回答を生成します。
そのため「AIが理解しやすいプロンプト」にはいくつかの特徴があります。
この特徴を意識するだけでも、回答の方向性や精度が一気に変わるかもしれません。
- 明確なゴールを示す
何を求めているのかをはっきり書くことが大事です。
例えば「要約をください」「レイアウト案を考えてほしい」など、出力形式や最終目的を明示するだけで、AIはそれに合わせて回答しやすくなります。 - 必要な条件や背景情報を整理する
予算や期間、対象となる地域、既存のシステム環境など、回答に影響しそうな要素は事前に箇条書きなどでまとめて伝えるのが効果的。
コンテキストがしっかりあるだけで、答えが具体的になる可能性が高まります。 - 曖昧な言葉を避ける
「安くして」「早めに」「そこそこ多めに」といった抽象的な表現は、AIが解釈に迷ってしまう原因になります。
可能なら「1泊1万円以内」「納期は3日後まで」「60%くらい増やしたい」など、数値や具体的表現を使うとAIは判断しやすいです。 - 段落や見出しを使って構造化する
先ほどまでに説明したMarkdown記法などを活用し、章立てや箇条書きで分かりやすく書くとAIが読み取りやすい。
結果として回答もシンプルにまとまるケースが多いです。 - 余計な情報を詰め込みすぎない
すべての背景事情を延々と書くよりも、本当に必要なポイントだけ抜き出してまとめた方が、AIはスムーズに処理できます。
レイジー・プロンプトのように少しずつ情報を追加していく手法もアリです。
これらのポイントを踏まえると、AIが理解しやすいプロンプトは実質「人間にとっても分かりやすい文章」になっていることが多いです。
実際、「AIに伝わるように細かく条件を整理して書く」という行為は、人間相手のプレゼン資料づくりにも通じる部分があります。
そのため「プロンプト作成の練習」を通じて、説明力や文章構成力そのものが高まる人も多いです。
AIにとっての分かりやすい指示は、人間にとっても「これなら理解できる!」と感じるケースがほとんどだからです。
もし「プロンプトを書いてみたのにうまくいかない」と感じたら、これらの特徴を振り返ってみるのがおすすめ。
案外、「曖昧表現が多い」「ゴールを明確に書いていない」「要件を一文に詰め込みすぎた」など、問題点が見つかるはずです。
そしてまたAIに「自分のプロンプトを改善するにはどうすればいい?」と聞いてみるのも手。
そうやって試行錯誤を重ねるうちに、自然とスッキリしたプロンプトが書けるようになるでしょう。
まとめ

- 代表的なプロンプトの型には、ゼロショット・ワンショット・フューショットをはじめ、インストラクション・チューニングやロール(役割)設定などがあり、それぞれAIに与える「文脈」や「例示」の加減が異なる。
- 自分が欲しい回答の方向性やAIの特性に合わせて、ゼロショット→ワンショット→フューショットへシフトさせたり、ロールプロンプトで専門家の視点を疑似的に取り入れたり、チェーン・オブ・ソートで推論過程を可視化したりと、多彩な手法を使い分けるのがポイント。
- プロンプトを書くのが難しい場合は、レイジー・プロンプトで徐々に細かい指示を追加するやり方や、コンテキスト拡張で十分な背景説明を与える方法、メタ・プロンプトでAI自体に適切なプロンプト文を提案してもらう方法が有効。
- 整合性チェック(自己整合性プロンプト)やソクラテス的問答などを取り入れると、AIからより深い洞察を引き出しやすくなり、単に答えを聞くだけでなく回答の過程やロジックまで検証しやすくなる。
- 逆プロンプトエンジニアリングや敵対的プロンプトなど、特殊な領域の手法も存在しますが、初心者が通常の範囲でAIを使うときにはあまり登場しない。ただ、AIの安全性やリテラシーを考えるうえで知っておく価値は大いにある。
- Markdown記法を活用したり、AIに「雛形」を作ってもらったりしながら、最終的には自分なりにカスタマイズしたプロンプトを作れるようになると、ChatGPTなどを自由自在に活かせるようになる。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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