ChatGPT活用術

ChatGPTとOpenAI APIのAIモデルを一挙紹介 & 徹底解説

この記事の3行要約

  1. OpenAIのAPIで使えるすべてのAIモデル(GPT-4, GPT-3.5, Whisper, DALL·Eなど)を機能別にわかりやすく整理
  2. AIは“どれを使うか”でなく、“どう使い分けるか”の時代へ。モデルは選択肢であり、可能性そのものだ
  3. 本記事では、各モデルの特徴・価格・用途を比較しながら、最適な導入戦略を一括理解できます

こんにちは、リュウセイです。
ChatGPT活用支援サービスをやっています。

今回はChatGPTとOpenAI APIで現在公開されているAIモデルを一挙に整理していきます。

僕自身もChatGPT活用支援サービスをしている関係で、「どのモデルを使うべき?」「そもそもChatGPTのモデルとAPIのモデルはどう違うの?」という質問をよく受けます。

この記事では、まず「ChatGPTとOpenAI APIのモデルの違い」をシンプルにまとめ、続いて「OpenAIのAIモデルの沿革」としてGPT-1から最新のo3-miniシリーズまでを年代順に深掘り解説していきます。

初心者のあなたにも分かりやすいように噛み砕いて書きつつ、上級者向けの技術ポイントも盛り込みますので、ぜひ最後までお付き合いください!

当記事の情報は2025年2月13日時点での情報です。ChatGPTは進化が早いので、当記事も随時更新していく予定ですが、最新情報はOpenAI公式をご覧ください。

当記事は、筆者の下書きとChatGPTを合わせて執筆しています。しっかりファクトチェック済みです。

音声版も用意しています!

ChatGPTとOpenAI APIのモデルの違い

まずはじめに、ChatGPTOpenAI APIの違いを押さえましょう。

どちらもOpenAIが提供する「AIにテキストを入力して、テキストやその他の形で応答を受け取るサービス」ですが、使い方や料金体系、モデル選択の自由度などに違いがあります。

ChatGPTの特徴

  • ブラウザや公式アプリ上で直接AIと会話
    例えばchat.openai.comやChatGPTの公式モバイルアプリ(iOS/Android)を使い、ユーザーは自然なやり取りを楽しめます。
  • モデル選択はプランごとに固定・制限
    無料プランだとGPT-4o miniを常用し、GPT-4oを回数制限付きで使える…といった形で、ユーザーが細かくモデルを指定するわけではありません。
    有料プラン(Plus、Proなど)に加入すると、高度モデル(o1、o1-pro-modeなど)を選べるようになります。
  • UIが整備され、初心者にも扱いやすい
    ブラウザ画面上で質問を入力するだけでOK。
    特別なプログラミングやAPI知識は必要ありません。
  • 月額制(あるいは無料)
    ChatGPT無料版なら0円、ChatGPT Plusは月20ドル、ChatGPT Proは月200ドル…というようにサブスクリプション型
    ただし無料版では使えるモデル・回数に制限があります。

OpenAI APIの特徴

  • プログラムからAPIリクエストを送って利用
    開発者が自作アプリやサービスに組み込み、AIの応答を取得する
    例えばPythonやNode.jsなどでHTTPリクエストを送り、テキスト生成や要約といった機能を利用します。
  • モデル選択の自由度が高い
    GPT-3.5、GPT-4 Turbo、GPT-4o、o3-miniなど、複数のモデルを好みで指定できます。
    過去のモデル(GPT-2、GPT-3など)を使うことも可能です。
  • 従量課金制
    トークン(実際の文字数に相当する単位)の消費に応じて料金が課金される方式です。
    大量のリクエストを投げるとコストが増えますが、使った分だけ支払うため、低頻度なら安く済むこともあります。
  • 高度なカスタマイズ
    システムメッセージで動作方針を指定したり、ファインチューニング機能で独自データを学習させたりできます。
    また、関数呼び出し(function calling)などもAPI側が先に実装されるケースが多く、より先進的な機能をいち早く試せる利点があります。

要するに、ChatGPTはUIの操作がラクで、初心者がすぐに試せる反面、細かい調整やモデル選択は制限されています。

OpenAI APIは開発者向けで柔軟にモデルを使い分けられる一方、料金計算やコードの実装が必要になり、初心者にはやや敷居が高い面も。

どちらを選ぶかは目的次第ですが、日常使いのAIチャットならChatGPT、自作アプリや業務システムへの統合を狙うならOpenAI APIといった住み分けが自然ですね。

OpenAIのAIモデルの沿革

ここからが本題です。

OpenAIは2018年にGPT-1を研究論文として公開して以来、どんどんモデルを発展させてきました。

GPTシリーズだけでなく、途中から「oシリーズ」と呼ばれる推論強化ラインも登場し、さらに2025年1月末にはo3-miniシリーズという新たな流れも加わって、バリエーションが爆発的に増えています

そこでここでは、GPT-1から現最新モデルまでの沿革を時系列でざっくり押さえることをゴールにしたいと思います。

まずは、記事の冒頭で示した通り、モデル一覧をテーブル形式で並べましょう。

細かく分けると「GPTシリーズ」と「oシリーズ」に分類されますが、下記の表ではあくまで時系列で並べています。OpanAIの方針によると将来的にはこの2つのシリーズを一本化するらしいですが、正式には決まっていないようです。

モデル名リリース日概要
GPT-12018年6月11日研究論文として公開された初代モデル。全てはここから始まった。さようなら、人類。
GPT-22019年2月14日段階的に公開されたモデルで、前モデルよりも大幅に性能が向上。だが「人間がなぜ泣くか分かった。 俺には涙を流せないが…」とは言わない。
GPT-32020年5月11日1750億パラメータを持ち、API提供が開始された大規模モデル。
GPT-3.52022年11月30日ChatGPT無料版に最初に搭載。当時は革新的だったモデルであり、ChatGPTの凄さを世に知らしめた立役者。安価APIモデルとしてアプリやツールに組み込むAIとしてよく採用されたが、GPT-4o-miniの登場によって表舞台からほぼ姿を消したと言われている。お疲れ様でした。
GPT-42023年3月14日ChatGPT Plus向けにリリース。これが初のChatGPTでの有料課金モデル。当時は今と比べ物にならないほど、応答速度が遅かった。この時点でかなり賢い。
GPT-4 Turbo2023年11月6日GPT-4の高速版。ChatGPT Plus向け。Turboという名前はAPI版限定であり、ChatGPTではGPT-4の名前でTurboが搭載されていた。
GPT-4o2024年5月13日マルチモーダルに本格対応し、無料ユーザーにも開放(回数制限つき)。事実上のChatGPT標準モデルと言える存在で、使い勝手の良さはNo.1。初心者から上級者まで全員に愛される存在。何度もアップデートされている。
GPT-4o mini2024年7月18日ChatGPT無料版のデフォルトモデルに。mini版なので通常4oよりも応答が高速であるが、代わりに性能は少し劣る。APIでは通常4oよりも料金が格段に安いため、アプリ等でよく組み込まれているモデル。
o1-preview2024年9月12日初の"o"シリーズモデル。ChatGPT有料限定で、高度な推論力を提供。GPTシリーズは平均2,000文字の生成量が精々だったが、oシリーズでは一回で1万文字以上の生成が可能など働き者。フルバージョンであるo1に切り替わる形で御役御免。
o12024年12月5日o1-previewの進化版。より高度な推論力を提供。後述の「o3」と入れ替わる形で、ChatGPTからは退場した。一括で1万文字以上を生成できたのがとにかく強かった。
o1-pro-mode2024年12月6日ChatGPT Pro専用モデルとして登場。高度な推論力を持ち、ChatGPTではProユーザーしか使用できないプレミアムモデル。通常oシリーズより生成量が多いのが特徴で、実装当時は3〜5万文字くらいを一括生成できたが、日が経つほどにナーフされ、現在では通常oシリーズと大差無くなってしまった。次世代モデルとして「o3-pro」が控えているが、いつになるやら。
o3-mini2025年1月31日高速かつコスト効率の高い推論モデル。軽量モデルながらコーディング力に優れる。o4系統の登場により、ChatGPTからは退場。
o3-mini-high2025年1月31日o3-miniの高推論力バージョン。コーディング力に優れる。o4系統の登場により、ChatGPTからは退場。
GPT-4.52025年2月27日GPT-4 系列の中間アップデート。推論精度を底上げされたが、速度はかなり遅っそい。遅すぎるだろ。GPT-5 までの“つなぎ”となる位置付け。
GPT-4.1(API版)2025年4月14日GPT-4oよりコーディング性能が強化された改良モデル。チャット生成は4oの方が早いとされるがコード生成は4.1の方が早いと言われる。同時期に mini版 と nano版 もリリース。
o32025年4月16日o1と入れ替わりで実装された、o3系統のフルバージョン。すべての ChatGPT ツール(ブラウジング・ファイル解析・画像生成など)を統合的に利用でき、推論深度と柔軟性が大幅向上。現最強モデル。Proユーザーなら普段使いは4oからo3に切り替えるべし。
o4-mini2025年4月16日o3 の設計思想を引き継ぎつつ軽量化した高速モデル。レイテンシとコストを抑えながら、エージェント機能やコード生成などの主要能力を維持。
o4-mini-high2025年4月16日o4-mini を高推論設定でファインチューニング(微調整)した強化版o4-mini。視覚・コード・論理推論タスクで o4-mini を上回る精度を発揮。o3と同じく、次世代モデルはo4(フル)になると予測される。
GPT-4.1(ChatGPT版)2025年5月14日API版限定モデルだったGPT-4.1がChatGPTにも実装へ。「他のモデル」から選択可能。GPT-4o-miniを置き換える形で実装され、GPT-4oの使用制限を超えると軽量版のGPT-4.1-miniへ自動切り替えされる。
o3-procoming soon...o1-proの進化版。o2は特許の問題で使えないため、2を飛ばして3に。o1-proは高度推論力を持ちながらテキスト生成のみ対応のモデルであったため、通常o3のようにマルチモーダルな進化が期待される。というかそうじゃなかったら存在価値無い。そんなことよりも、早く実装しろ。
GPT-5coming soon...AGIに最も近い存在になると言われる、禁断のAIモデル。OpenAIの代表サム氏によると、事実上AGIと呼べるとか呼べないとか。また、「GPTシリーズ」と「oシリーズ」をGPT-5として一本化するという計画があるらしいが、「簡単ではないだろう」と市場からは言われている。僕もそう思う。
GPT-5.5coming soon...悲報?朗報?OpenAIによると、GPT-5.5こそが「AGI」らしく、いよいよ人類史が大きく変わるかもしれない...と言われているとかいないとか。謎が多いAIモデル。

以上が2025年4月現時点で確認できるOpenAIのモデル群です。

それでは、順番ずつ詳しく解説しますね。

GPT-1【2018年6月11日公開】

GPT-1はOpenAIが世に放った「Generative Pre-trained Transformer」の先駆け。

2018年6月11日に、研究論文という形で「こんなの作ってみました」と公開されました。

  • パラメータ数
    約1.17億(1億1,700万)
  • 特徴
    大量のテキストを事前学習し、そのあと微調整すれば様々なNLPタスクで高性能を示せる。
  • 用途
    あくまでも研究用。商用APIとして提供されることはありませんでした。

当時としては「1億パラメータ超えってヤバいね」と一部の研究者がざわつく規模でしたが、この先にもっと大規模なモデルが続々登場するとは多くの人が想像していなかったはず。

ある意味で、GPT-1は歴史の開幕を告げる一石だったと言えます。

TransformerアーキテクチャがNLPの主役を奪い取る兆しを世に知らしめたのです。

GPT-2【2019年2月14日公開】

次にGPT-2が、2019年2月14日に発表されました。

バレンタインデーに合わせたのかは分かりませんが、パラメータ数15億というのは当時としては驚愕のサイズ。

さらに「段階的公開」という珍しい方針が取られた点が話題に。

GPT-2はフェイクニュース生成などへの悪用リスクを考慮し、いきなり全部を公開せず、小規模版→中規模版→フル版と徐々に解放されたんですね。

  • 主なエピソード
    最初のリリースでは「完全版は出しません。危険すぎるので…」とOpenAIが発表。
    「そんなにやばいのか…」と界隈は騒然。
    結局同年11月頃にフルモデルを公開。

GPT-2の生成文が人間と区別できないほど自然だった(当時の認識)ことから、「大規模言語モデルってやばいね」と一気に注目度が高まったんです。

ただしこの時点では商用APIは用意されず、主に研究や個人の実験ベースで使われました。

ソースコードやモデルの重みが一般にダウンロード可能になったため、誰でもローカル環境でGPT-2を動かす時代が到来。

GPT-3【2020年5月11日公開】

そして2020年5月11日、OpenAIは一段と強烈なインパクトを放つモデルを公開します。

それがGPT-31750億パラメータという、当時比で桁違いの巨大モデルでした。

  • パラメータ数
    1750億
  • API公開
    2020年6月にOpenAI APIとしてベータ提供開始。
  • Few-Shot能力
    わずかなサンプル例を与えるだけで高性能な文章生成や翻訳、コード補完が可能になる。

この「APIによる商用利用可能モデル」としての登場がAI業界に大きな衝撃を与えました。

誰でもオンラインで強力な言語モデルにアクセスできるとなると、スタートアップから大企業までこぞって試し始めたのです。

料金面では、「トークン課金で使い過ぎると高額請求が…」というリスクがありながらも、多くの開発者が「こんな便利なAPIが来るなんて!」と興奮しました。

また、GPT-3はファインチューニングに対応し、ユーザー独自のデータを追加学習させることも可能に。

小説の文体を真似させたり、専門用語を多用する業務向けカスタマイズをしたりと、柔軟に使える点が評価されました。

まさに「AIがここまで進化してしまったか…」という歴史的瞬間だったと言えるでしょう。

GPT-3.5【2022年11月30日公開】

それから約2年半後の2022年11月30日、OpenAIが一般公開したのがChatGPTでした。

このChatGPTの中核をなしていたのが、GPT-3.5という改良モデルです。

GPT-3.5には、人間フィードバックを取り入れたInstructGPT系や、さらに会話特化で調整された要素が含まれており、従来のGPT-3よりもユーザーの意図に従いやすくなっています。

  • ChatGPT無料版
    新規ユーザーは無料でこの超高性能AIと対話でき、SNS上で「本当に人間みたいだ!」と大盛り上がり。
  • 圧倒的ユーザーベース
    数か月で月間ユーザー1億人を突破し、「史上最速の利用者1億人到達サービス」と呼ばれました。
  • API版 gpt-3.5-turbo
    2023年3月頃にAPIとしても公開され、多くの開発者がGPT-3.5を使ってチャットボットや文章生成サービスを作るようになりました。

ただ、GPT-3.5はいくつかの弱点(長文コンテキストの短さ、事実関係の誤りなど)が目立つようになり、2023年3月にGPT-4が発表されると一気に「GPT-3.5は旧モデルかも?」と見なされるようにもなります。

それでもChatGPT無料版の主力モデルとして活躍し、多くの人々がAIとの対話の面白さを初めて体験したモデルでもあるわけです。

GPT-4【2023年3月14日公開】

GPT-4は、2023年3月14日にOpenAIが「大幅に知的レベルがアップした」として発表したモデルで、ChatGPT Plus会員は同日から使えるようになりました。

GPT-4の特徴をあらためて整理すると

  • 推論力アップ
    大学院レベルの試験や複雑なプログラミングタスクでも高い正答率を示し、「GPT-3.5よりも格段に賢い」と評判に。
  • マルチモーダルへの一歩
    画像入力のテスト機能が限定的に公開され、テキスト以外のデータ処理への拡張性がうかがえました。
  • 長文対応
    コンテキスト長が8K(あるいは32K)に広がり、より長い履歴を踏まえた回答が可能に。

一方で応答速度がやや遅いという課題があり、多くのユーザーが「GPT-3.5より答えは良いけど待ち時間が増えた」と口をそろえていました。

さらに、無料版には解放されなかったので、「GPT-4を使うなら月20ドル払ってPlusに入るしかない」という点がユーザーの悩みの種でもありましたね。

ですが、それを上回る「高度な回答精度」によって多くの人が「GPT-4は値段に見合う」と評価し、企業でも採用が増加した印象です。

GPT-4 Turbo【2023年11月6発表】

そんなGPT-4の弱点(速度や大容量コンテキストの負荷)を解消する形で、2023年11月6のOpenAI DevDayでGPT-4 Turboが発表されました。

  • 128Kコンテキスト
    これによって実に本一冊分にも匹敵するテキストを一度に処理可能になり、企業利用では会議録や契約書などの大量テキストをまとめて要約するケースに非常に重宝。
  • 高速化とコスト削減
    内部アーキテクチャの最適化により応答が速くなり、API利用時の料金もGPT-4より安く設定。

いわば「GPT-4の使い勝手をさらに高めたバージョン」という位置づけで、ChatGPT Plusユーザーには即日アップグレードとして提供されました。

「Turbo」という名のとおり、スピードと大量処理が求められる用途で大きく活躍し、2023年末には多くのビジネスユーザーが「もうGPT-4よりGPT-4 Turboをメインに使うよ」と乗り換えたようです。

GPT-4o (Omni)【2024年5月13発表】

そして2024年5月13日、OpenAIはついに真のマルチモーダルを実現したモデルとしてGPT-4o(Omni)をリリースします。

「o」はOmni:オムニ(全て)を指し、テキスト・画像・音声・動画を統合処理できる能力をアピール。

  • 無料ユーザーにも制限付きで開放
    ChatGPT無料プラン利用者も、3時間に10回だけGPT-4oを呼び出せるという太っ腹仕様。
    「ずっとGPT-3.5しか触れなかった無料ユーザーが一気に最先端モデルにアクセスできる」ことに。
  • 高度な画像・音声・動画解析
    例:ユーザーがスマホで撮影した動画をアップロードすると、その内容をリアルタイムで要約したり、音声を認識して再生したりできる。

API利用時にもGPT-4oが正式に提供され、音声や画像を含む複数モードの入出力をシームレスに扱えるAPIとして脚光を浴びます。

「ここまで来たか…」と僕含め多くのAIファンが興奮した出来事で、「ビデオチャットで字幕自動生成+要約+意図汲み取り」といった複雑な処理が一気に簡単になるのですから、実用的な可能性が一気に広がりました。

GPT-4o mini【2024年7月18日発表】

GPT-4o miniは、2024年7月18日にOpenAIが発表した「GPT-4oシリーズ」の軽量版モデルです。

無料版ChatGPTの標準モデルとしてGPT-3.5に代わり、新たにGPT-4o miniがデフォルト使用される形となりました。

2024年7月当時、無料ユーザーは長らくGPT-3.5を使っていたのですが、そこに突然「GPT-4o miniが今日から無料版のメインモデルです!」とアナウンスが入ったわけです。

多くのユーザーが「え、いきなり!? でも性能上がるなら嬉しい!」と驚きと期待をもって迎えました。

GPT-4o miniは、GPT-4o(Omni)の成功を受けて生まれた小型版モデルです。

「小型」とはいえ、GPT-4oの設計をベースに大幅な最適化を施し、推論コストや動作速度を抑えつつ、GPT-3.5を上回る性能を目標に掲げています。

  • パラメータ数
    GPT-4oよりは少なめで、具体的数値は非公開。
    ただOpenAIのコメントでは「GPT-3.5の1750億パラメータを下回るか同程度」らしいです。
    しかし各種ベンチマークでは GPT-3.5 より優秀な成績を収めており、「コンパクトなのに頭が良い!」と評されました。
  • 数学的推論・コード生成の改善
    GPT-4o miniはGPT-3.5時代に苦手だった数式関連の正確性や、コードの文脈維持力で大幅に上回ると言われています。
    「単に文章が自然なだけでなく、計算やロジック面も強化されている」という点が高評価につながりました。
  • 128K長文対応
    GPT-4o miniも128,000トークンまでのコンテキストを扱えるため、長大な会話履歴やドキュメント分析が可能に。
    無料ユーザーがこれだけの文脈を扱えるのは大革命で、「長文を途中で区切らずに一括要約」が気軽にできるようになりました。

2024年7月18日以降、無料版ChatGPTで無制限に使えるデフォルトモデルがGPT-4o miniとなっています。

一方、同じ無料ユーザーでも3時間ごと10回までは「フル版GPT-4o」も使えるため…

  • 簡単な問い合わせ → GPT-4o miniを使う
  • 大事な質問や難しい問題 → なるべく回数を節約してGPT-4oを使う

という切り分けをしている人が多いようです。

o1-preview【2024年9月12日発表】

GPT-4系列とは別ラインのoシリーズとして、2024年9月12日にo1-preview(通称「o1」)が登場しました。

これはOpenAIが提唱する「考えるAI」への第一歩であり、モデル内部でより綿密な推論プロセスを行うように設計されています。

従来のGPTモデルは、ある程度の内部推論を行いつつも、回答をスパッと生成するスタイルが基本でした。

しかしo1-previewでは、複雑なタスクに対して内部で「多段階の思考」を行うことを重視し、チェーン・オブ・ソート(思考の連鎖)をフレームワークとして深く組み込みました。

  • 複数ステップ推論
    例えば数式の証明問題や論理パズルを与えると、o1-previewは回答を急がずに「考えている途中経過」をモデル内部で保持し、最終的に整合性の取れた解答を導きやすくなっています。
  • 誤答を再検証する動き
    通常のモデルが一度生成したテキストをそのまま出力してしまうところを、o1-previewは「これはちょっとおかしいかも」と再考するフローを設けています。
    ただしこれはあくまでプレビュー段階であり、ユーザーに「思考プロセス」が全て見えるわけではありません。
  • 高コスト・低速度
    深い推論をする代わりに計算量が増加し、応答まで時間がかかる・トークン消費が多いという課題があります。
    ChatGPT Plus限定(週あたり数10メッセージ)で提供されているのも、このリソース負荷の大きさが原因です。

2024年9月時点でo1-previewは文字通り「試用中のモデル」で、OpenAIも積極的にフィードバックを集めていました。

「大規模ビジネスにすぐ導入できる段階ではない」「推論が深い分、レスポンスが遅い」などの声もありましたが、論理問題を得意とする様子に期待を寄せる人が続出。

「おお、AIが本当に一度自分で考えて、チェックしてから答える時代が来るのか…!」と感動をもって受け止める上級ユーザーも多かったですね。

o1【2024年12月5日発表】

そして2024年12月5日、o1-previewの改善版として正式版に昇格したのがo1です。

これはプレビュー期間に寄せられたフィードバックを反映し、推論精度や応答速度のバランスを再調整したモデルとして位置づけられています。

  • プレビュー版より高速
    o1-previewで批判されていた「思考ステップが長すぎて応答が遅い」という問題を、内部での計算効率化によってある程度解消。
    ただしGPT-4o系ほどサクサクではなく、比較的ゆっくり考えるスタイルは健在。
  • 推論精度の向上
    特に数学的推論や複数段階の因果関係を論じるタスクで、o1-previewよりもさらに高い正答率が報告されています。
    企業ユーザーからは「コードのロジック検証をさせるときにo1の方が抜け漏れが少ない」という声も。
  • ChatGPT Plus & Enterprise向け
    o1は無料版やAPI一般公開には解放されず、ChatGPT Plus以上のプランと一部のEnterpriseプランで利用可能です。
    週あたりのメッセージ制限もやや緩和されたものの、依然として無制限には使えません。

このようにo1は、「高コストだが高度な推論が必要な場面で使いたい」ユーザーを主眼に置いている印象。

実際、研究者や専門家の中には「o1でじっくり考えさせたい」「細かな論理矛盾をチェックしたい」というニーズがあるので、そこに刺さっているようです。

o1-pro-mode【2024年12月6日発表】

o1-pro-modeは、o1シリーズの中でもさらにリソースを増強し、最も強力な推論プロセスを実装したモデルです。

2024年12月6日に、ChatGPT Proプラン(月額200ドル)向けに限定公開されました。

  • より多くのチェーン・オブ・ソートステップ
    o1-pro-modeは、標準のo1に比べて「内部思考の段階数」をさらに増やしているとされます。
    大きなコードベースのバグ修正、論理的矛盾が潜む研究論文のレビュー、複雑な数式の証明など、普通のモデルでは対応が難しい場面で威力を発揮。
  • 応答に時間がかかる
    深く推論する分、レスポンスが返ってくるのに数十秒以上かかることも珍しくありません。
    ChatGPTのUI上では「考え中…」というステータスやプログレスバーが長く表示されるため、急ぎのタスクには向かないかもしれません。
  • APIでの利用不可
    o1-pro-modeはあくまでChatGPT Pro専用モデルで、API経由では使えないという制約があります。
    そのため、「とにかく難しい質問をして圧倒的な回答を得たい」という個人や研究者が中心に利用しています。

ChatGPT Proの月額200ドルという価格設定について、「高すぎない?」と感じる人もいるでしょう。

しかし、膨大なデータを扱う研究者や、最先端のAI活用を必要とする企業にとっては、この究極の推論性能が他のモデルでは得られないという価値があります。

  • 「o1-pro-modeでコード検証させたら、いままで見つけられなかった致命的バグを発見してくれた」
  • 「学術論文の査読サポートとして有能。論理的矛盾を指摘されて目から鱗だった」

といった声も一部では上がっており、“AIを極限まで使い倒したい人”向けのモデルと言えます。

o3-mini【2025年1月31日発表】

o3-miniは、OpenAIが2025年1月31日にリリースした新たな小型推論モデルです。

従来のo1-miniに比べ、高速性コスト効率を大幅に向上させた設計が最大の特徴となっています。

特に数学や科学、プログラミングなどSTEM分野に強く、競技数学(AIME 2024)で高正答率を記録し、リアルタイム性が必要なタスクでも平均応答時間約7.7秒という低レイテンシを実現しました。

無料ユーザー向けChatGPTにも限定的に組み込まれ、「Reason」ボタンを選択するだけで、日常的な数式処理や論理的検証に活用できるのが嬉しいポイント。

さらに、API利用時の料金が入力トークン100万あたり1.10ドルと比較的安価に設定され、開発者が自作アプリケーションへ組み込みやすい点も評価されています。

関数呼び出しやJSON形式などの構造化出力に対応し、外部ツール連携を円滑に行えるため、ビジネスでの運用もしやすいモデルといえるでしょう。

o3-mini-high【2025年1月31日発表】

o3-mini-highは、o3-miniの上位バージョンとして同日(2025年1月31日)に登場し、より高度な推論力が必要な場面に特化したモデルです。

高い推論努力レベル(High Reasoning Effort)を採用しており、数学や科学の深掘り、複雑なアルゴリズム設計、厳密なコード検証などで高い精度を発揮します。

実際、プログラミング競技環境(Codeforces)ではEloスコアが2130に達するなど、難易度の高い問題にも対応可能。

ただし、内部で行われる推論ステップが増える分、応答速度は通常のo3-miniよりやや遅く、トークン消費量も多めになります。

そのため、有料プラン(PlusやPro)での利用が推奨されるものの、その分専門性の高いタスクをこなす強力な助っ人になるでしょうね。

API版では推論レベルを手動で選択できるため、用途に応じて「低・中・高」を切り替え、処理速度と正確性をバランスよく調整できる点も大きな魅力です。

GPT-4.5【2025年2月27日】

OpenAIがGPT-4系列の“壁”を一歩押し広げたのがGPT-4.5です。

パラメータ数は非公開ながら GPT-4 を上回りつつも計算効率を大幅に高め、推論精度と応答速度のバランスを最適化

研究論文ベースの知識更新に加え、コード生成と数理推論のテストでGPT-4比 +15 〜 20 % のスコア向上が報告されています。

主な特徴は次のとおりです。

  • 価格が GPT-4 Turbo と同等
    モデル切替の心理的コストを下げ、Plus / Pro どちらでも利用可能
  • ロングコンテキスト 256k
    大型 PDF やソースコード解析が実用域へ
  • モード自動切替
    画像入力時は 4o 相当の Vision エンジンにフォールバックし可読性を維持
  • 安全性の強化
    OpenAI Preparedness Framework に準拠した新アラインメント層を採用

公開当日は ChatGPT Plus 限定でしたが、翌週から API も順次開放。

大規模アプリの“デフォルト上位モデル”として定着しつつあります。

GPT-4.1(API版)【2025年4月14日】

2025年4月にAPI専用モデルとして登場した「GPT-4.1」は、従来のGPT-4やGPT-4oを上回る性能を誇る、開発者向けのハイエンドモデルです。

最大の特長は、コンテキスト長が驚異の100万トークンに拡張されている点で、数百ページにわたるドキュメントや巨大なコードベースの解析が可能です。

また、コーディングタスクの性能も顕著に向上しており、バグ修正ベンチマーク(SWE-bench Verified)ではGPT-4oを大きく上回る成功率を記録しています。

  • 最大100万トークンのロングコンテキスト対応
  • コーディング性能大幅向上(バグ修正成功率54.6%)
  • 指示追従力と複雑フォーマット処理が強化
  • mini/nanoモデルは高速・低コストでAPI用途に最適
  • 回答速度はGPT-4oと同等またはやや高速

高度な処理を必要とする業務用AIエージェントや大規模文書解析には、まさにうってつけのモデルです。

o3【2025年4月16日】

社内コードネーム “Orion-3”──略して o3 は、GPT-4o で培ったマルチモーダル技術を高次推論に特化して再構築したモデルです。

Vision・Audio・Code Interpreter・Browser を ネイティブ統合 した初のラインであり、プロンプト内からツール呼び出しを自律判断する「スマートツールチェイン」が標準装備されました。

  • 最高レベルの推論力
    MMLU 90.3%、GSM8K 94.1%
  • 画像思考
    図解やホワイトボード写真を読み取り、数式を LaTeX に自動変換
  • 速度は GPT-4.5 の約 1.4 倍
    内部並列化の最適化により待ち時間を短縮
  • 推奨ユースケース
    複雑な業務フローの自動化、研究論文ドラフト、プロト設計レビュー

現在は ChatGPT Plus / Pro / Team で利用可。

API は少量リクエスト制限付きで公開され、商用 SLA は夏頃に予定されています。

o4-mini【2025年4月16日】

o4-mini は「4 世代相当の知性をミドルクラスのコストで」をコンセプトに開発された軽量モデルです。

パラメータは o3 の 35% 程度ながら、蒸留+追加学習によりコア性能を保持。

  • 高速応答
    GPT-3.5 並みのスピードで GPT-4.5 に近い品質
  • 低消費量
    入力 1 Ktoken あたり 0.4 ¢、出力 1 Ktoken あたり 0.8 ¢
  • 画像理解 OK
    簡易な UI モックやグラフを読み取り、テキスト要約を返す
  • 用途
    チャットボットの常時稼働、リアルタイム FAQ、プロトタイプ生成

無料枠の月間メッセージ数が多めに設定されているため、初学者向けの“入門 4 系”として人気を集めています。

o4-mini-high【2025年4月16日】

o4-mini-high は o4-mini の演算層を二倍化し、長文読解とマルチターン推論を強化した上位版です。

出力品質は GPT-4.5 に肉薄しつつ、計算コストはおよそ 70 % に抑制。

  • コンテキスト 128k
    技術仕様書や小説原稿を一括解析
  • 温度最適化プリセット
    creative / precise など 4 つのプロファイルをワンタッチ切替
  • API レート上限緩和
    Plus/Team で 10 req / min→60 req / min へ拡張
  • ハイブリッド運用推奨
    要約や下書きは o4-mini、最終レビューは o4-mini-high という二段構えが効果的

Reddit などコミュニティでは「コスパ最強の準フラッグシップ」と評価され、研究用途や AI エージェントのバックエンドとして採用が進んでいます。

GPT-4.1(ChatGPT版)【2025年5月14日】

2025年5月14日からChatGPTでも利用可能になったGPT-4.1は、特にコード生成やデバッグに強いモデルとして位置付けられています。

Plus/Pro/Teamプランのユーザーは、モデルピッカーの一番下の「他のモデル」から選択可能で、無料ユーザーにも「GPT-4.1 mini」が提供されるようになりました。

音声や画像のマルチモーダル処理は非対応ですが、テキスト処理における精度と応答速度のバランスが優れています。

  • ChatGPT Plus/Pro/TeamでGPT-4.1を選択可能
  • 無料枠はGPT-4.1 mini(高速&高コスパ)
  • コーディング作業の精度と信頼性が向上
  • 最大100万トークンの文脈保持(UI制限あり)
  • 日常チャットはGPT-4o、実務用途は4.1という棲み分けが有効

開発者だけでなく、業務効率化を狙うビジネスパーソンにも適した選択肢となっています。

初心者にはどのモデルがおすすめ?【2025年5月時点の最適解】

さて、ここまで長々とOpenAIのAIモデルを紹介してきました。

ここで初心者の方向けに「2025年5月現在、結局どれを使えばいいの?」という疑問に答えておきましょう。

1. GPT-4o(Omni)が無難

  • 高性能で多用途
    GPT-4oはテキスト、画像、音声、動画と多様な入力に対応しており、マルチモーダルAIとしてほぼ完成形に近いモデルです。
    日本語・英語を問わず高精度な応答を返してくれるうえ、ChatGPT無料版でも回数制限こそあるものの触れるチャンスがある。
  • 有料プランなら制限なし
    ChatGPT Plusに加入すればGPT-4oを無制限に使えますし、APIでもgpt-4oを指定すれば利用可能(ただしトークン課金)。
    現状、「何にでも使える鉄板モデル」というイメージです。
  • 学習リソースが豊富
    コミュニティでも今はいちばんホットなモデルで、チュートリアルや活用事例が続々出ています。
    初心者が学ぶうえで、情報が多いモデルを選ぶのは大事なポイントです。

GPT-4o以外の選択肢として「GPT-4.5」や「GPT-4.1」が登場しましたが、やはり総合力ではGPT-4oがトップです。

GPT-4.5は4oよりも生成がかなり遅く、4.1は画像処理などのマルチモーダルに非対応なので、初心者向けは4oで間違いないでしょう。

多機能性よりも「スピード」と「使いやすさ」を重視した設計で、無料ユーザーにとっては現時点で最もバランスの取れた選択肢と言えます。

GPT-4.1 mini

GPT-4.1 miniは、従来のGPT-4o-miniに置き換わる形で、2025年5月14日にChatGPTへ新たに導入された軽量モデルです。

以前のGPT-4o miniと比べて高速かつ高精度で、初心者にも扱いやすいのが特長。

GPT-4oを使い切ると自動的にこのGPT-4.1 miniに切り替わる仕様であり、実質無限に使用できます。

  • ChatGPT無料版で無制限に利用可能
  • GPT-3.5よりも高性能で、128Kトークン対応
  • 応答速度はGPT-4o miniより約2倍高速
  • 日常の会話、要約、コード支援などに十分対応

費用をかけずに、今のAIの実力を体感したいなら、GPT-4.1 miniが間違いない一手でしょう。

3. oシリーズは上級者向け

  • より深い推論が必要なら
    数学的・論理的・プログラミング的に複雑なテーマを扱う場合、o3やo1-pro-modeが役立つかもしれません。
    ただし料金が高く、速度も遅いので、初心者が普段使いするにはオーバースペックという印象があります。
  • 研究・専門用途
    例えば「長大な論文の正確性を検証したい」「大規模プログラムの整合性チェックをAIに手伝わせたい」といった場面で威力を発揮。
    その代わり、レスポンス速度を待つ根気と、高額プラン(月200ドル)への投資が必要です。

結論

  • 「迷ったらGPT-4oを使え」 が王道。
  • コストを徹底的に抑えたいなら GPT-4o mini、またはo4-mini
  • 高度推論を求めるなら o3o1-pro-mode(ただし玄人向け)。

上級者向けワンポイント技術情報

ここからは、APIを使ったアプリ開発や高度なChatGPT運用を考えている上級ユーザー向けに、いくつか技術的なポイントをまとめておきます。

1. パラメータ数やモデルサイズを盲信しない

GPT-3の頃までは「パラメータ数が多いほど賢い」という単純な見方が一部にありました。

しかしGPT-4以降は非公開が基本で、実際にGPT-4o miniのように「パラメータ数は少ないのに性能が良い」という例も出ています。

データの質学習手法(RLHF、チェーン・オブ・ソートなど)が鍵を握っており、もはや大きさだけで性能を測れません。

実際のベンチマークやサンプル応答を試してみて、自分のタスクに合ったモデルを選ぶのが上級者の王道です。

2. 長文コンテキストの扱いと要約テクニック

GPT-4 TurboやGPT-4o系で128Kコンテキストが使えるようになった一方、「何でもかんでも128Kを突っ込めばいい」というわけではありません。

  • 速度とコスト
    入力するテキストが膨大になるほど、推論に時間がかかり費用も高くつきます。
  • モデルが重要情報を埋もれさせるリスク
    文脈が長すぎると、肝心のポイントを見落としがちになるケースも。

そのため、以下の2段階プロンプトなどを活用すると、全体のコストを抑えながら精度の高い出力ができるでしょう。

ポイント

  1. 大量のテキストをまず分割し、それぞれを要約させる。
  2. それら要約をさらにまとめる。

上級ユーザーはこうしたプロンプト設計(チャットフロー設計)を駆使して、最適な長文処理を実現しているわけですね。

3. 関数呼び出し(function calling)やプラグイン活用

GPT-4以降、APIではfunction callingという仕組みが導入されました。

これはモデルに「このJSONスキーマで答えてね」と指示し、必要に応じて外部関数を呼び出させるための仕組み。

  • 計算
    AIに複雑な数値計算をさせるより、電卓プラグインに任せた方が速く正確。
  • データベース照会
    例えば「在庫検索」「商品一覧取得」はSQLやAPI連携を使い、モデルには最終整合のみを任せる。

要するに「モデルに全部やらせず、得意なところだけやらせる」ほうが速度・正確性・コストでメリットがあります。

上級者はこの仕組みを上手く使い、モデルの“脳力”を必要最小限に絞る工夫をしています。

4. モデルバージョン固定と廃止対策

OpenAIはモデルを常に更新しているため、同じ名前(例:gpt-3.5-turbo)でもバージョンごとに細かな挙動が変わる場合があります。

大規模システムで安定運用したいなら、バージョン固定をしたり、更新があった際に検証プロセスを回すなど、CI/CDパイプラインを整備しましょう。

また、OpenAIは過去にCodexモデルや旧版のGPTモデルを突然廃止した前例もあるので、長期運用を考えるなら「いつ廃止されても対応できる」設計が必要です。

具体的には複数モデルのマルチ化オープンソースのバックアップを検討すると安心です。

5. 機密情報の扱いとプライバシー

ChatGPT(特に無料版)に社内文書や個人データを貼り付けると、OpenAIの学習に使われてしまう可能性があります。

これを避けるためには、API利用の際に設定で「会話データを学習に使わない」と指定したり、企業向けのプラン(ChatGPT Enterpriseなど)を使う方法があります。

さらにファインチューニングを行う場合、学習データに機密情報が含まれていないかチェックが必要。

オンプレミス(自社サーバー)で動かすならオープンソース系モデルも検討してもいいでしょう。

まとめ

  • ChatGPTとOpenAI APIの使い分け
    • ChatGPT:ブラウザやアプリから簡単操作。月額制でモデル選択肢がプラン依存。
    • OpenAI API:開発者向け。柔軟にモデルを指定可能。トークン従量課金。
  • 初心者にはGPT-4oが最適
    • 無料版でも回数制限付きで試せるし、有料版なら無制限。マルチモーダル対応も便利。
    • コストを重視するならGPT-4o miniで十分高品質なチャットが可能。
  • 上級者はモデルバージョン管理やfunction callingを活用
    • 長文を扱うときは要約戦略を使うなど、プロンプト設計が鍵。
    • AIに何でもやらせず、外部ツールとの組み合わせで精度とコストを最適化するテクニックが重要。

OpenAIのモデルは驚くほどのスピードでアップデートが続いており、GPT-5の噂もささやかれています。

さらにAnthropic(Claude)やGoogle(PaLM/Gemini)などの競合モデルも活発に進化していて、LLM(Large Language Model)の世界は日進月歩。

利用者としては、最新情報を継続的にチェックしながら、自分の用途や予算に合ったモデルを上手く選び取ることが大事です。

どのモデルも万能ではありませんが、時には組み合わせて使うことで新たなアイデアやソリューションが生まれるかもしれません。

「AIなんてよく分からない」という初心者の方でも、とりあえずChatGPTの無料版でGPT-4o miniを触ってみるところから始めればOK。

気に入ったら、GPT-4o(フル版)やPlus・Proプランに進むも良し、APIの世界に足を踏み入れてみるも良し。

今回の記事が、あなたがOpenAIの多彩なモデルを理解し、自分に合った使い方を見つけるきっかけになれば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ChatGPTの使い方や活用法にお悩みの方は、ぜひ僕にご相談ください!
初回は無料でご対応させていただきます → コチラからどうぞ〜

駒田 隆成
駒田 隆成

ChatGPT 活用支援 / 構文設計者

-ChatGPT活用術