この記事の3行要約
- GPTsはカスタムChatGPTを作って共有可能で、Action連携も使える多彩な拡張機能。
- プロジェクトはチャットやファイルをフォルダで整理し、複数モデルに対応できる長期作業向けの機能。
- 使い分けは共有の要否やファイル管理の必要性などで決まり、両機能とも今後のアップデートに期待大。
こんにちは、リュウセイです。
ChatGPT活用支援サービスをやっています。
今回はChatGPTの「GPTs」と「プロジェクト」それぞれの特徴を比較し、どのように使い分ければ良いのかを超ボリュームでお伝えします。
ChatGPT自体は大きく進化を続け、様々な新機能が追加されてきました。
しかしその反面、「GPTs」と「プロジェクト」の2つは初心者にとって混乱しがちな存在と言われています。
GPTsは自分専用のカスタムChatGPTを作成し、リンクを介して他者と共有できる機能であり、一方のプロジェクトはチャットをフォルダ管理し、複数の会話やファイルをまとめる機能として追加されました。
僕自身もこの2つを日常的に使っていて、魅力やメリットだけでなく「これは似ているようで全然違う!」と感じるポイントも多々あります。
本記事では、まずGPTsとプロジェクトの基本を分かりやすく解説し、その後に詳しい機能やモデル面の違い、実際の活用シーン、さらに僕なりの所感を加えながら深掘りしていきたいと思います。
ChatGPTを使いこなして生産性を上げたい方や、AIを活用した新しい取り組みを考えている方には必見の内容となっています。
初心者から上級者まで楽しみながら読めるよう、なるべく噛み砕いて書いているので、ぜひ最後までお付き合いください!
当記事は、筆者の下書きとChatGPTを合わせて執筆しています。しっかりファクトチェック済みです。
ChatGPTのGPTsとプロジェクトの基本
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ここではまず「GPTsってどんな機能なの?」「プロジェクトって何ができるの?」という基礎からスタートします。
両者ともChatGPTの有料プラン(PlusやProなど)を中心とした機能ではあるものの、根本的な目的や使い方が異なります。
GPTsとは何か?
GPTs(ジーピーティーエス)は、ざっくり言うと「自分専用にカスタマイズしたChatGPT」を作れる機能です。
公式の英語表記では「Custom GPTs」と呼ばれたり、「GPT Builder」という作成ツールが用意されたりしています。

参考:GPTsの作成をマスター!自分独自のChatGPTを作ろう
チャットボットを“自分好みに育てる”イメージ
通常のChatGPTは誰が使っても同じような初期状態(ただし独自調整は一応可能)です。
そこでGPTsを使えば、「専門用語を多用した設定」や「こういう口調で話してほしい」「このツール(API)と連携させたい」といった追加設定を施し、あたかも自分専用のAIアシスタントを作っているかのような感覚が得られます。
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共有機能
最大の特徴は、完成したGPTsをURLリンクで他のChatGPTユーザーへ配布したり、GPTストア(GPTsストアとも)を通じて公開できる点です。
自分だけが使うボットであれば非公開にしておけば良いし、万人向けに公開するならストアに登録して多くのユーザーに使ってもらうことも可能です。
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GPT-4oモデルに固定
後述しますが、GPTsでは使用可能なAIモデルがGPT-4oに固定されています。
これはChatGPTの最新系モデルとはいえ、さらに高度な「o1モデル」に切り替えたりする柔軟性はありません。
加えて、カスタムGPTを作った後にAPIとして公開する機能もなく、あくまでChatGPT上で動かすボットに留まっています。
Action機能でAPI連携も可能
GPTsには「Action」や「webpilot」のような外部APIやプラグインを組み込む仕組みがあります。
例えばウェブ検索をGoogleで行いたいとか、特定の外部サービスと接続したいといった際には、これらAPI連携機能を活用すると便利です(詳しくは後ほど「GPTsをさらに詳しく」の章で述べます)。
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プロジェクトとは何か?
一方のプロジェクトは、名前通りChatGPT内の作業(チャット履歴・ファイル)を“フォルダ管理”する機能です。
「特定テーマのチャットをまとめたい」「関連するファイルも一緒にアップロードしながら長期的にAI活用したい」という要望に応える形で登場しました。
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フォルダとしてチャットを整理する
プロジェクトを1つ作れば、その中に複数のチャット履歴をまとめられます。
例えば「新規商品開発プロジェクト」を1つ作り、そのフォルダ内に「アイデア出しチャット」「試作レシピチャット」「デザイン検討チャット」などを入れておけば、すべて1カ所で管理できるわけです。
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ファイルをアップロード・参照できる
さらにプロジェクトにはファイルをアップロードできます。
ChatGPTがアップロードされたファイルを参照しながら回答してくれるため、複数の文書や資料を見ながら長期的な作業を進めるのにうってつけです。
論文や仕様書、顧客リストなどをまとめて読み込ませられるのが魅力ですね。
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モデル選択ができる
GPTsがGPT-4o固定だったのに対し、プロジェクトではo1モデルやo1-pro-modeなど(一部の上位プランなら)色々選択可能です。
もちろんGPT-4oも選べますが、より高度なモデルであるo1シリーズも使えた方が良いに決まっているのでこれは嬉しい仕様ですね。
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現時点では共有機能がない
プロジェクトを「他人と共有する機能」はまだ実装されていません。
つまり自分だけのワークスペースとして使うイメージです。将来的にはチーム単位で共有して使う要望が多く、今後のアップデートが期待されるポイントでもあります。
両者の主な違い
両機能とも「ChatGPTの使い方を拡張する」ものではあるものの、目的や挙動が少し異なります。
ざっくりまとめると、こんな感じです。
機能 | GPTs | プロジェクト |
---|---|---|
目的 | 自分だけのカスタムChatGPTを作成し、他者とも共有できる。 | チャットとファイルをフォルダ管理し、用途別にまとめる。 |
モデル | GPT-4o固定。 | GPT-4oに加えてo1系統など複数選択可能。 |
共有 | リンク共有で他ユーザーが利用できる GPTストアへの公開も可能。 | 共有機能は現時点では未実装。 |
特徴 | 追加API連携やAction機能が使える。 1つのGPTをたくさんの人とシェアできる。 | チャット履歴を整理しやすい。 ファイルアップロードが楽(複数ファイルを一括で参照し続けられる)。 |
向き・用途 | 自作チャットボットを友人や取引先と共有したい。 専門特化型のAIを公開したい。 | プロジェクト単位で会話や資料を集約し、長期的作業を効率化したい。 |
簡単に言ってしまえば、
- 「AIボットを1つ作ってリンクで配る」ならGPTs
- 「ファイルやチャットをまとめて管理するフォルダが欲しい」ならプロジェクト
という棲み分けです。
GPTsをさらに詳しく
ここからはGPTsの特徴や作り方について、もう少し深掘りしてみます。
すでにChatGPT本体を使っている人の中でも、「GPTsって何ができるのかイマイチ分からない」という声は珍しくありません。
使いこなすと結構面白い機能なので、一緒に見ていきましょう。
カスタムChatGPTを作る機能
GPTsの核となるコンセプトは、「ChatGPTを自分仕様にしてしまおう」という部分にあります。
例えば「英作文に特化したGPT」や、「法律用語の文献を扱うGPT」など、特定の目的に合わせてシステムメッセージ(初期プロンプト)を強化し、より的確な回答を得るためのカスタムセッティングができるわけです。
専門家ボットの作成
例えば医療系知識を持つボットを作りたいなら、あらかじめ「医療用語はこう解釈して」「患者さんに対する表現は丁寧に」といった指示をシステムプロンプトとして登録しておきます。
これで通常のChatGPTより踏み込んだ医療文献への言及ができるようになる場合があります(あくまで医師の役割は果たせませんが、知識面で多少強化する形)。
クリエイティブボットの作成
作家向けに「童話専門GPT」「詩人GPT」といったカスタマイズも可能です。
出力スタイルを指定すれば、普通のChatGPTとは違った文体や世界観で文章を生成してくれます。
API連携(Action機能)
GPTsでは「Action」という仕組みで外部APIを呼び出すこともできます。
例えば「webpilot(ウェブパイロット)」を組み込めば、ChatGPT標準のBing検索だけでなくGoogle検索も利用可能になり、より幅広いウェブ情報を取得できます。
筆者の僕は、このwebpilot機能を結構重宝していて、Bingでは出てこない情報を拾いたい時に便利だと感じています。
これこそGPTsの“唯一無二”なところで、通常のChatGPTやプロジェクト機能ではwebpilotを組み込めないんです。
共有できる
カスタムしたGPTsは、生成後に「共有リンク」を発行して配布可能です。
URLを知っている人なら誰でもそのボットを呼び出せるので、たとえば取引先に「うちの製品マニュアルを覚えさせたサポートGPTです、良かったらこちらから使ってみてください」と案内することもできます。
あるいは公式のGPTストアに公開してしまえば、全世界のChatGPTユーザーに使ってもらえる可能性もあります。
人気のGPTに育てば、将来的にOpenAIが示唆する「収益化」につながるかも…という夢もあるわけです。
GPTs作成ページの使い方と注意点
実際にGPTsを作ろうとすると、「どこから作ればいいの?」と迷う声をよく聞きます。
初心者にはちょっと分かりづらいUIかもしれません。
アクセス経路
ChatGPTのホーム画面から行くなら、以下の2つのルールがあります。
- サイドバーにある「GPTを探す」(GPTストア)をクリックし、右上の「+作成する」ボタンを探すルート
- ホーム画面の右上プロフィールアイコンから「マイGPT」→「GPTを作成する」と辿るルート
僕的には後者2の方が分かりやすいのでおすすめ。

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
ただ本音を言うと、「ホーム画面の上部に分かりやすいアイコンを付けたらいいじゃん!」と思うんですよね(笑)。
初回はウィザード形式
作成ページに入ると、GPT Builderというウィザードが立ち上がり、「このGPTを何に使いたいの?」といった質問に答えていく感じで設定ができます。
もしウィザードを飛ばしたいならスキップして、手動で「システムプロンプト」などを編集していくことも可能です。

最大プロンプト文字数は8,000文字
GPTsに設定できるプロンプトの最大文字数が8,000文字までに制限されている点は要注意です。
「専門マニュアルを丸ごと覚えさせたい」と思って大量のテキストを貼り付けようとすると弾かれます。
複雑な大規模プロンプトを使いたい場合、現状ちょっと使いにくさがあるかもしれません。
公開設定
GPTsを最終的に公開するか、非公開にして自分専用にするかを選べます。
公開にすると「GPTストア」に掲載されたり、共有URLで不特定多数に見られる可能性があるので、社内機密やプライベート情報を含む場合は十分注意しましょう。
アップデートが停滞している現状
GPTsは2023年末にリリースされて以降、細かいアップデートこそあったものの、大きな機能追加はあまりされていません。
「4oモデル以外も選べるようにして」「外部サービスへのAPI公開を可能にして」といった要望は依然叶わないまま。
最近はDifyなど競合サービスのほうが話題に上がることも多く、ちょっと“伸び悩み”があるのが現実です。
モデル(GPT-4o固定)の特徴
GPTsで使われるAIモデルは、GPT-4oに固定されています。
2025年2月現在のOpenAI公式ページでも「GPTsは現状、GPT-4oを標準搭載」とアナウンスされており、軽量モデルやGPT-3.5系統は選択できません。
GPT-4oとは
GPT-4oは2024年5月13日に登場したアップデート版モデルで、基本的にはGPT-4の拡張とも言われます。
4oの「o」は“omni(オムニ)”の頭文字で、進化前のGPT-4より大きなコンテキストや追加機能に対応しつつ、動作速度もそこそこキープした“最新モデル”という位置づけ。
ただしOpenAIが提供している別のプラン(Pro向け)では「o1モデル」や「o1-pro-mode」などがあり、これらは4oよりもあらゆる面で優れている上位モデルです。
o1-proはProプラン限定モデルですが、o1はPlusプランでも使えます。
参考:ChatGPTとOpenAI APIのAIモデルを徹底解説【2025年2月版】
固定モデルの惜しさ
GPTsではこのGPT-4oオンリーになるため、ユーザーが「より賢いo1モデルを使いたい…」と思っても、残念ながら切り替え不可。
その結果、「自分用にカスタムしたいけど、モデル切り替えできないのは不便だ」という意見をよく聞きます。
特にo1は4oに比べて一度に生成できる文字数が4倍くらい違うので、o1を使いたいという場面が多いのも玉に瑕。
4o以外を選べる日が来るのか?
正直、共有機能がある以上はモデル固定のままかもしれません。
4oであれば無料プランを含む全ユーザーが使えるモデルだからです。
とはいえ、ユーザーとしては「o1モデルやo1-pro-modeも選ばせてよ!」と望む声が大きいので、OpenAIが次にどう動くかは要注目です。
プロジェクト機能をさらに詳しく
プロジェクトは、GPTsとはアプローチが異なる形でChatGPTを強化してくれます。
「ファイルを参照し続けるAIチャットを使いたい」「会話をフォルダで分けて管理したい」といったニーズに応える機能です。
作業をフォルダ管理できるメリット
プロジェクトの最大の特徴は、何度も言うように「チャットやファイルを一括でまとめるフォルダ的役割を果たす」点です。
チャット履歴をスッキリ整理
通常のChatGPTは会話ごとに履歴がずらーっと並んでいくため、多数のスレッドが積み重なっていくと管理が大変。
どこに何を書いたか分からなくなることも少なくありません。
しかしプロジェクトを使えば、「このプロジェクトはA案件用」「あのプロジェクトはB案件用」というふうにまとめられるので、自分で探す手間が激減します。
複数のファイルをアップロード可能
ChatGPTに複数の資料を渡して「これを元にまとめて回答して」と頼むケースはしばしばありますよね。
プロジェクトなら、その資料たちをフォルダ内に常時アップロードし続けられるんです。
例えば「マニュアルPDF」「顧客一覧Excel」「仕様書テキスト」みたいにまとめておけば、毎回「このファイル参照して…」と再アップロードする必要もありませんし、チャットの度に説明する必要も最小限ですむでしょう。
フォルダ単位でAIを使い分ける感覚
プロジェクトごとにモデル選択やカスタム指示を設定しておけば、「このフォルダではうちの社内資料を参照したチャット」「あっちのフォルダではプライベートの小説アイデア出し用チャット」みたいにガッツリ使い分けられます。
これによって誤爆(別のプロジェクトに混ぜてしまう)を防いだり、長期的な作業を効率化できるわけです。
複数モデル(o1・o1-pro-modeなど)の選択
プロジェクト機能で僕が一番魅力的だなと思うのは、「GPT-4oだけでなく、o1系統モデルも使える」ところです。
o1やo1-pro-mode
プロジェクトではGPT-4oよりも高性能なo1を選択できますし、ChatGPTのProプランを契約している人なら、o1-pro-modeも選べます。
o1モデルはより高度なAIモデルであり、一度に生成できる文字数も多いので、例えば5,000~10,000文字級のブログ記事をポン出しさせることも可能です。
o1-pro-modeはさらに高負荷時でも安定した速度を保つ設計らしく、有料だけの価値はあると感じる人も多いはずです(僕もその内の1人)。
GPTsは4o固定でしたが、プロジェクトならこれらを自由に選べるので、柔軟な使い分けが可能です。
設定の保存
プロジェクト単位でモデルを固定できるので(ただし気を抜くと初期設定である4oになることもある)、「このプロジェクトは高度なo1で質の高い生成をさせる」「こっちのプロジェクトはGPT-4o重視で迅速に回答させる」といった切り替えがワンタッチで行えます。
GPTsと比べると、このモデル選択の幅は本当に大きいアドバンテージだと思います。
現時点での共有機能の有無
残念ながら、プロジェクトには「共有機能」がまだありません。
つまり、自分の作業フォルダとしては最高に便利なのですが、他のユーザーに一緒に見せることはできないわけです。
共有が実装されれば…
仮にこのプロジェクトを他ユーザーと共有できたら、チームメンバー全員が同じ資料を参照しながらAIとやりとりするなんてことも可能になります。
例えば、営業チームで共通の顧客リストをアップロードして、問い合わせ対応を一元化…などなど、活用範囲は一気に広がりそう。
公式でも「将来的に追加予定」といった言及があるため、今後のアップデートを期待したいところです。
現状は個人向け
いまのところ、プロジェクトはあくまで個人の作業環境として活用する形になります。
自分1人で複数の業務をこなすフリーランスや個人事業主にとっては便利ですが、チームで使うなら各自が同じようにファイルをアップロードする手間が要るので、ちょっと面倒かもしれませんね。
GPTsとプロジェクトのメリット・デメリット
ここまでGPTsとプロジェクトの違いや基本的な機能を解説してきましたが、それぞれのメリットとデメリットを整理しておくと、より自分の用途に合った選び方がしやすくなります。
とくにChatGPTをガッツリ活用している人ほど、「あれ?プロジェクトの方がいいの? いやいやGPTsも必要?」と迷う場面があるはず。
両者にはそれぞれ異なる強みがある反面、「ここはイマイチだな」という部分も見え隠れします。
GPTsの利点と限界
プロジェクトの利点と限界
選ぶ際のポイント
- 「AIチャットボットの“公開・共有”が要るか?」
まずここを自問して、外部ユーザーとの共有を想定するならGPTs一択でしょう。
逆に、社内だけ、個人だけで長期作業を効率化したいならプロジェクトのほうが適している可能性が高いです。 - 「ファイルをまとめて管理したいか?」
ドキュメントや資料を何個も参照する想定があるなら、プロジェクトのファイルアップロード機能は強力。
ファイルアップロード機能はGPTsにもあるので、ここには特に差は無いですね。 - 「どのモデルをメインで使いたいか?」
GPTsはGPT-4o固定、プロジェクトは高度版のo1・軽量版のGPT-4o-miniなども選択可能。
“柔軟なモデル運用”をしたい人にはプロジェクトが向いているはずです。 - 「API連携が必要か?」
GPTsでしか使えないAction機能やwebpilotが必要な場面なら、プロジェクトでは実現が難しいです。
ここは開発者志向の方にとって大事な判断ポイントになるでしょう。
GPTsとプロジェクトの活用例
それでは具体的に、GPTsとプロジェクトをどんなシーンで活かせるのかをいくつかイメージしてみましょう。
「ビジネス」「開発・エンジニア分野」「教育・学習」という3つの側面を例に、どちらの機能が合っているかも含めて考えてみます。
ビジネスシーン(顧客対応・資料作成)
カスタムサポートボットを公開したい
例えば、製品やサービスに関するサポート内容をGPTsに設定して「カスタムGPT」として作っておき、共有リンクを顧客に配布すれば、誰でもそこで質問できるサポートボットが完成します。
- GPTsの強み:簡単に“他ユーザーへ公開”できる
- ファイル管理:細かくできないけど、サポートFAQをシステムプロンプトにまとめておけば最低限OK。
社内資料をまとめて長期プロジェクト管理
一方でビジネス側で「社内の複数PDFやExcelをChatGPTに参照してもらいつつ、数ヶ月に渡る新商品開発のやり取りをスッキリ整理したい」と考えるなら、プロジェクト機能が最適。
- プロジェクトの強み:複数チャットやファイルを1つのフォルダに集約し、時系列で管理
- メンバー共有:現時点でできないが、自分用の業務効率アップには大活躍しそう。
マーケティング資料の外部レビュー
もし外部のコンサルタントなどにレビューを依頼したいなら、GPTsで作ったボットを見せるよりも実際のファイルを共有する方が現実的かもしれません。
ただ、プロジェクト自体を外部に公開できないので「うーん、どっちも難しい」。
結局、ビジネス用途ではGPTsを外部へのサポート窓口、プロジェクトを内部作業の効率化という形で住み分けるのが自然でしょう。
開発・エンジニア分野(コードレビュー・データ分析)
自作チャットボットをアプリに埋め込みたかったが…
実際に「自作ボットをウェブサイトに埋め込むようにAPI連携したい!」と思うエンジニアは少なくありません。
しかしGPTsではAPI公開はできないし、プロジェクトにもAPIの機能は無いです。
もしも「webpilotでの検索サポートつきボット」を作りたいならGPTsが候補になりますが、APIレベルまでいくと他サービスに頼らざるを得ないのが実情ですね。
コードレビューをプロジェクト内で進める
「複数のソースコードファイルをアップロードして、それらを参照しながらチャットしたい」なら、プロジェクト向きです。
プロジェクトのフォルダに色々なファイルを入れておき、ChatGPTがまとめて読んでくれるから、セクションごとに要件やライブラリなどを把握してもらいやすい。
そこでモデルとしてGPT-4oを選べば、応答の安定性と速度が両立できるかもしれません。
CI/CDやデータ分析の一元管理
プロジェクト機能には“Canvas(出力結果の編集機能)”や“Advanced Data Analysis(アップロードファイルの解析機能)”などを組み合わせることで、ファイルに含まれるデータを読み込んで分析したりする使い方も考えられます。
ログファイルやCSVをアップロードし、「これを可視化して問題点を抽出して」と頼めば、開発チームの負担がだいぶ軽くなるかもしれません。
ただし複数メンバーが同じプロジェクトにアクセスできないため、現時点ではチーム共有のハードルが高いのが痛いところです。
教育・学習(学習支援・論文管理)
論文サマリーや研究会
研究者や大学生が論文PDFを大量にアップロードし、要約や比較などをChatGPTに依頼するなら、プロジェクトがうってつけ。
大量のファイルをアップロードして「このテーマに沿った論文はどれ?」と質問すれば、一挙に文献整理が進むはず。
GPTsでも可能ですが、チャット履歴をまとめられる点でプロジェクトに軍配が上がる。
個別学習用カスタムGPT
逆に「英語添削に特化したGPTを友達や生徒に共有したい」なら、GPTsを作り、リンクを渡すだけで簡単。
とある人の例だと、TOEIC対策GPTを独自に仕込んで共有し、それぞれが自宅で好きなタイミングにAIから練習問題を出してもらっています。
プロジェクトには共有機能がないので、この使い方はGPTsならではの強みでしょう。
クラブ活動やゼミでの共同作業…はまだ難しい
学生たちが一緒に「プロジェクト機能でファイルをまとめて…」とやりたくても、共有がないので各自で同じ操作をする必要があります。
そのため、現状では個人学習向けの活用に留まるかもしれません。
筆者の所感
ここからは僕自身の主観的な所感を述べてみます。
ChatGPTガチ勢として日々GPTsやプロジェクトを作ったり使ったりしている中で、「ぶっちゃけ現状どう思うか?」をリアルに書いてみるので、よかったら参考にしてください。
GPTsについて
4o固定が悩ましい
GPTsは共有機能こそあるものの、利用できるAIモデルがGPT-4oのみという制約があります。
僕自身はProプランに加入していて、o1-pro-modeが使える環境にあるので、やはりGPTsでもo1-proを使いたいと思う場面があるんですよね。
o1はPlusユーザーの方でも使えるので、せめてo1は解禁してほしいところ。
プログラマー向けには物足りないかも
僕は非エンジニアなので「高度なAPI連携」をあまり求めてないのですが、プログラマー視点だとやはりDifyなど他のチャットボットサービスに比べると拡張性が弱いと言われます。
「ChatGPTがAPI公開してくれたらなぁ…」と感じる人は多いでしょう。
GPTsはあくまでChatGPT内のボットなので、外部アプリとの組み込みが出来ないですよね(結合ができないから独立させるしかない)。
アップデートの停滞感
正直、GPTsが出た当初は「これからどんどん進化するぞ!」という熱気があったのに、大きなアップデートがほとんど無い状況です。
共有機能の利便性を高める小さな改良はありましたが、一番欲しい「4o固定の解除」「APIとして公開」「プロンプト上限拡張」はまったく音沙汰なし。
このあたりが解決されれば、まだ伸びしろはあると思うので、次の大きなアップデートに期待しています。
webpilot連携は便利
僕がGPTsで唯一無二だなと感じるのは、webpilotのような外部APIを“Action”として導入できる点です。
ChatGPT標準ブラウジングはBing検索だけど、webpilotならGoogle検索もできるから手間が減るし、ウェブ閲覧の精度が上がったように感じます。
初心者でも設定しやすいので、「GPTsにはまず思考停止でwebpilotを搭載しておくといいよ!」とオススメしたいくらいです。
総評:Action + 共有機能以外はちょっと弱い
GPTsの強みはやはりAPI連携(Action)と共有リンクがメインですね。
逆に言うと、それ以外の魅力は今となってはやや埋もれ気味です。
o1モデルも選べないしアップデートも少ない…初心者がGPTsを使いこなすにはハードルが高く、上級者は上級者で「Difyでいいや」となってしまう。
ここを改善できれば面白いんですが、どうなるんでしょうね。
「作成ページやGPTへのアクセスが分かりづらい」というUI面の不親切さも相まって、初心者・上級者ともにあまり活用されていない現状が続いてる印象です。
プロジェクトについて
フォルダ管理の利便性が高い
通常のChatGPTだとチャット一覧がどんどん増えていって「あの会話どこ行ったっけ?」という状態になりますが、プロジェクトなら同じテーマのチャットを一気にまとめられるから、かなり助かります。
GPTsを作ったことがある人なら、プロジェクトの作成もとっつきやすいし、僕もプロジェクトに慣れた今は「よくぞ出してくれた!」と素直に思います(マジです→プロンプト固定させたo1やo1-pro使えるの本当デカイ)。
o1系統も選べるのが嬉しい
「o1モデルはGPT-4oより高性能であり、質の高い生成ができるから優秀」と言われていますし、実際そうだし、何より一度に生成可能な文字数が1万文字を超えているので使い勝手が破格級。
そのモデルがプロジェクトで選べるのは大きいです。
なんなら僕はプロジェクト=o1モデルで高品質出力させるケースの方が多いですね(ガチね)。
文字数上限の拡張があると嬉しい
GPTsと同じく、プロジェクトもシステムプロンプトに8,000文字までという制限があります。
もちろんファイルアップロードで知識を補えるけど、それでも一括の文字量が増えればもっとできることが広がるはず。
2倍くらいあってもいいんじゃないかな…と個人的には感じます。
共有が実装されれば完璧に近い
何度も言及してきましたが、プロジェクト内でのチャットやファイルを他ユーザーと共有できる機能が追加されたら、ほぼ理想的です。
現状のChatGPTは「個人で使うには十分」「でもチームで使うには物足りない」というギャップがあり、それを埋めるのがプロジェクトの将来像じゃないかと思っています。
そうなれば「GPTsのAction機能」に近い拡張も盛り込まれてGPTsとプロジェクトが事実上統合される可能性すらあるんじゃないかと勝手に予想しています。
というかGPTsとプロジェクトを結合してくれた方が、初心者さんにとっても分かりやすくて良いと思うんですよね。
総評:フォルダ管理だけでも価値大
個人的にはプロジェクトがあるだけで、ChatGPTでの長期プロジェクトや学習が一気に捗りました。
スレッドが増えても整理しやすいし、ファイルをまとめて参照できるので、初心者にも分かりやすく便利じゃないかなと思います。
次の大型アップデートで共有機能が来れば、より“集団で使うAIツール”に近づきそうで期待大ですね。
まとめ
最後に、GPTsとプロジェクトの違いをざっくりまとめておきましょう。
- GPTsは「カスタムChatGPTを作る」機能
- モデルはGPT-4o固定
- 共有機能があり、URLで他人に配布可能
- Action機能を通じて外部API連携ができる
- しかしAPIを外部へ公開するわけではない
- 大規模アップデートが少なく、今後に期待
- プロジェクトは「フォルダ管理の新感覚機能」
- o1モデルやo1-pro-mode、GPT-4oやGPT-4o-miniなど柔軟に選べる
- 複数のチャットや資料をまとめ、長期作業を効率化
- ファイルアップロードで専門資料も参照してくれる
- 共有機能は未実装で、あくまで個人利用
- 将来的に共有が来れば“神機能”に進化しそう
両者をどう使い分けるかは、「他ユーザーと共有したいか」と「ファイル管理・モデル選択を重視するか」で決まると言っていいでしょう。
すでにChatGPTは爆発的に広まり、企業や個人で活用する事例が増えている中、「自分専用のAIを公開する」「チャット履歴を徹底的に整理しながら使う」などのニーズは確かに存在します。
とはいえ、「GPTsってそもそも何?」という人も多く、「プロジェクト? どう使うの?」と戸惑う声も絶えません。
それぞれまだ課題を抱えた発展途上の機能ですし、両者が今後さらにアップデートされることで機能統合されるシナリオも十分にあり得るでしょう。
特にChatGPTは開発スピードが早いので、いつ大幅な改善が行われても不思議ではありません。
僕自身は、GPTsは“AIボット作成&共有”として活用しており、「Action機能を使いたい時」と「外部ユーザーにリンクでボットを渡したい時」に使っています(あと4oで事足りる時)。
そしてプロジェクトは“作業フォルダ”として活用し、ファイルアップロードでアイデアまとめやコードレビューに役立てています。
どちらも一度使い込んでみると便利さを実感するはずなので、まずは一歩踏み込んで触れてみるのが良いかもしれません。
ChatGPTは日々進化し、新しいモデルやUIが次々に投入されています。
GPTsとプロジェクトに関しても、これからのアップデートでどこまで改良が入るか注目どころです。
あなたの目的に合った方法で、ぜひこれら2つの機能を上手に使いこなしてみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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