スタートアップ資金調達 vs ブートストラップ – 初心者が誤解しがちな「お金持ち/貧乏」神話を検証

ChatGPTのDeep Research(AI)での出力結果をそのまま掲載しています。ChatGPTのDeep Researchはハルシネーション(誤った情報の生成)が少なくなるよう調整されていますが、あくまで参考程度に読んでください。当記事は検索エンジンに登録していないため、このブログ内限定の記事です。

こんにちは!今日はスタートアップの資金調達(VCからの出資など)ブートストラップ(自己資金での起業)について、初心者の起業家志望者が陥りがちな「資金調達=お金持ち」「ブートストラップ=貧乏」という神話を一緒に解き明かしていきましょう。

登場人物は、スタートアップに興味を持ち始めた新人起業家のユウキと、経験豊富な先輩起業家のケンです。カフェで語られる2人の会話を通じて、資金調達とブートストラップの違いやメリット・デメリット、そして勘違いされやすいポイントを見ていきます。

資金調達ってどういう意味?

ユウキ:「先輩、まず資金調達って具体的に何をすることなんですか?聞いたことはあるけど…。」

ケン:「資金調達は簡単に言うと、会社の外からお金を集めることだよ。スタートアップの場合、典型的にはベンチャーキャピタル(VC)エンジェル投資家から出資を受ける形が多いね。他にも、銀行からの融資やクラウドファンディングなんかも資金調達の一種だけど、ここでは株式を渡して投資を受けるケースを指すことが多い。」

ユウキ:「株式を渡す…つまり会社の一部を売る代わりにお金をもらう感じですね。」

ケン:「その通り。VCやエンジェル投資家は成長が見込めるスタートアップに資金を入れて、その見返りに株式を受け取る。例えば、君が作った会社に1000万円出資してもらって10%の株を渡したとしたら、その投資家は会社の10%を所有する共同オーナーになるということだ。」

ユウキ:「なるほど。でも投資家はどうやって儲けるんですか?会社から配当とか…?」

ケン:「多くのスタートアップは配当(利益の分配)よりも株の価値の上昇でリターンを狙うんだ。投資家は会社が大きく成長して株の価値が上がったときに、例えば会社が売却されたりIPO(株式上場)したりして株を売ることで利益を得る。だからVCはスタートアップにどんどん成長してもらって、最終的に大きなエグジット(EXIT)をしてほしいわけ。」

ユウキ:「そういうことなんですね…ニュースで”◯◯社が◯億円の資金調達”って見ると、なんだか会社がお金持ちになったように思ってました。」

ケン:「会社に現金が入るという意味では潤沢になるけど、それは借りた(出資してもらった)お金なんだ。創業者個人の財布が直接膨れ上がるわけじゃない点には注意だね (Entrepreneurship | being practical)。資金調達したお金は事業に使うためのものだから、君が自由に個人的な買い物に使える宝くじではないんだよ(笑)。」

ユウキ:「確かに…。じゃあ資金調達って、会社にとっては成長させるための燃料を外部から入れるイメージですね。」

ケン:「うん、その表現は的確だね。お金という燃料を補給して、一気にスピードを上げて成長しようという戦略なんだ。」

ブートストラップって何?

ユウキ:「一方でブートストラップという言葉も聞いたことがあります。資金調達しないでやる方法ですよね?詳しく教えてください。」

ケン:「ブートストラップ(ブートストラッピング)は、自己資金や事業の稼ぎだけで会社を立ち上げて成長させるやり方だよ (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |)。語源は『自分のブーツの紐を引っ張って自分を持ち上げる』という古いことわざで、つまり他人の助けなしに自力で頑張るという意味なんだ (スタートアップに最適な資金調達とは? ブートストラップまたはベンチャーキャピタル? - AWS Startups)。」

ユウキ:「自力で…というと、具体的には自分の貯金家族・友人からの資金、あるいは事業の売上を再投資して回す感じでしょうか?」

ケン:「その通り。例えば、貯金からスタートして、小さくビジネスを始めて、得た利益をまた事業に投入して成長させていく。外部の投資家から出資を受けないから、会社の株はすべて自分(と共同創業者)で持ったままだ (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |)。」

ユウキ:「株を手放さなくていいのは魅力ですね!でもお金が限られる分、最初は地味なスタートになりそう。」

ケン:「確かに、限られた資金でやりくりする必要があるから、派手な大規模マーケティングはできないかもしれない。でもその代わりにコスト意識収益性重視の経営感覚が身につくというメリットもあるよ (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |)。外部資本が入らない分、経営の自由度も最大だ。 (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |)で言われているように、誰にも干渉されず自分のペースで舵取りできるのがブートストラップの醍醐味だね。」

ユウキ:「自分の城を自分で築く感じですね。なんだか職人みたいでかっこいいかも。」

ケン:「実際、熱意ある起業家が『自分の力で理想の未来を創るんだ!』って胸に誓ってブートストラップの航海に出るケースは多い (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |)。小さく始めても地道に成長させて大成功した例もたくさんあるんだ。後で実例を紹介するよ。」

ユウキ:「お願いします!ブートストラップのメリット・デメリットも気になります。」

「調達=成功でお金持ち」「自力=貧乏」の誤解

ここで一度、ユウキが抱いていたイメージを整理しましょう。

ユウキ:「正直いうと、ニュースでスタートアップが◯億円調達!とか見ると『うわぁ、創業者はもう勝ち組でお金持ちだな…』って思っちゃってました。それに比べて自己資金でチマチマやってるのは『投資してもらえないショボい会社なのかな?』なんて…。」

ケン:「うんうん、その気持ちは分かるよ。メディアでは巨額の資金調達が華々しく報じられるし、周りも『すごい!』『○○社は期待のスタートアップだ!』って盛り上がる。でもね、それってある意味「見かけ倒し」な部分もあるんだ。」

ユウキ:「見かけ倒し、ですか?」

ケン:「例えば、ある創業者が1億円の出資を受けたとしても、それは会社の口座に入るお金であって創業者個人の資産になるわけじゃない。 (Entrepreneurship | being practical)にもあるように、『資金調達=創業者が即お金持ち』ではないんだ。実際には創業者の給料はまだまだ質素で、会社の成長に全額注ぎ込むなんてことも普通だよ。」

ユウキ:「出資を受けたらもう安泰、みたいに思ってたけど全然違うんですね…。むしろ責任重大そう。」

ケン:「そう、投資家から預かったお金だから成果を出さなきゃというプレッシャーが一気に高まる。おまけに株を渡した分、自分の会社じゃなくなっていく側面もあるから、自由に意思決定できなくなることも多いんだ。 (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)で指摘されているように、VCから支援を受けると取締役として口を出され、場合によっては『あれをやれ』『これはやるな』と指示が飛んでくる。経験者の中には「そういう干渉がかえって会社を弱くした」と感じる人もいるんだよ (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)。」

ユウキ:「投資家って頼もしいスポンサーでもあるけど、口うるさい上司みたいな存在にもなり得るんですね…。」

ケン:「極端に言えばね(笑)。一方でブートストラップ=貧乏・冴えないって見方も誤解だ。確かに昔は『自分でしか資金出せない=他から相手にされてない』みたいな偏見があった。 (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)にもあるように、かつて自己資金でやると倒産寸前とかVCに見放されたダメ事業って見なされがちだったんだ。しかし、今はあえて投資を断って自力成長を選ぶ起業家も増えている (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)。」

ユウキ:「へえ、時代が変わったんですね。」

ケン:「背景には、VCからの大型出資が減っている業界動向もあるけど (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)、それだけじゃない。投資家の圧力から逃れて、自分で手綱を握りたいという起業家の意思も大きいんだ (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)。実際、『資金調達は成功の証』という考え自体が間違いだと指摘する声も昔からあるよ。ある起業家は『残念ながら多くの人は理解しないけど、資金調達したからといって自分が金持ちになるわけではない』と言っているし、『調達できた=成功』という風潮を皮肉っていた (Entrepreneurship | being practical)。」

ユウキ:「確かに、調達できたからって事業がうまくいく保証は全くないですもんね…。調達をニュースで見て浮かれてた自分が恥ずかしいです。」

ケン:「とはいえ、資金調達自体を否定する必要もないよ。ただ『資金調達=ゴール』ではなくスタートだし、『自己資金=惨め』でもなく一つの戦略だということさ。じゃあ次は、それぞれのメリット・デメリットを整理してみよう。」

資金調達のメリット・デメリット

ユウキ:「資金調達には夢がありますけど、冷静に考えると良い面も悪い面もありますよね。具体的に教えてください。」

ケン:「まずメリットから話そうか。」

資金調達の主なメリット:

  • 潤沢な成長資金が得られる:大きな資金を一度に調達できるから、人材採用や製品開発、マーケティングに一気に投資できる。市場を素早く拡大したり、競合に先行したりしやすいね。例えば、ライバルより先に市場を制圧したいようなビジネス(シェア争いが激しい分野)では外部資金の後押しが武器になる。
  • 信用力・話題性が増す:有名VCや著名エンジェルから出資を受けたとなれば、会社の信用度は上がるしメディアにも取り上げられやすい。調達自体がニュースになることも多いから、宣伝効果もあるね。
  • ネットワークや支援を得られる:VCや投資家は資金だけでなく、業界の人脈経営ノウハウを提供してくれることもある。経験豊富な投資家が取締役に入れば、経営の助言をもらえたり、大きな顧客やパートナーを紹介してもらえたりする。「スマートマネー」と言って、ただのお金以上の価値をもたらす投資家もいるんだ。

ユウキ:「なるほど、調達すると成長の加速装置を得られる感じですね。」

ケン:「そうだね。ではデメリットも挙げてみよう。」

資金調達の主なデメリット:

  • 株の希薄化と創業者の取り分減少:出資を受けるたびに創業者の持ち株比率は下がる(希薄化する)。例えば創業者が100%持っていた会社も、何回かラウンドを重ねると20~30%とかそれ以下になることも珍しくない (創業者の持株比率を高めるにはどのようにしたらよいか | RSM汐留パートナーズ司法書士法人)。その結果、エグジット(出口)時に得られる創業者の利益も相対的に減る可能性が高い。実際、2人で創業して半分ずつ株を持っていた会社でも、外部から資金調達をした結果、大きく持分比率が低下してしまうケースは多い (創業者の持株比率を高めるにはどのようにしたらよいか | RSM汐留パートナーズ司法書士法人)。
  • 経営の主導権低下:株主が増えることで、重要な意思決定に株主の同意が必要になったり、取締役会で創業者の意向だけでは動かせない局面が出てくる。場合によっては、創業者が経営から退くよう求められるリスクすらある。極端な例だけど、アップルのスティーブ・ジョブズは一度、自分が創業した会社を追い出されたし、最近でもUberの創業者が投資家主導でCEO交代に至ったケースもあった。VCから大きな資金を受ければ、それだけ創業者の自由度は減ると考えた方がいいね (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)。
  • 投資家のリターン優先:出資を受ける以上、投資家はリターン(見返り)を求める。多くのVCは将来的に数倍~10倍以上のリターンを期待しているから、会社にもハイリスク・ハイリターンな戦略を求めがちだ。堅実に中規模で利益を出すより、ときには利益度外視でユーザー数を伸ばす施策を取らされることもある。さらに出資契約には清算優先権(Liquidation Preference)といって、会社売却の際に投資家が真っ先に払い戻しを受ける権利が含まれている場合が多い (Very few founders understand these basic (but confusing) rules. They get… | Chris Hodgson)。つまり、そこそこの値段で会社を売っても、そのお金はまず投資家に渡り、残ったら創業者に来る仕組みだ。会社を売ったのに創業者には1円も入らなかったという悲劇も現実に起きている。 (Very few founders understand these basic (but confusing) rules. They get… | Chris Hodgson)にあるファンデュエル(FanDuel)という米スタートアップの例では、累計約4億1600万ドル(約550億円)も調達して評価額10億ドル超のユニコーンになったのに、最終的に4億6500万ドルで会社を売却した際、創業者は売却益を一切受け取れなかったそうだ。巨額調達の反動で、投資家への支払いと負債処理でお金が消えてしまい、創業者の持ち分には何も残らなかったんだ (Very few founders understand these basic (but confusing) rules. They get… | Chris Hodgson)。これは極端な例にしても、投資を受ける以上、まず投資家を儲けさせないと自分が儲からない仕組みだと覚えておこう。
  • 失敗時のスケールも大きい:調達したお金は返済義務こそないけど、失敗したときに失う額も大きい。事業がうまく行かず資金を使い果たしてしまえば、多額の他人のお金を溶かしたことになる。社会的な責任も重いし、心的プレッシャーも計り知れないよ。投資家との関係が悪化すれば次の挑戦にも影響するかもしれない。

ケン:「まとめると、資金調達は高燃費・高出力エンジンを積むようなもの。速く遠くに行けるが、扱いを間違えると大破するリスクもある。」

ユウキ:「うーん、一概に夢ばかりでもないんですね。でも高成長には魅力があります。リスクとリターン、天秤ですね。」

ケン:「そう。その天秤をどう判断するかが起業家の腕の見せ所でもあるね。」

ブートストラップのメリット・デメリット

ユウキ:「ではブートストラップ側のメリット・デメリットも教えてください!」

ケン:「もちろん。ではメリットから。」

ブートストラップの主なメリット:

ユウキ:「自由度が極めて高いのが伝わります。成功したときのリターンの大きさも魅力的ですね。」

ケン:「もちろん、いいことばかりじゃない。デメリットも押さえておこう。」

ブートストラップの主なデメリット:

  • 成長スピードの限界:一番のハードルは資金不足による成長の遅さだ。 (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |)にあるとおり、カウフマン財団の研究では自己資金で運営されるスタートアップの平均年間成長率は15%で、VC資金を受けた企業の20%より低かったというデータもある (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |)。大きな市場を相手にする場合、のんびりしていると競合に市場を取られてしまうリスクがある。充分な資金がないと人材採用や製品開発に時間がかかり、チャンスを逃すこともあるんだ。
  • 個人的な財務リスク:自己資金を突っ込む以上、失敗したら自分のお金が消える。家や貯金を担保にしたり、友人知人からお金を借りたりして始める人もいるけど、万一事業が失敗すれば借金だけが残る可能性もある。 (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |)によれば、米国のブートストラップ企業の多くは資金繰りに苦労していて、59%の企業は手元資金が2.5万ドル(約330万円)未満しかないという調査結果もある。カツカツの資金繰りで精神的な負担も大きいし、最悪個人破産なんてリスクも考えないといけない。
  • 得られるリソース・知見が限られる:外部から資金を受けないということは、投資家のネットワークや専門知識も借りられないということだ。 (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |)にあるように、VCからのアドバイスや紹介を得られない点はデメリットになりうる。経験豊富なメンターがいないと試行錯誤に時間がかかるし、優秀な人材を探すにも自力でコネクションを広げねばならない。
  • 事業によっては不可能な場合も:全てのビジネスがブートストラップで成長できるわけじゃない。例えばハードウェア開発や新薬開発のように巨額の初期投資が必要な分野は、とても自己資金だけでは賄えない。そういう場合は最初からVCや政府助成金に頼るしかないだろう。また、大企業相手のビジネスで最初から信用が必要な場合、名だたる投資家がバックについていること自体が信用保証になることもある。ブートストラップは万能ではないと心得ておくべきだね。

ユウキ:「地道な分、茨の道になる可能性も高いんですね…。でも、自分の思い描くとおりに事業を進められるのは捨てがたい魅力です。」

ケン:「そうだね。ブートストラップは低燃費エンジンでコツコツ走る感じ。派手さはないけれど、堅実に遠くまで走り続けられるかもしれない。」

世界のスタートアップ事情:日本・米国・中国の違い

ユウキ:「ところで、ブートストラップと資金調達って国や地域によって主流とか違いがあるんですか?アメリカとか中国、日本では文化が違うのかなと。」

ケン:「いい視点だね。スタートアップの資金調達文化は国によって結構違う。大まかに言えば、アメリカはVC文化が非常に発達しているし、中国も近年は巨額の資金が動いている。一方、日本はVC規模が小さく、自己資金や銀行融資に頼る傾向が強かった歴史がある。ただ最近は状況が変わりつつあるけどね。」

米国:VC天国とブートストラップの両極

ケン:「まずアメリカだ。シリコンバレーなんかを思い浮かべると分かるように、米国はベンチャーキャピタル天国と言われるくらいスタートアップ投資が盛んだ。GAFAに代表される巨大IT企業の多くも、創業当初にVCから出資を受けて大きくなっている。例えばGoogleもFacebook(現Meta)も、学生のアイデアから始まったけどVCの支援で急成長し、世界企業になったよね。」

ユウキ:「確かに、アメリカは”ユニコーン”(評価額10億ドル超の未上場企業)がゴロゴロいますもんね。」

ケン:「うん。でも興味深いのは、実はアメリカで新しく創業する会社の大部分はVCなんて関係ないってこと。 (Understanding Venture Capital Due Diligence)にもあるように、スタートアップ全体の1%未満しかVC投資を受けられないってデータもあるんだ (Understanding Venture Capital Due Diligence)。言い換えれば、99%以上はVCからお金をもらえずにやっている(あるいはそもそもVCに適さないビジネス)ということ。だから小規模でもスモールビジネスブートストラップ起業はアメリカでも一般的なんだよ。」

ユウキ:「えっ、そうなんですか!?メディアには派手な調達ばかり出るから知りませんでした…。」

ケン:「大多数の起業家は銀行借入や自己資金、もしくはエンジェル投資家の少額出資くらいでビジネスを始めてる。VCから何十億も集めるのは本当に一握りという現実だね (Understanding Venture Capital Due Diligence)。また、アメリカにはブートストラップ推奨派のコミュニティもあって、『無理にVCマネーを追うな、自分のペースで成長させよう』といった風潮も根強い。特にSaaS(クラウドのソフト提供)なんかは、少ない資本でも顧客さえ掴めば黒字にできるから、敢えてVCを入れず自主独立路線をとる企業も結構あるんだ。」

ユウキ:「へえ、アメリカでもそんな堅実派がいるんですね。」

ケン:「有名な成功例もいくつか紹介しよう。さっき話に出たMailchimpはその代表格だ。 (The Biggest Bootstrap Exit Ever: Mailchimp Sells for $12B — TinySeed)でも触れられているけど、この会社は2001年に二人の創業者が趣味的に始めた小さなサービスが原点で、20年間ずっと自己資金+事業収益で成長し続けた。そして2021年に会計ソフト大手のIntuit社に約1.3兆円(120億ドル)で買収され、史上最大のブートストラップEXIT(売却)として話題になったんだ (The Biggest Bootstrap Exit Ever: Mailchimp Sells for $12B — TinySeed)。創業者のベン・チェスナット氏とダン・カージアス氏はVCに株を渡していなかったから、売却額の大半が彼らのものになり、名実ともに大富豪になった (The Biggest Bootstrap Exit Ever: Mailchimp Sells for $12B — TinySeed)。」

ユウキ:「す、すごい…夢がありますねそれは。」

ケン:「他にもSpanx(スパンクス)って女性用肌着メーカーを創業したサラ・ブレイクリーさんは、自己資金たった5000ドルから始めて一切外部出資を受けずに事業を拡大し、億万長者になった例も有名だよ。彼女は長年会社の株を100%保有し続けて、マーケティングも広告も工夫で乗り切った (How Sara Blakely of Spanx Turned $5,000 into $1 billion - Forbes)。2021年に株式の過半数を売却したときは、彼女の資産価値は再び10億ドル(1000億円超)規模になったと報じられた (Sara Blakely Is A Billionaire (Again) After Selling A Majority … - Forbes)。まさに「自力で富を築いた女王」だね。」

ユウキ:「アメリカンドリームですね…!一方でVCから潤沢な資金を得て成功した会社ももちろん多いですよね?」

ケン:「もちろん。AmazonやAppleだって最初は少額ながら投資を受けているし、UberやAirbnbのようにガンガン資金調達して世界展開した企業もある。VCマネーでユニコーンになって、そのまま上場して創業者が億万長者…という例もアメリカには山ほどある。だからブートストラップ vs 調達はどちらが良い悪いではなく、どう成功するかのスタイルの違いと言えるね。」

ユウキ:「米国は両極端の成功例が豊富って感じですね。巨額調達で超成長もあれば、無借金経営でコツコツ大成功もある、と。」

ケン:「その通り。あと最近の傾向として、2022~2023年あたりはハイテク株の不振や景気減速でVCの投資が細ってね、調達環境が厳しくなった。だから仕方なくブートストラップで頑張るスタートアップも増えている。 (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)にあるように、2021年にピークだったVC出資額が22年に冷え込んで23年も低調で、資金繰りに苦しんだ結果やむなく自主独立路線を取るケースもあるんだって。」

ユウキ:「景気によっても選択が左右されるんですね。」

ケン:「資金調達はマーケットの空気に左右される側面が大きいからね。逆にブートストラップは不景気でも自走できる強さがあるとも言える。」

日本:小さなVC市場と堅実な起業

ケン:「次に日本だけど、伝統的に日本の起業家は自己資金や銀行融資で始めるケースが多かった。VCもあるにはあったけど、アメリカほど規模も数も多くないし、特に2000年代前半まではベンチャーブームも一時期を除いてそこまでじゃなかったからね。」

ユウキ:「確かに、一昔前は起業と言えば銀行からお金借りて会社設立みたいなイメージがあります。」

ケン:「うん。日本は株式より銀行借入文化が強かったから、VCからの出資より金融機関や政府系機関からの融資で地道に成長する中小企業が多かった。もちろんITベンチャーが出てきた90年代後半~2000年代にはVC投資も少し盛り上がったけど、それでもアメリカに比べたら小規模。実際、2020年のスタートアップ資金調達額は中国が約13兆円、日本は約0.46兆円(13兆円の約28分の1!)というデータがある (中国著名VCのLegend Capitalが今、注目するセクターとは|スピーダ スタートアップ情報リサーチ)。市場規模の違いもあるけど、日本では投資マネーの量自体が全然違うんだ。」

ユウキ:「28倍も差が…桁が違いますね。」

ケン:「中国に比べてもこの差だから、アメリカとはもっと開くかもしれない。だから、日本の起業家は大きな資金調達に頼らずにやる術を昔から身につけてきたとも言える。実際、日本発のネット企業でも、創業期にはあまり外部資本を入れずにコツコツ成長して成功した例がいくつかあるよ。」

ユウキ:「日本のブートストラップ成功例ですか?」

ケン:「例えばMixi(ミクシィ)GREEなんかのSNS企業は、比較的少ない資金で立ち上げて短期間で上場してるし、創業者は上場時にかなりの株式を保有して一躍資産家になった。特にGREEの田中良和さんは20代で自力でサービスを作り、ほぼ自己資金で運営していたところに一部ベンチャー投資を受けつつ2年ほどで東証上場して、最年少長者番付に載ったんだ。当時は日本でも衝撃的だったね。」

ユウキ:「すごい…。最近の例だとありますか?」

ケン:「最近だとそこまで完全無欠なブートストラップ成功は多くないかな。やはり日本でもここ10年はスタートアップにはVCから資金を入れるのが普通になってきた。特にIT・ソフトウェア系ではシリーズA、Bと数億〜数十億円規模の調達をする企業が増えたし、メルカリのように数百億円を調達してユニコーンになった例も出てきた。創業者の山田進太郎さんはVCからの出資で事業を急拡大させて、メルカリ上場時には個人資産が数千億円規模になった。彼は上場時点でも株をかなり持っていたから大富豪になったけど、それでも持ち株比率は50%以下だったはずだ。つまり他の半分以上は投資家や従業員に渡した上での成功だったわけだね。」

ユウキ:「なるほど、日本でもVC活用で成功した人もいれば、昔ながらに自力でって人もいると。」

ケン:「そう。ただ、日本の場合、米中に比べるとエグジット(売却や上場)の規模が小さいこともあって、仮にVCを入れても創業者がある程度の大株主のまま成功するケースも多い。身近な例で言うと、ファッション通販で有名なZOZO(旧スタートトゥデイ)の前澤友作さんは、ほぼ自己資金で会社を伸ばして上場し、自分で株の3割以上を持っていた (ZOZO前澤氏の「人財投資家としての功績」 ヤフーの連携施策も予想 …)。2019年にヤフーにZOZOを売却したとき、前澤さんは約36%の持ち株の大半を売って約3000億円の売却益を得て社長を退任した (ZOZO前澤氏の「人財投資家としての功績」 ヤフーの連携施策も予想 …) (退任、ゾゾ前澤友作が去り際に見せた「野生児の勘」 業績不振だが株式売却と社長退任には絶好のタイミングだった(3/3) | JBpress (ジェイビープレス))。銀行借入などの負債が多少あったようだけど、手元に残ったお金も莫大で、彼は日本でも有数の富豪になった。これなんかは、ほぼブートストラップ型で成功して「ジャパニーズドリーム」の体現とも言われたね (退任、ゾゾ前澤友作が去り際に見せた「野生児の勘」 業績不振だが株式売却と社長退任には絶好のタイミングだった(3/3) | JBpress (ジェイビープレス))。」

ユウキ:「確かに…!日本の起業家で数千億円手にする人なんてなかなかいませんもんね。」

ケン:「うん。前澤さんほどではなくても、創業者が大株主のまま上場して成功した例は日本ではちょこちょこある。逆にVCがたくさん入った結果、創業者の持ち分が希薄になりすぎてしまったケースもあるけど…日本だと創業者が報われないレベルで希薄化する前にIPOしちゃうことも多いかな。」

ユウキ:「日本は上場しやすい土壌(マザーズ市場とか)もありますもんね。その違いも大きそう。」

ケン:「その通り。日本は比較的小規模でも上場できる環境があるから、VCにこだわらなくても株式市場から資金調達する道が開けている。これも資金調達文化の一種だね。いずれにせよ、日本の起業家は昔から地に足の着いた堅実経営志向が強くて、“調達して派手に燃やす”スタイルには慎重な傾向があると思う。だから最近は米国流の大胆なVC調達も増えたけど、一方でブートストラップ的なバランス感覚も持ち合わせてる人が多い印象だな。」

中国:巨大資金とハイリスクハイリターンの世界

ユウキ:「最後に中国はどうでしょう?中国のスタートアップも最近よくニュースで聞きます。」

ケン:「中国はとにかく市場が巨大で成長スピードが速い。それに伴って、2010年代からベンチャー投資が爆発的に増えたんだよ。2010年代後半には、毎年のように中国発のユニコーン企業(評価額10億ドル超)が100社以上誕生する勢いだった。政府も『大众创业、万众创新(大衆起業・万人革新)』といったスローガンで起業を奨励したし、海外からも投資マネーが流れ込んだ。 (中国著名VCのLegend Capitalが今、注目するセクターとは|スピーダ スタートアップ情報リサーチ)にもあるように、2020年時点で中国のスタートアップへの投資額は日本の28倍にも達していたわけだ (中国著名VCのLegend Capitalが今、注目するセクターとは|スピーダ スタートアップ情報リサーチ)。」

ユウキ:「ものすごいお金が動いてますね…。中国はVCマネーでどんどん伸ばすイメージです。」

ケン:「そうだね。アリババやテンセントといった巨大企業も初期から投資を受けて成長したし、近年のByteDance(TikTokの会社)Didi(滴滴出行)なんかも世界中のVCから巨額の資金を調達している。中国では、市場シェアを取るために補助金攻勢(ユーザーに大幅割引してでも拡大)を仕掛けたり、とにかくスピード勝負な面が強いから、資本力がものを言う場面が多いんだ。」

ユウキ:「確かに、配車アプリとかフードデリバリーで各社がお金をばら撒いてユーザー獲得競争してましたね。」

ケン:「うん。その背景には、莫大な投資を受けて成長最優先で走る文化がある。ただ、中国にも実は地道にやって成功した例はあるんだよ。例えばファーウェイなんかは創業当初は民間企業だけど地道に自己資金で成長して、外資からの出資も受けずに世界的企業になったケースだ。(まあ最近はいろいろあるが…)また、創業当初は人脈でお金をかき集めて事業を興し、ある程度育ってから大きな資金を入れるという段階的なブートストラップも多いと聞く。中国は親族や友人ネットワークでお金を融通するのも盛んだから、ごく初期は身内資金で立ち上げることも多いらしい。」

ユウキ:「中国の起業家精神もすごそうです…。投資も国が絡んだりスケールが桁違いですね。」

ケン:「うん、スケールメリットが圧倒的だからね。ただ近年は中国でも政府規制が強まって資金調達環境が変化している。大手IT企業への締め付けがあったことで、逆に新興スタートアップにはチャンスという声もある (中国著名VCのLegend Capitalが今、注目するセクターとは|スピーダ スタートアップ情報リサーチ)けど、資本の流れは以前ほど一本調子で増えてないと思う。中国でも持続可能なビジネスやニッチな市場で堅実に利益を上げる企業が注目され始めているし、全てが「とにかくユニコーン目指せ!」という雰囲気でもなくなりつつあるかな。」

ユウキ:「中国は極端な資金ゲームのイメージがありましたが、少しずつ変わっているんですね。」

ケン:「そうだね。とはいえ、やはり中国で大成功を狙うなら資金調達のパワーは無視できない。200社以上のユニコーンがいるエコシステムだから、その競争に勝つには巨額のバックアップが必要になるケースが多いだろうね (中国著名VCのLegend Capitalが今、注目するセクターとは|スピーダ スタートアップ情報リサーチ)。」

資金調達と創業者の資産・取り分の行方

ユウキ:「先輩、少し前に創業者の取り分が減る話が出ましたよね。結局、資金調達した場合としない場合で、創業者の最終的な資産ってどう変わるものなんでしょう?」

ケン:「いい質問だね。ここは具体的なシナリオで考えてみようか。」

ケース1: 資金調達ありで成功した場合

例えば、あなたが将来スタートアップを立ち上げて、累計で5億円のVC出資を受けたとする。事業はうまくいって数年後に企業価値50億円で大企業に買収されたとしよう。創業時にあなたが100%株を持っていたとしても、ラウンド毎に株を投資家に渡していった結果、買収時点では創業者持ち株は20%くらいになっていたとするね。すると、50億円の20%だから、あなたが受け取る金額は10億円になる。

ユウキ:「10億円!十分大金ですが、思ったより少ない印象も…。会社自体は50億円もするのに。」

ケン:「そう。残りの80%(40億円)は誰に行くかと言えば、もちろん投資家やストックオプションを持つ従業員さ。創業者だけが儲かるんじゃなく、成功の果実をみんなで分ける形になる。これが資本政策の結果だね。さらに投資契約によっては、まず投資家が出資額の◯倍を優先的に持っていくとか、そういう条件がついていることもある。だからシナリオによっては、会社が売れたのに創業者にはほとんど残らないなんてことも起こり得る(さっきのFanDuelの例みたいに) (Very few founders understand these basic (but confusing) rules. They get… | Chris Hodgson)。」

ユウキ:「うーん、なるほど…。ではケース2: 資金調達せずに成功したら?」

ケン:「ケース2では、あなたはブートストラップで事業を起こし、外部資本ゼロでやり遂げたとする。同じく数年後に企業価値50億円で会社を売却したら、あなた(創業チーム)の持ち株100%にその50億円が入る。税金等は置いといて理論上50億円がまるまる創業者のものになるわけだ。」

ユウキ:「極端な比較ですが、10億 vs 50億ですか…。まさに5倍の違いですね。」

ケン:「もちろん、どちらの道を選んでも成功できるとは限らないし、調達すれば事業を50億以上に大きくできたかもしれない。実際はもっと複雑だけど、創業者の取り分という観点ではブートストラップはハイリスク・ハイリターンと言えるかな。全部自分で抱える分、成功時のリターンも100%自分に来るけど、失敗したらゼロ(むしろマイナス)だし、成功確率自体も資金不足で下がるかもしれない。一方、VCを入れれば成功確率や事業規模は上げやすいが、自分の取り分は小さくなる傾向がある。」

ユウキ:「すごく腑に落ちました…。起業家の最終的な資産は、こういう持ち株比率の積み重ねで決まるんですね。」

ケン:「その通り。ちなみに、創業者が途中で株を一部売却(セカンダリー)して自分の懐を確保するケースもある。調達のタイミングで投資家が創業者株を買い取ることも最近は増えていて、それでリスクヘッジする起業家もいるんだよ。とはいえ基本は、創業者の富=持ち株価値だから、どれだけ株を手元に残せるかが勝負と言える。」

ユウキ:「創業者の持ち株比率って大事なんですね…。あまり希薄化しすぎるとインセンティブが下がるとも聞いたことあります。」

ケン:「うん、 (創業者の持株比率を高めるにはどのようにしたらよいか | RSM汐留パートナーズ司法書士法人)にもあるけど、持ち株が低すぎると創業者のモチベーションが落ちるってのは投資家にとっても望ましくない状態だ。だから投資家も常識的な範囲でしか株を取らないようにするものだけど、創業者側も計画的に資金調達して持ち株比率を守る工夫は必要だね。自分の取り分と事業成長のバランス…悩ましいけど重要な戦略要素だよ。」

経営の自由度と事業のゴール

ユウキ:「もう一つ気になっているのが、事業の自由度とかゴール設定の違いです。資金調達したら、事業の目的も変わってくるんでしょうか?」

ケン:「良い点に気付いたね。ゴール設定、つまり事業を最終的にどうしたいかも資金戦略で変わってくる。大きく分けると、外部資金を入れた場合はいずれEXITすること(売却や上場)がほぼ前提になる。一方、ブートストラップなら自分の好きなようにゴールを決められる。」

ユウキ:「EXIT前提かどうか、ですか。」

ケン:「VCは出資する時点で『この会社は◯年後に◯倍の価値になってEXITできそう』という仮説を持っている。だから、創業者としては数年〜10年以内にEXITして投資家に報いる責任が生じるんだ。もちろん長期で付き合うVCもいるけど、基本的に彼らもファンドの期限があるからね。すると事業のゴールも自ずと「大きくして売る」ことにフォーカスしがちになる。」

ユウキ:「確かに、ずっと未上場のまま配当だけ出すとか、ゆっくり成長するとかはVC的には困りますね。」

ケン:「そのとおり。投資家は配当より株価上昇益を狙っているから、上場かM&A以外に成果を得る道がない。逆にブートストラップなら、事業を一生続けてもいいし、途中で畳んでも誰にも文句言われない。ライフスタイルビジネスとして適度な利益が出る状態で維持するのも自由だ。」

ユウキ:「そう考えると、起業家の人生観にも関わりますね。とにかく短期でスケールさせて売り抜けたいのか、長く自分の城を経営したいのか。」

ケン:「まさにそこ。たとえば、ある程度利益が出てきたら社員に還元したり自分は悠々自適に暮らしたいという人は、VCマネーを入れるとそれが許されなくなる。利益は全部成長投資に回せと言われるだろうし、下手に配当なんかしたら怒られる(笑)。だけどブートストラップなら、利益を自分のものにしてもOKだ。実際、創業者オーナーが安定黒字企業から毎年莫大な役員報酬や配当を得てリッチに暮らしている例もあるよ。」

ユウキ:「なるほど…。自由度という点では本当に対照的ですね。」

ケン:「うん。さっきのNordmarkさん(元eBags創業者)の話でも、投資家がいると「あれやれこれやるな」と口出しされて会社が弱くなると感じたと言っていた (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)。彼は新しい会社ではVCを入れず、経営の手綱は自分で握っていたいと語っていたね (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)。また別の起業家は『起業するのは、外部の許可を仰がずに影響力を持てるようになるためだ。VCの休日明けを待っているようではダメだ』とまで言っている (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)。つまり、自分の信じるタイミングで、自分の信じるやり方でやり切りたいという強い意志だよね。」

ユウキ:「かっこいい…!起業家魂ですね。」

ケン:「もちろん、VCからの助言や制約が全て悪いわけじゃない。むしろ暴走を止めてくれたり、会社を健全に保ってくれるケースもある。ただ、自由に挑戦したいタイプの起業家にとっては、やはりブートストラップは魅力的な選択肢だと思う。」

ユウキ:「逆に早く大きくしたいから多少の束縛は歓迎という人は資金調達向き、と。」

ケン:「そうだね。創業者の性格や目標によっても、どちらが向いているかは違う。結局のところ、起業家自身がどういう事業の作り方をしたいかが選択の鍵になるんだ。」

まとめ

ユウキ:「先輩、今日は本当に勉強になりました!最後にポイントをまとめると…?」

ケン:「じゃあおさらいしよう。」

最後に、資金調達するかブートストラップで行くかは、起業家それぞれの目指す姿次第です。どちらにも成功も失敗もあるし、一長一短。大事なのは「調達=成功」「自力=ダメ」という先入観に囚われず、自分の事業に合った道を選ぶことです。

ユウキ:「私も自分のやりたい事業の性質や、自分がどういう起業家でありたいかを考えて、資金戦略を決めたいと思います!今日はありがとうございました!」

ケン:「どういたしまして。ユウキの挑戦を応援しているよ。自分の信じる道を突き進んでください!」

参考文献

統計・データ

  1. EXPACTコラム:「自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる『Bootstrapping(ブートストラッピング)』とは?」- ブートストラップ企業の生存率や成長率など、米国SBAやカウフマン財団の調査データを引用 (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |) (自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは? |)(2023年)
  2. HubSpot Startup記事:「Understanding Venture Capital Due Diligence」- Forbes報告として、スタートアップのうちVC資金を調達できるのは1%未満であることを言及 (Understanding Venture Capital Due Diligence)(2023年)
  3. INITIALインタビュー:「中国著名VCのLegend Capitalが今、注目するセクターとは」- 中国スタートアップの2020年資金調達額が約13兆円(日本の約28倍)とのデータを掲載 (中国著名VCのLegend Capitalが今、注目するセクターとは|スピーダ スタートアップ情報リサーチ)(2021年)

起業家・専門家の見解

  1. Business Insider Japan記事:「VCからの資金調達はもうしない。『ブートストラップ』にこだわるスタートアップが増加中」- 米国スタートアップのブートストラップ志向のトレンドを紹介。John Nordmark氏の発言「VCは口出しが会社を弱体化させる」 (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)や、自己資金経営が見直されている状況 (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan) (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)を解説(2023年9月)
  2. BeingPracticalブログ(起業家による意見):「Funding does not make you rich」- インドの起業家による起業アドバイス集より。「資金調達しても金持ちにはならない。残念ながら多くの人はそれを理解しない」など率直な指摘が記載 (Entrepreneurship | being practical)(2011年)
  3. LinkedIn投稿(Gerald Duran氏) - 米VC関係者によるスタートアップ豆知識投稿。ファンデュエル(FanDuel)創業者が巨額調達後の売却で何も得られなかった事例を詳述し、清算優先権や希薄化の影響について解説 (Very few founders understand these basic (but confusing) rules. They get… | Chris Hodgson)(2023年)

成功・失敗事例(国内外)

  1. TinySeedブログ:「The Biggest Bootstrap Exit Ever: Mailchimp Sells for $12B」- 外部資本ゼロで成長したメールチンプ社が2021年に約120億ドルでExitし、ブートストラップ企業史上最大の売却となった事例を報告 (The Biggest Bootstrap Exit Ever: Mailchimp Sells for $12B — TinySeed)(2021年9月)
  2. JBpress記事:「退任、ゾゾ前澤友作が去り際に見せた『野生児の勘』」- ZOZO創業者・前澤氏が2019年にヤフーへの株式売却で約2400億円を得て退任した経緯を解説 (退任、ゾゾ前澤友作が去り際に見せた「野生児の勘」 業績不振だが株式売却と社長退任には絶好のタイミングだった(3/3) | JBpress (ジェイビープレス))。創業者が大株主のまま成功した国内例(2019年)
  3. WWD JAPAN記事:「ヤフーがZOZOを4000億円で買収 前澤社長は退任へ」- 前澤氏が保有株36%のうち約30%(9200万株)を売却し約3000億円の利益を得たことを報じた記事 (ZOZO前澤氏の「人財投資家としての功績」 ヤフーの連携施策も予想 …)(2019年9月)
  4. Business Insider Japan記事(上記と同じ)- Meta(旧Facebook)、Apple、Oracleなど現在の大企業も創業当初はブートストラップで始まり、Mailchimpも買収まで外部資金を入れなかった旨を紹介 (VCからの資金調達はもうしない。「ブートストラップ」にこだわるスタートアップが増加中 | Business Insider Japan)(2023年9月)