ChatGPTのDeep Research(AI)での出力結果をそのまま掲載しています。ChatGPTのDeep Researchはハルシネーション(誤った情報の生成)が少なくなるよう調整されていますが、あくまで参考程度に読んでください。当記事は検索エンジンに登録していないため、このブログ内限定の記事です。
Alice: 「ねえBob、最近話題のAIコードエディタ Cursor には Project Rules という機能があるって聞いたんだけど、何に使うものなの?」
Bob: 「それはいい質問だね、Alice。Project Rules は、プロジェクトごとにAI(Cursorのコードアシスタント)の動作をカスタマイズできる強力な機能だよ。例えばチームのコーディング規約やプロジェクト特有の知識をAIに教えておいて、コード補完やリファクタリングの際に常にそれを考慮してもらうことができるんだ。」
Alice: 「つまり、AIに“このプロジェクトではこういうルールでコードを書いてね”って先に教えておける感じかな?」
Bob: 「その通り!では、具体的にProject Rulesが何で、どう使うのか、一緒に見ていこう。」
Project Rulesとは何か?
Bob: 「まずは基本から説明するよ。」
Project Rules(プロジェクトルール)とは、Cursor v0.45で導入された機能で、プロジェクト固有のコンテキストや規約をAIに提供するための仕組みだ (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita)。従来Cursorには、グローバルに適用されるRules for AI(全プロジェクト共通のルール)と、プロジェクトごとに適用する.cursorrulesファイルという2種類のルール設定が存在していた (Cursorのルール設定で実現する!チーム開発の一貫性を保つための.cursorrulesファイル活用術 #VSCode - Qiita)。Project Rulesはそれらに代わる、より細かな単位でルールを定義できる新機能だ。
- Rules for AI(グローバルルール): Cursorの設定から有効にするユーザー個人のルール。開くプロジェクトに関係なく常に適用されます (Cursor の Project Rules 活用と改善)。例えば「常にTypeScriptでコードを書く」「デバッグログには
[DEBUG]
を付与する」といった全プロジェクト共通の好みを設定できます。 - .cursorrules(旧プロジェクトルール): プロジェクトのルートに置く単一ファイル形式のルール (Cursor の Project Rules 活用と改善)。そのプロジェクト内ではすべてのAI応答に適用され、チーム全員で共有可能です。内容はテキストベースで、プロジェクト特有のコーディング規約や技術スタックをAIに教える用途に使われてきました (Cursorのルール設定で実現する!チーム開発の一貫性を保つための.cursorrulesファイル活用術 #VSCode - Qiita)。ただし.cursorrulesは将来的に廃止予定であり (Cursor の Project Rules 活用と改善)、現在は新しいProject Rulesへの移行が推奨されています。
- Project Rules(新プロジェクトルール):
.cursor/rules/
フォルダに複数のルールファイルを配置できる仕組みです (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita) (Cursor の Project Rules 活用と改善)。.cursorrulesと同様にプロジェクト全体に適用するルールですが、ファイルごとに適用条件や用途を細かく分けられる点が特徴です (Cursor の Project Rules 活用と改善)。各ルールはプロジェクト内の特定フォルダ・ファイルにだけ適用したり、特定のケースでのみ参照させたりといった柔軟な運用が可能になりました。
Alice: 「なるほど、1つのファイルに全部書いてた旧方式より、いろんなルールを分けて持てるのがProject Rulesなのね。」
Bob: 「そうなんだ。状況に応じてAIに参照させるルールを切り替えられるから、AIがプロジェクトをよく理解した上でコードを提案してくれるようになるよ。」
Project Rulesの基本機能
Project Rulesの仕組みを、もう少し詳しく見てみましょう。
- 自動的なルール適用: Project Rulesに登録した各ルールは、CursorのAI(Chat/Composer/Agent)が必要に応じて自動で読み込んでくれるのがポイントです (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita) (Cursor の Project Rules 活用と改善)。開いているファイルの種類や、ユーザーが求めているタスク内容に応じて、関連するルールが判断・選択されてAIのコンテキスト(プロンプト)に組み込まれます。手動で都度ルール文をコピペする必要はありません。
- ファイルパターン(Globs)による適用範囲指定: 各ルールファイルにはオプションで「globs」と呼ばれるファイルパターンを指定できます。これにより、どのファイル/フォルダに対してそのルールを適用するかを指定可能です (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita) (Cursor の Project Rules 活用と改善)。例えば
globs: **/*.tsx
と書けば「拡張子.tsxの全ファイルに対してこのルールを使う」という意味になります。Globsを指定しない場合でも、CursorのAI側が内容に応じて適切にルールを利用しようと試みます (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita)が、明確に適用範囲を絞ったほうが誤用が少なく効果的です。 - ルールの説明(Description): 各ルールファイルには内容だけでなく「
description:
」を付けて、そのルールの目的や適用条件を簡潔に記述できます (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita)。この説明文自体もAIが参照し、ルールを適用すべき状況を判断する助けになります。したがって、「どんな場面でこのルールを使うか」がひと目で分かるように書いておくと良いでしょう。 - ルール内容と@fileによるファイル参照: ルールファイルの本文には、AIへの指示や情報を自由に記述できます。Markdown形式で見出しやリストを用いたり、コードブロックでコマンド例を示すことも可能です (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita)。さらに、
@file
記法を使ってプロジェクト内の特定ファイルを参照として組み込むこともできます (Cursor – Rules for AI) (Cursor Rules: Enhance Your Development Workflow with AI-Powered Coding | cursor101.com)。例えば@file ../tsconfig.json
と書けば、そのルールが適用される際にtsconfig.jsonの内容がAIに追加で提供されます。これにより、設定ファイルやドキュメントの内容をAIに読み込ませて、コード生成や提案に反映させることができます。 - バージョン管理と共有: Project Rulesの各ルールはただのテキストファイル(拡張子は
.mdc
)なので、Gitなどでバージョン管理できます (Cursor – Rules for AI) (Cursor Rules: Enhance Your Development Workflow with AI-Powered Coding | cursor101.com)。チーム開発でリポジトリに.cursor/rules
フォルダごと含めておけば、チームメンバー全員が同じルールを共有できます。メンバーがCursorを使えば、自動的にそのルールが効くため、チーム全体で統一されたAI支援を受けられます。
Alice: 「AIが自動で判断してルールを読んでくれるんだね。しかもファイルも参照できるなんてすごい!例えばドキュメントとか設定ファイルも読ませられるのね。」
Bob: 「そう。AIにとっての補助記憶みたいな役割だね。特に大規模プロジェクトだと、関連ファイルの内容も踏まえてコードを書いてほしい場面が多いから、@file機能はとても役立つんだ。」
Project Rulesの設定方法
それでは、実際にProject Rulesを使うにはどうすれば良いでしょうか?ここではルールの作成方法とルールファイルの書き方を解説します。
ルールの作成手順
Project Rulesを使うには、まずCursor上でルールファイルを作成します。方法は2通りあります。
- Cursorアプリ上で作成する方法: Cursorを開き、メニューの「Cursor Settings > General > Project Rules」に移動します。そして「Add new rule」ボタンをクリックすると新規ルールを作成できます (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita) (Cursor の Project Rules 活用と改善)。ルール名(ファイル名)を入力すると、Cursor内にエディタが開きますので、そこでルール内容を記述して保存しましょう。※エディタで編集後は自分で保存(Ctrl/Cmd+S)する必要があります。フォーカス移動では自動保存されない場合があるので注意してください (Using the "project-rules" in 0.45.2 - Discussion - Cursor - Community Forum)。
- 手動でファイルを作成する方法: プロジェクトのルートディレクトリに
.cursor
フォルダを作成し、その中にrules
というサブフォルダを作ります(すでにCursorでプロジェクトを開いたことがある場合は.cursor
フォルダが存在するはずです)。その./cursor/rules/
直下に、新しいテキストファイルを作成しましょう。ファイル名は任意ですが、拡張子は必ず.mdc
とします (Cursor Rules: Enhance Your Development Workflow with AI-Powered Coding | cursor101.com)(例:coding-style.mdc
等)。ファイルを作成・編集したら保存し、Cursorでそのプロジェクトを開き直すかリロードすると、ルールが認識されます。
どちらの方法でも結果は同じで、.cursor/rules/
配下に.mdc
ファイルが作成されます。以降はそのファイルに書いた内容がProject Rulesとして機能します。
ルールファイルの書き方
Bob: 「では実際にルールファイルの中身を書いてみよう。例えば簡単なルールを書いてみるよ。」
ルールファイルはMarkdown形式で記述できますが、特に最初の数行で以下のメタ情報を定義する習慣があります (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita)。
- ルールのタイトル(見出し): 最初に
## ...
でルール名やタイトルを付けます(例:## コーディング規約
)。これは純粋に人間向けの見出しですが、内容を整理するのに役立ちます。 - globs(適用ファイルパターン): 行頭に
globs:
と書き、後に適用したいファイルパスのパターンを記述します (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita)。ワイルドカード (*
や**
) が使えます。複数パターンをカンマ区切りで指定することも可能です(例:globs: **/*.ts, **/*.tsx
)。この行はオプショナルですが、指定すればそのパターンにマッチするファイルに対してのみルールが自動適用されます。指定しない場合、AIは文脈から必要と判断したときにこのルールを使おうとします (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita)。 - description(ルールの説明): 行頭に
description:
と書き、ルールの簡単な説明文を記述します (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita)。この説明は、ルールの目的や適用条件を自然言語で表したものです。例えば「Teamのコーディングスタイルガイドライン。変数命名規則やコードフォーマットのルールを記載。」といった具合です。説明文は必須ではありませんが、AIがルールを理解しやすくするために書いておくことを強くおすすめします。
その後に続く本文に、実際のルール内容(AIへの指示や情報)をMarkdownで記述します。箇条書きやコードブロック、見出しなどを使って整理するとよいでしょう。以下に簡単な例を示します。
## コーディングスタイル規約
globs: **/*.{js,jsx,ts,tsx} # 全てのJS/TSファイルに適用
description: チームで合意したJavaScript/TypeScriptのコーディングスタイル
# 命名規則
- 変数名・関数名はキャメルケースを使用する(例: `userProfile`)
- 定数は全て大文字スネークケース(例: `MAX_COUNT`)
# フォーマット
- 文末に必ずセミコロンを付ける
- 文字列はダブルクオートではなくシングルクオートを使用する
@file ../.eslintrc.json # ESLint設定も参照
上記は架空の「コーディングスタイル規約」ルールの例です。globs
でJavaScript/TypeScript系の全ファイルを対象にし、description
で概要を述べています。本文では命名規則やフォーマットのルールを箇条書きにし、さらに@file
でプロジェクトのESLint設定ファイルを参照に含めています。こうしておけば、AIがコード生成やリファクタリングを行う際にチームのコードスタイルを自動的に考慮してくれるようになります。
Alice: 「わあ、とても具体的!これならAIも私たちの決めた書き方でコードを書いてくれそうね。」
Bob: 「そうだね。今の例では手動で@fileにESLint設定を渡しているけど、Cursorはプロジェクトのコード自体もインデックス化してるから、既存コードのパターンも学習材料にはなっているんだ。ただ、明文化されたルールがあるとさらに確実に従わせることができるわけさ。」
グローバル適用ルールについて (Project Rulesの「常時適用」オプション)
通常、Project Rulesの各ルールは条件に合致するときのみ適用されますが、Cursor v0.46からは特定のルールを常に参照するオプションも追加されました (〖大型アプデ〗Cursorは0.46バージョンで何が変わったのか?徹底解説|まさお@未経験からプロまでAI活用)。これはグローバル適用オプションとも呼ばれ、どのファイルの操作時でも強制的にそのルールを含める設定です (〖大型アプデ〗Cursorは0.46バージョンで何が変わったのか?徹底解説|まさお@未経験からプロまでAI活用)。いわば、.cursorrulesと同等の「常時メモリ」をProject Rules内で再現する機能です。
Alice: 「ということは、“常に有効”なルールも作れるってこと?」
Bob: 「そういうこと。例えばプロジェクト全体の共通情報(チームのコーディング規約全般や開発フローの手順書など)をひとまとめにしたルールを作ってそれをグローバル適用にすれば、AIはいつでもそれを参照できる。長期記憶のように働くわけだ (〖大型アプデ〗Cursorは0.46バージョンで何が変わったのか?徹底解説|まさお@未経験からプロまでAI活用) (〖大型アプデ〗Cursorは0.46バージョンで何が変わったのか?徹底解説|まさお@未経験からプロまでAI活用)。」
このグローバル適用ルールには、例えば以下のような内容が考えられます。
- チームのコーディング規約全般 – 命名規則、コードフォーマット、レビュー手順など。
- セキュリティ/プライバシーポリシー – APIキーの扱い方や機密情報をログに出力しないといった指針 (〖大型アプデ〗Cursorは0.46バージョンで何が変わったのか?徹底解説|まさお@未経験からプロまでAI活用)。
- 共通のトラブルシューティング – よくあるバグと対処法、デバッグのコツ。
これらを1つのルールに箇条書き等でまとめておき、それを常時適用に設定すれば、AIはコードを書く際に毎回これらの知識を持っている状態になります (〖大型アプデ〗Cursorは0.46バージョンで何が変わったのか?徹底解説|まさお@未経験からプロまでAI活用)。CursorのUI上では、現在どのルールが読み込まれているか確認できる視覚的インジケーターも追加されており、複数ルールがある場合でも把握しやすくなっています (〖大型アプデ〗Cursorは0.46バージョンで何が変わったのか?徹底解説|まさお@未経験からプロまでAI活用)。
Alice: 「まるでAIにプロジェクト専用の記憶を持たせているみたいね!」
Bob: 「うん。だけど何でもかんでも詰め込みすぎると逆に効率が落ちるから、内容は厳選することが大事だよ。」
Project Rulesの活用例:現場でどう使う?
実際の開発現場で、Project Rulesはどのように活用されているのでしょうか。ここでは具体的なユースケースをいくつか紹介します。
コーディングスタイルとベストプラクティスの共有
シナリオ: Aliceのチームでは、フロントエンド開発でReactではなくSolidJSというフレームワークを使っています。しかしCursorのAIアシスタントは一般的な知識からReactコードを提案してきてしまいがちです。「SolidJSで書きたいのに、提案されるコードがReactの書き方になっていて困るわ…」とAliceは悩んでいました。
解決: BobはProject Rulesで専用のルールを作成することを提案しました。例えばfrontend-framework.mdc
というルールファイルを作り、以下のように記述します。
## フロントエンドFW統一ルール
globs: frontend/**/*.tsx
description: フロントエンドではReactではなくSolidJSを使用する
- **本プロジェクトのFront-EndはSolidJSを使用します。Reactは使用しません。**
- コンポーネント作成や状態管理もSolidJSの方法論に従って実装してください。
ここでは、プロジェクト内のfrontend/
ディレクトリ配下の.tsx
ファイルにこのルールを適用するよう指定しています。一行目の太字で「SolidJSを使用しReactは使用しない」と明示することで、AIに強く指針を示しています。
この結果、CursorのAIは.tsx
ファイルを編集する際に自動でこのルールを読み込み、SolidJSを使ったコードを提案するようになりました。SolidJSとReactが混在するプロジェクトでも、部分ごとに適切なフレームワークでコードを書き分けられるのです。実際、ある開発チームでは上記のように「この部分はReactではなくSolidJSだよ」と知らせるルールを活用したところ、AI提案の的外れが減りスムーズに開発できるようになったそうです (Cursorrules, Rules for AI, or Project Rules : r/cursor)。
また、コーディングスタイルの統一にもProject Rulesは有効です。例えば「フロントエンドではセミコロンを省略しない」「REST API通信部分では共通のエラーハンドリングを書く」といったチーム独自のベストプラクティスを箇条書きでルール化できます (Cursorのルール設定で実現する!チーム開発の一貫性を保つための.cursorrulesファイル活用術 #VSCode - Qiita) (Cursorのルール設定で実現する!チーム開発の一貫性を保つための.cursorrulesファイル活用術 #VSCode - Qiita)。AIはコード生成時にそれらの規約を参照するので、人がレビューして指摘するまでもなく、最初から規約に沿ったコードが出てくる確率が高まります。これは新人メンバーのオンボーディング促進にもつながり、ベテランが逐一指導しなくてもAI経由でスタイルを学べるメリットがあります (Cursor Rules: Enhance Your Development Workflow with AI-Powered Coding | cursor101.com) (Cursor Rules: Enhance Your Development Workflow with AI-Powered Coding | cursor101.com)。
特定のファイル操作を支援・自動化
シナリオ: Bobのチームでは、.proto
形式のインターフェース定義ファイルを編集した際に、対応するコードを再生成するビルドコマンドを実行する必要があります。以前は開発者自身がファイル変更後に手動でコマンドを叩いていましたが、うっかり再生成を忘れて不整合が起きることもありました。
解決: Project Rulesで.proto
ファイル専用のルールを作成しました。例えばproto-regenerate.mdc
というファイルに以下の内容を記述します。
## Protocol Buffer再生成ルール
globs: **/*.proto
description: .proto編集後にコードを再生成するための手順
- `.proto`ファイルを編集したら、以下のコマンドを実行して関連コードを再生成してください。
---
make protoc-gen # 実際の再生成コマンド例
---
このルールでは、任意の.proto
ファイルに対して適用されるようglobsを指定し、編集後に走らせるコマンド(ここでは架空のmake protoc-gen
)を記述しています。実際のCursorのAIは、ユーザーが.protoファイルを編集するような指示を出すと自動的にこのルールを参照し、提案の中で上記のコマンドも実行するよう促すのです (Cursorrules, Rules for AI, or Project Rules : r/cursor)。結果として、開発者が忘れずに再生成できるだけでなく、エージェントモードではAIがコード変更からビルドまで一気通貫でやってくれるケースもあります。「ファイルを直したらビルドも通しておきましたよ」とAIが言ってくれるようなイメージです。
このように、複数ステップからなる定型作業をルール化しておくことで、AIがその手順を理解し自動化を手助けしてくれます。実際のユーザー事例でも、「新しいツールをプロジェクトに追加する手順」や「新規の画面を追加する際のテンプレート作成手順」をProject Rulesにまとめ、AIがそのとおりに作業できるようにしたケースがあります (Cursorrules, Rules for AI, or Project Rules : r/cursor) (Cursorrules, Rules for AI, or Project Rules : r/cursor)。これにより、複雑な手順もミス無く素早く実行可能になり、開発の生産性が大きく向上したと報告されています。
プロジェクト特有の知識を共有
シナリオ: 大規模プロジェクトでは、設計思想やアーキテクチャ上の決定、使用しているデザインパターンなどプロジェクト特有の知識が蓄積されています。新しく参加したメンバーはそれを理解するのに時間がかかりますし、AIアシスタントでさえ最初はそれらを知りません。
解決: Project Rulesにプロジェクト独自のガイドや構成情報を記述しておきます。例えば、プロジェクトのREADMEに書かれているアーキテクチャ概略やディレクトリ構成の説明を抜粋し、architecture.mdc
というルールファイルにまとめます。さらに@file
でREADMEや設計ドキュメントへのパスを指定しておけば、AIは常にそれらを参照できます。
具体例として、先述のZenn記事ではフロントエンドのディレクトリ構成と命名規則を詳細に記したルールファイルが紹介されています (Cursor の Project Rules 活用と改善) (Cursor の Project Rules 活用と改善)。そのルールには機能ごとのフォルダ構成からコンポーネント命名、共通モジュール配置といったプロジェクト内約束事が段落付きで整理されていました (Cursor の Project Rules 活用と改善) (Cursor の Project Rules 活用と改善)。AIはそれを読むことで、例えば新機能の追加実装を頼まれた際にもプロジェクトの一貫した構造に従ったコードを生成できるようになります。
このように、Project Rulesは単なるコードスタイルだけでなく、プロジェクトのドキュメントや設計の要点をAIと共有する手段としても活用できます。結果として、AIの提案がプロジェクトに適合したものになり、新メンバーの理解促進や設計方針から外れない実装の担保に役立っています。
Alice: 「AIにプロジェクトの内情まで把握させられるなんて、すごいわ!これなら大規模プロジェクトでも安心してAIに任せられる気がする。」
Bob: 「まさに。AIをプロジェクトに詳しい相棒にできるわけだね。ただし、ちゃんと教えてあげる(ルールを書く)手間は必要だから、そのあたりはバランスだけど。」
ベストプラクティスと注意点
Project Rulesを効果的に使うために、いくつかベストプラクティスと注意すべきポイントを押さえておきましょう。
1. ルールはできるだけ簡潔に、目的ごとに分割する
Bob: 「ルールは欲張って何でもかんでも書けばいいってものじゃないよ。」
ルールファイルに盛り込める内容は自由ですが、短くポイントを絞った方がAIには伝わりやすいです (Comprehensive .cursorrules template : r/cursor) (Comprehensive .cursorrules template : r/cursor)。一つのルールに何ページにもわたるガイドラインを詰め込むより、トピックごとにルールを分けて短くまとめましょう。「ルールが短く簡潔なほど効果的だった」との報告もあります (Comprehensive .cursorrules template : r/cursor)。実際、コミュニティで共有されている包括的なテンプレート(約3~4千トークン!)を試したユーザからも「そのままでは長すぎる、不要な部分は削って自分のプロジェクトに合うよう小さくしたほうがいい」との声が上がっています (Comprehensive .cursorrules template : r/cursor)。
ポイントは、各ルールの責務を明確にすることです。「これはフロントエンドのスタイルガイド」「これはテスト実行手順」といったように、トピックごとにファイルを分けておくと、AIも必要なときに必要なルールだけを選びやすくなります。逆に詰め込みすぎたルールは関連性の低い情報まで含むため、AIが混乱したりコンテキスト容量を圧迫したりする可能性があります。
2. 理解できないテンプレートをそのまま使わない
最近ではコミュニティに多くのProject Rules/.cursorrulesのテンプレートが公開されています (Comprehensive .cursorrules template : r/cursor)。便利ではありますが、それらを内容を理解せずコピー&ペーストするのは避けましょう。テンプレートにはあなたのプロジェクトに不要な項目も含まれているかもしれません。実際に「テンプレート中理解できない部分があれば外すべき」との助言もあります (Comprehensive .cursorrules template : r/cursor)。
まずは自分の言葉で自分のプロジェクトに必要な事項を書くようにしましょう。他の例は参考程度に見て、「こういう観点も含めるといいかな」とアイデアを得るくらいが安全です。最終的にAIに渡すプロンプト(ルール内容)は自分自身も理解していることが重要です。
3. ルールファイルは適切に配置する(サブフォルダは使えない)
Project Rulesの.mdcファイルは、基本的に<プロジェクト>/.cursor/rules/
直下に配置してください (Using the "project-rules" in 0.45.2 - Discussion - Cursor - Community Forum)。現行バージョン(0.46時点)では、さらに深いサブディレクトリ(例: .cursor/rules/frontend/ルール名.mdc
など)に置くと認識されません (Using the "project-rules" in 0.45.2 - Discussion - Cursor - Community Forum) (Using the "project-rules" in 0.45.2 - Discussion - Cursor - Community Forum)。すべてのルールファイルはrules
フォルダ直下に並べる必要があります。また、.cursor/rules
フォルダごとプロジェクトに含めればチームで共有可能ですが、逆に言えばルールを追加したら必ずGitにコミットし、他のメンバーにも同期してもらうようにしましょう。ローカルだけに置いても他の人の環境では効きません。
4. ルールの競合や冗長に注意
複数のルールを運用する場合、内容が重複したり矛盾したりしないよう気を付けましょう。例えば、似たようなコーディング規約を二重に書いてしまうと、メンテナンスの手間が増えますし、将来どちらか一方だけ修正してもう一方を忘れると不整合が生まれます。なるべくDRY(Don't Repeat Yourself)を心がけ、共通事項は一つのルールにまとめるか、必要に応じてルール間で@file
参照するなどして再利用しましょう (Mastering Cursor Rules: A Developer's Guide to Smart AI Integration - DEV Community) (Mastering Cursor Rules: A Developer's Guide to Smart AI Integration - DEV Community)。一方で、矛盾するルール(例えばあるルールで「Fooフレームワークを使用せよ」と書き、別のルールで「Fooは使うな」と書いてしまう等)はAIを混乱させるだけなので厳禁です。
AIは基本的に複数のルールが適用範囲に該当するとき全てまとめてコンテキストに取り込みます。その際、もし相反する指示があれば整合性が取れなくなり、結果として意図しない動作をする可能性があります。ルールを増やしすぎたと感じたら、一度整理して、ルール同士の関係を見直すことも大切です。
5. 機密情報は含めない
Project Rulesはプロジェクト内の知識共有に便利ですが、APIシークレットや個人情報など機密事項は直接書かないようにしましょう。AIにそれらを渡すと、誤って出力してしまうリスクがありますし、クラウド上のLLMサービスを使う場合は情報漏洩の危険もあります。どうしてもAIに教えたい秘密情報がある場合でも、「何をすべきか」という手順や方針として記述し、生の機密データは含めないのが原則です(例: 「APIキーはGit管理せず環境変数から読むこと」などの指針を書く程度に留め、具体的なキー文字列は書かない)。
6. 動作確認とアップデート
ルールを作成・変更したら、実際にAIにコードを書かせてみて意図どおり動くか確認しましょう。例えばスタイルガイドのルールを入れたなら、その規約に沿ったコードが出力されるか試します。もしAIの挙動が期待と異なる場合、ルールの記述を調整する(表現を変える、強調する、不要な情報を削る等)といったチューニングを行います。
また、Cursor本体のアップデートに伴いProject Rulesの仕様や挙動が変わる可能性があります。実際v0.46ではルールの適用確認UIや常時適用オプションが追加されました (〖大型アプデ〗Cursorは0.46バージョンで何が変わったのか?徹底解説|まさお@未経験からプロまでAI活用) (〖大型アプデ〗Cursorは0.46バージョンで何が変わったのか?徹底解説|まさお@未経験からプロまでAI活用)。リリースノートやコミュニティの情報をウォッチして、ルールを最新のベストプラクティスに保つよう心がけましょう。
Alice: 「覚えることも多いけど…要は“プロジェクトに合わせてルールも進化させてね”ってことね。」
Bob: 「その通り。Project Rules自体がまだ新しい機能だから、今後さらに改良されるかもしれない。常にプロジェクトに最適な形になるよう気を配ろう。」
まとめ
CursorのProject Rulesは、初心者から上級者までぜひ活用したい画期的な機能です。プロジェクトごとのコード規約や知識をAIに教え込むことで、AIを真のチームメンバーのように振る舞わせることができます。初学者でも、本記事で紹介したように対話形式で少しずつ理解していけば、難しい設定ではないとお分かりいただけたでしょう。
重要なのは、「何をAIに守ってほしいか」「何を知っておいてほしいか」を明確にし、それを簡潔にルールとして書き下すことです。最初は手間に思えるかもしれませんが、一度整備すれば以降の開発効率やコード品質は飛躍的に向上します (Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方 #ChatGPT - Qiita)。チーム開発においては人間同士の認識合わせが減り、個人開発においても自分のスタイルで快適にコーディングできるでしょう。
あなたもぜひ、自分のプロジェクトに合わせたProject Rulesを作ってみてください。AIと息の合ったペアプロが実現し、コーディングがますます楽しくなるはずです!
参考文献
- Cursor公式ドキュメント: Rules for AI【プロジェクトルール説明】
- Qiita: Cursor 0.4.5の新機能:Project Rulesの使い方
- Qiita: Cursorのルール設定で実現する!チーム開発の一貫性を保つための.cursorrulesファイル活用術
- Zenn: Cursor の Project Rules 活用と改善
- Note: Cursor v0.46 大型アップデート解説(Project Rulesの強化)
- Reddit: Cursorrules, Rules for AI, or Project Rules (ユーザ事例と使い分け解説)
- Reddit: Comprehensive .cursorrules template (大型テンプレートと注意点)
- Cursor101: Understanding Cursor Rules (グローバルルールとプロジェクトルール解説)
- DEV.to: Mastering Cursor Rules – A Developer’s Guide to Smart AI Integration